ダニカ・パトリック
ダニカ・パトリック Danica Patrick | |
---|---|
![]() 2018年インディ500にて | |
基本情報 | |
国籍 |
![]() |
生年月日 | 1982年3月25日(42歳) |
出身地 | ウィスコンシン州ベロイト |
受賞 | |
2005 2005 2005-2010 2012 |
インディアナポリス500・ルーキー・オブ・ザ・イヤー インディカー・シリーズ・シーズン・ルーキー・オブ・ザ・イヤー インディカー・シリーズ・モースト・ポピュラー・ドライバー NASCAR・ネイションワイド・シリーズ・モースト・ポピュラー・ドライバー |
ダニカ・スー・パトリック(Danica Sue Patrick、1982年3月25日 - )は、アメリカ合衆国出身の女性レーシングドライバー。
北米のフォーミュラ選手権インディカー・シリーズにおいて、女性レーサーとして史上初の優勝実績を持つ。
経歴
[編集]10歳でカートレースにデビュー。1997年に世界カート協会グランド・ナショナル選手権HPVクラスチャンピオンとなる。2003年からチャンプカー・ワールド・シリーズの傘下であるトヨタ・アトランティック・シリーズに参戦、ランキング6位になる。2004年も同シリーズに参戦し、ポールポジション1回、ポートランドで2位に入賞するなど活躍し、ただ1人全戦完走を成し遂げ、ランキングは3位となる。
2005年レイホール・レターマン・レーシングからインディカー・シリーズにデビュー、女性として同シリーズとしてはサラ・フィッシャーに次ぐ2人目のフル参戦である。第5戦のインディ500では女性として初のラップリーダーとなり、インディ500史上女性最上位となる4位に入賞する。また、第8戦カンザスでの初ポールポジションを皮切りに、ルーキーとしては最多タイとなる3回のポールポジションを獲得することとなる。この年は雑誌の表紙を飾ったり、TVガイドやESPNでも取りあげられるなど、アメリカスポーツ界に一躍ダニカ旋風が巻き起こることとなった。同年11月、16歳年上の理学療法士の男性ポール・ホスペンタールと結婚した。
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2006年は所々で良い走りをみせるものの、チーム共々不振に陥っていたが、2007年にアンドレッティ・グリーン・レーシングへ移籍し、自己最高位となる2位に1回、3位に2回入賞するなどしてランキングは7位となった。
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翌2008年も引き続きアンドレッティ・グリーン・レーシングから参戦し、ツインリンクもてぎで行われた第3戦インディジャパン300でついに初優勝を達成した。これはダニカ自身の初優勝であると同時に、インディカー史上初の女性ドライバーの優勝である。
2009年は、チーム力の低下とあいまって優勝はできなかったが、チーム内では最上位のランキング5位の成績を残した。
2010年は、インディカーに引き続き参戦するほか、NASCARの一部レースにスポット参戦した。インディカー・シリーズでは、テキサスとマイアミで2位を獲得するが、ロードコースでの不調が尾を引きランキング10位にとどまった。
2012年11月20日に自身のフェイスブックで、理学療法士の夫と離婚していたことを明らかにした[1]。
2013年シーズンはスチュワート=ハース・レーシングに移籍し、スプリントカップ・シリーズにフル参戦する。開幕戦デイトナ500ではポールポジションを獲得した[2]。
2014年に発売予定のセガの『ソニック&オールスターレーシング トランスフォームド』にゲスト出演する[3]。
2015年8月12日、フォーブスは「世界で最も稼ぐ女性アスリートランキング」を発表し、パトリックは4位に選出された[4]。
2017年9月12日、スチュワート=ハース・レーシングはパトリックが2017年シーズン限りで離脱することを発表した [5]。去就が注目されていたが、2018年はデイトナ500及びインディ500に参戦し現役引退する意向を発表した[6]。また、12月には交際していたリッキー・ステンハウス・ジュニアと破局していたことが明らかになった[7]。
現役最終年の2018年はプレミアム・モータースポーツの7号車でデイトナ500に参戦したが、101周目のクラッシュに巻き込まれリタイヤとなった[8]。現役最後となるレースのインディ500はエド・カーペンター・レーシングからの参戦を発表[9]。5月19日に行われた予選1日目(バンプ・デイ)のアテンプトでは9番手となり、翌5月20日の予選2日目(ポール・デイ)に行われたファストナイン・シュートアウトでは順位を2つ上げ、3列目インサイドの7番グリッドを獲得した[10]。
レース戦績
[編集]略歴
[編集]年 | シリーズ | チーム | Car No. | レース | 勝利 | PP | FL | ポイント | 順位 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1998 | フォーミュラ・ボクスホール・ウィンター・シリーズ | - | - | - | - | - | - | - | - |
1999 | イギリス・フォーミュラ・ボクスホール・チャンピオンシップ | - | - | - | - | - | - | 31 | 9位 |
2000 | イギリス・フォーミュラ・フォード・チャンピオンシップ | ![]() |
- | 14 | 0 | 0 | 0 | 3 | 19位 |
フォーミュラ・フォード・フェスティバル | ![]() |
89 | 1 | 0 | 0 | 0 | N/A | 2位 | |
ヨーロピアン・フォーミュラ・フォード・チャンピオンシップ | - | - | - | - | - | - | - | ||
2001 | イギリス・フォーミュラ・フォード・チャンピオンシップ | - | - | 0 | 0 | 0 | 10 | 25位 | |
2002 | バーバー・ダッジ・プロ・シリーズ | ![]() |
89 | 5 | 0 | 0 | 0 | 35 | 13位 |
2003 | アメリカン・ル・マン・シリーズ - GTSクラス | ![]() |
80 | 1 | 0 | 0 | 0 | 10 | 23位 |
トヨタ・アトランティック・チャンピオンシップ | ![]() |
24 | 12 | 0 | 0 | 0 | 109 | 6位 | |
2004 | 24 | 12 | 0 | 1 | 1 | 269 | 3位 | ||
2005 | インディカー・シリーズ | ![]() |
16 | 17 | 0 | 3 | 1 | 325 | 12位 |
2006 | 16 | 13 | 0 | 0 | 0 | 302 | 9位 | ||
ロレックス・スポーツカー・シリーズ (デイトナ24時間レース) - DPクラス | ![]() |
2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 7 | 106位 | |
2007 | インディカー・シリーズ | ![]() |
7 | 17 | 0 | 0 | 1 | 424 | 7位 |
2008 | 7 | 18 | 1 | 0 | 0 | 379 | 6位 | ||
2009 | 7 | 17 | 0 | 0 | 0 | 393 | 5位 | ||
ロレックス・スポーツカー・シリーズ (デイトナ24時間レース) - DPクラス | ![]() |
2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 23 | 43位 | |
2010 | インディカー・シリーズ | ![]() |
7 | 17 | 0 | 0 | 0 | 367 | 10位 |
NASCAR・ネイションワイド・シリーズ | ![]() |
7 | 13 | 0 | 0 | 0 | 1032 | 43位 | |
NASCAR・K&N・プロ・シリーズ・イースト | 83 | 1 | 0 | 0 | 0 | 155 | 45位 | ||
ARCA・レーシング・シリーズ | ![]() |
7 | 1 | 0 | 0 | 0 | 200 | 85位 | |
2011 | インディカー・シリーズ | ![]() |
7 | 17* | 0 | 0 | 0 | 314 | 10位 |
NASCAR・ネイションワイド・シリーズ | ![]() |
7 | 12 | 0 | 0 | 0 | 321 | 26位 | |
2012 | 7 | 33 | 0 | 1 | 0 | 838 | 10位 | ||
NASCAR・スプリント・カップ・シリーズ | ![]() |
10 | 10 | 0 | 0 | 0 | 0 | 62位 | |
2013 | 10 | 36 | 0 | 1 | 0 | 646 | 27位 | ||
NASCAR・ネイションワイド・シリーズ | ![]() |
34 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 128位 | |
2014 | NASCAR・スプリント・カップ・シリーズ | ![]() |
10 | 36 | 0 | 0 | 0 | 735 | 28位 |
NASCAR・ネイションワイド・シリーズ | ![]() |
30 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 108位 | |
2015 | NASCAR・スプリント・カップ・シリーズ | ![]() |
10 | 36 | 0 | 0 | 0 | 716 | 24位 |
2016 | 10 | 36 | 0 | 0 | 0 | 689 | 24位 | ||
2017 | モンスターエナジー・NASCAR・カップ・シリーズ | 10 | 36 | 0 | 0 | 0 | 511 | 28位 | |
2018 | インディカー・シリーズ | ![]() |
13 | 1 | 0 | 0 | 0 | 13 | 38位 |
モンスターエナジー・NASCAR・カップ・シリーズ | ![]() |
7 | 1 | 0 | 0 | 0 | 2 | 47位 |
アメリカン・オープン=ホイール・レーシング
[編集]バーバー・ダッジ・プロ・シリーズ
[編集]年 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | ランク | ポイント |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2002年 | SEB | LIM | LAG | POR | TOR 7 |
CLE 7 |
VAN 4 |
MDO 11 |
ROA | MTL 22 |
13位 | 35 |
トヨタ・アトランティック・チャンピオンシップ
[編集]年 | チーム | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | ランク | ポイント |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2003年 | チーム・レイホール | MTY 3 |
LBH 14 |
MIL 6 |
LS 13 |
POR 6 |
CLE 5 |
TOR 10 |
TRR 5 |
MDO 10 |
MTL 7 |
DEN 5 |
MIA 2 |
6位 | 109 |
2004年 | LBH 5 |
MTY 3 |
MIL 4 |
POR1 2 |
POR2 7 |
CLE 3 |
TOR 4 |
VAN 4 |
ROA 4 |
DEN 5 |
MTL 4 |
LS 8 |
3位 | 269 |
年数 | チーム | レース | ポール | 勝利 | 表彰台 (優勝以外) |
トップ10 (表彰台以外) |
チャンピオンシップ |
---|---|---|---|---|---|---|---|
2 | 1 | 24 | 1 | 0 | 5 | 17 | 0 |
インディカー・シリーズ
[編集]- 太字はポールポジション、斜字はファステストラップ。(key)
- 1 : フリー走行中、チームメイトであるポール・ダナの運転するマシンがスピンを喫したエド・カーペンターを避けきれずクラッシュ。この影響でダナが搬送先の病院で死亡する。
- 2 : インディーカー・シリーズとチャンプカー・ワールド・シリーズ合併の影響で、もてぎ戦はインディカーチーム、ロングビーチ戦では旧チャンプカーチームへ別れて第3戦を行った。
- 3 : エキシビションレースのため、ポイントは加算されない。
- 4 : 決勝レース中に多重クラッシュが発生し、この影響でダン・ウェルドンが死亡する事態となる。そのためレースはクラッシュが発生した11周目を以て中止となった。
年数 | チーム | レース | ポール | 勝利 | 表彰台 (優勝以外) |
トップ10 (表彰台以外) |
インディ500 勝利 |
チャンピオンシップ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
7 | 2 | 114 | 3 | 1 | 6 | 63 | 0 | 0 |
インディアナポリス500
[編集]年 | シャシー | エンジン | スタート | フィニッシュ | チーム |
---|---|---|---|---|---|
2005年 | パノス | ホンダ | 4位 | 4位 | レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング |
2006年 | 10位 | 8位 | |||
2007年 | ダラーラ | 8位 | 8位 | アンドレッティ・グリーン・レーシング | |
2008年 | 5位 | 22位 | |||
2009年 | 10位 | 3位 | |||
2010年 | 23位 | 6位 | アンドレッティ・オートスポーツ | ||
2011年 | 25位 | 10位 | |||
2018年 | シボレー | 7位 | 30位 | エド・カーペンター・レーシング |
スポーツカー・レーシング
[編集]アメリカン・ル・マン・シリーズ
[編集]年 | エントラント | クラス | シャシー | エンジン | タイヤ | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | ランク | ポイント |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2003年 | ヴェロックス・プロドライブ・レーシング | GTS | フェラーリ・550-GTS・マラネロ | フェラーリ 5.9L V12 | M | SEB | ATL ovr:10 cls:4 |
SON | TRO | MOS | AME | MON | MIA | PET | 23位 | 10 |
グランド=Am・ロレックス・スポーツカー・シリーズ
[編集]年 | チーム | 製造 | エンジン | クラス | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | ランク | ポイント |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2006年 | ハワード=ボス・モータースポーツ | クロフォード・DP03 | ポンティアック | DP | DAY1 50/24 |
MEX | HOM | LBH | VIR | LAG | PHX | LRP | WAT1 | DAY2 | BAR | WAT2 | INF | MIL | 106位 | 7 |
2009年 | チルドレス=ハワード・モータースポーツ | クロフォード・DP08 | DAY1 8/8 |
VIR |
NJ |
LAG |
WAT |
MDO |
DAY2 |
BAR |
WAT2 |
CGV |
MIL |
HOM |
43位 | 23 |
デイトナ24時間レース
[編集]年 | クラス | No. | チーム | 車両 | コ=ドライバー | ラップ | 順位 | クラス 順位 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2006年 | DP | 2 | ![]() |
ポンティアック・クロフォード DP03 | ![]() ![]() ![]() |
273 | 50DNF | 24DNF |
2009年 | DP | 2 | ![]() |
ポンティアック・クロフォード DP08 | ![]() ![]() ![]() |
702 | 8 | 8 |
NASCAR
[編集]モンスターエナジー・カップ・シリーズ
[編集]デイトナ500
[編集]年 | チーム | マニュファクチュア | スタート | フィニッシュ |
---|---|---|---|---|
2012年 | スチュワート=ハース・レーシング | シボレー | 29位 | 38位 |
2013年 | 1位 | 8位 | ||
2014年 | 27位 | 40位 | ||
2015年 | 20位 | 21位 | ||
2016年 | 16位 | 35位 | ||
2017年 | フォード | 12位 | 33位 | |
2018年 | プレミアム・モータースポーツ | シボレー | 28位 | 35位 |
ネイションワイド・シリーズ
[編集]K&N・プロ・シリーズ・イースト
[編集]年 | チーム | No. | 製造 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | NKNPSEC | Pts |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2010年 | JR・モータースポーツ | 83 | シェビー | GRE | SBO | IOW | MAR | NHA | LRP | LEE | GRE | NHA | DOV 6 |
45位 | 155 |
ARCA・メナーズ・シリーズ
[編集]年 | チーム | No. | 製造 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | ARSC | Pts |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2010年 | JR・モータースポーツ | 7 | シェビー | DAY 6 |
PBE | SLM | TEX | TAL | TOL | POC | MCH | IOW | MFD | POC | BLN | NJE | ISF | CHI | DSF | TOL | SLM | KAN | CAR | 85位 | 200 |
脚注
[編集]- ^ AUTO SPORTS WEB(ダニカ・パトリック、理学療法士と離婚・2012年11月21日)
- ^ “02/24/2013 race: Daytona 500 (Cup)”. Racing-Reference. USA Today Sports Media Group. oct 4, 2017閲覧。
- ^ ソニック&オールスターレーシング トランスフォームドの公式サイトの紹介ムービーより。
- ^ “世界で最も稼ぐ女性アスリート 1位はシャラポワ”. Forbes Japan. 2017年10月4日閲覧。
- ^ “NASCAR:ダニカ・パトリック、今季限りでスチュワート・ハース離脱。2018年の活動は言及せず”. オートスポーツweb (2017年9月13日). 2017年10月4日閲覧。
- ^ “インディカー初の女性ウイナー、ダニカ・パトリック。2018年のデイトナ500とインディ500に参戦し現役引退へ”. オートスポーツweb (2017年11月18日). 2018年3月13日閲覧。
- ^ “ダニカ・パトリック、恋人ステンハウスJr.と破局。約5年の交際に幕”. Motorsport.com (2017年12月19日). 2018年3月13日閲覧。
- ^ “NASCAR:第1戦デイトナ500はシボレーの新型カマロZL1が勝利。ダニカは完走ならず”. オートスポーツweb (2018年2月21日). 2018年3月13日閲覧。
- ^ “ダニカ、引退レースのインディ500はカーナンバー13を付けエド・カーペンター・レーシングから参戦”. オートスポーツweb (2018年3月8日). 2018年3月13日閲覧。
- ^ “インディ500で引退のダニカは7番グリッド獲得「結構緊張していたからホッとしている」”. オートスポーツweb (2018年5月23日). 2018年5月23日閲覧。
関連項目
[編集]- モータースポーツ
- ドライバー一覧
- ボビー・レイホール
- マイケル・アンドレッティ
- トニー・カナーン
- ダリオ・フランキッティ
- サラ・フィッシャー
- ミルカ・デュノー
- シモーナ・デ・シルベスト
- 武藤英紀
- ソニック&オールスターレーシング トランスフォームド(2014年、PS3・Wii U)