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ツァイト (アルバム)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Zeit
ラムシュタインスタジオ・アルバム
リリース
録音 2020年9月–2021年2月
Les Studios de la Fabriqueフランス語版フランスの旗 フランスプロヴァンス
ジャンル ノイエ・ドイチェ・ヘァテ
インダストリアル・メタル
時間
レーベル ユニバーサルミュージック
プロデュース オルセン・インヴォルティーニドイツ語版
ラムシュタイン
ラムシュタイン アルバム 年表
タイトルなし
2019年
ツァイト
2022年
ミュージックビデオ
時間 - YouTube
ジグザグ - YouTube
不安 - YouTube
大きいおっぱい - YouTube
アデュー - YouTube
『ツァイト』収録のシングル
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『ツァイト』ドイツ語:Zeit)は、ドイツバンドであるラムシュタインの8枚目となるスタジオ・アルバム

概要

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2019年に前作『タイトルなし』が発売されたことで始まったヨーロッパ・スタジアムツアーが新型コロナウイルスによるロックダウンによって2020年、2021年の公演が中止となり、活動休止を余儀なくされた中で制作された[1][2]

「生」と「死」をモチーフとしたコンセプト・アルバム。生では「美」や「性」などがキーワードとなり、死では「闇」や「不安」などがキーワードとなる。

ジャケットはヨハニスタール飛行場跡(現・航空力学公園)で撮られたものであり、撮影者はブライアン・アダムスである。

発売前にクリストフ国際宇宙ステーション滞在中のトマ・ペスケ船長に聴かせており、その様子をインスタグラムに投稿している[3]

発売の1ヶ月前には世界中の内11箇所にトラックリストを入れたタイムカプセルが隠された。25日にはウェブサイト上に隠された場所の座標が公開され、発見者には2022年から再開されるヨーロッパツアーのチケットと旅費が与えられるというキャンペーンも行われた[4]

発売の前日には「Zeit」「Zick Zack」「Angst」のミュージックビデオ(以下MV)が世界中の映画館で上映された[注釈 1]

収録曲

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作詞作曲はすべて「Rammstein」表記。邦題はユニバーサルミュージックジャパン公式より引用。

  1. Armee der Tristen – 憂鬱の軍団
  2. Zeit – 時間
    歌詞にゲーテの詩『ファウスト』からの引用がある。
  3. Schwarz – 闇
  4. Giftig – 毒女
    曲中に歌詞の逆再生が含まれる。
  5. Zick Zack – ジグザグ
    整形をモチーフとした曲。
    シングルのジャケット及びMVでオリバーが扮しているのは、ファッションデザイナーハラルド・グロックラー英語版と思われる。
  6. OK
    性病をモチーフとした曲。
    「OK」は「Ohne Kondom(訳:コンドームなしで)」の略語であり、歌詞に淋病の症状がある。
  7. Meine Tränen – 俺の涙
    毒親をモチーフとした曲。
  8. Angst – 不安
    ブギーマン[注釈 2]をモチーフとした曲。
    ドイツの鬼ごっこにあたる遊び"Schwarze Mann"で掛け声として使われるフレーズ「Wer hat Angst vorm Schwarzen Mann?(訳:黒い男が怖いのは誰だ?)」を歌詞で引用している。
    MVにはオールブラックスオランダのチョコレート製造会社"Dobla"が1950年代に発売していたチョコレート"ニガーキス[6]"など、「黒」や「黒人」を連想させる要素がある。
  9. Dicke Titten – 大きいおっぱい
    曲全体に金管楽器をフィーチャーした異色作[注釈 3]
    MVはメンバー及びエキストラがレーダーホーゼンディアンドルを着用し、チロルの民族的な踊りである"Schuhplattler英語版"を踊ったり、映像の最後にティルエーデルワイスを踏む[注釈 4]など、南チロルの民族的アイデンティティを巡る問題を連想させる構成となっている。
  10. Lügen – 嘘
  11. Adieu – アデュー
    ムター(アルバム)英語版』収録の「Adios(アディオス)」とは無関係。
    アデュー(フランス語: Adieu)は主に長期の別れや死別の際に使う言葉である[7]

参加ミュージシャン

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ラムシュタイン

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追加ミュージシャン

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参考文献

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脚注

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注釈

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  1. ^ 日本では丸の内ピカデリー ドルビーシネマのみの上映[5]
  2. ^ ブギーマンはドイツではシュヴァルツェマン(ドイツ語: der schwarze Mann)またはブッツェマン(ドイツ語: Butzemann)と呼ぶ。
  3. ^ ローゼンロート英語版』収録の「Te Quiero Puta!(愛してるぜ、姉ちゃん)」以来、17年ぶりとなる。
  4. ^ エーデルワイスは非公式ではあるが、オーストリアの国花である。

出典

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  1. ^ ラムシュタインが新型コロナウイルスによるロックダウン中に新曲の制作を始めていたことを明かす”. Udisovermusic.jp (2020年6月16日). 2025年3月3日閲覧。
  2. ^ ラムシュタイン、ロックダウン中に新たなアルバムをレコーディングしていたことを明かす”. Udisovermusic.jp (2021年3月2日). 2025年3月3日閲覧。
  3. ^ ラムシュタイン、宇宙ステーション滞在中の宇宙飛行士に新曲をいち早く聞かせる”. Udisovermusic.jp (2021年10月28日). 2024年9月12日閲覧。
  4. ^ Rammstein Reveal Full 'Zeit' Track List After Fans Complete Challenge”. Loudwire (2022年3月29日). 2025年3月2日閲覧。
  5. ^ ラムシュタイン新作『ZEIT』、一夜限りのプレミア上映会を最速レポート!”. YOUNGGUITAR (2022年4月29日). 2024年10月13日閲覧。
  6. ^ Culture Power - 平川典俊”. 武蔵野美術大学文化芸術学科 (2006年6月14日). 2025年2月24日閲覧。
  7. ^ adieu(フランス語)の日本語訳”. kotobank.jp. 2025年2月24日閲覧。

外部リンク

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