コンテンツにスキップ

タイ国鉄HAS型ディーゼル機関車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
タイ国鉄HAS型ディーゼル機関車
HAS型77号機 ナコンラチャシマ駅にて
HAS型77号機
ナコンラチャシマ駅にて
基本情報
運用者 タイ国有鉄道
製造所 ヘンシェル
製造年 1986年
製造数 10両
主要諸元
軸配置 Co
軌間 1,000 mm
全長 9,600 mm
全幅 2,790 mm
全高 3,700 mm
機関車重量 41.3 t
軸重 13.75 t
動力伝達方式 液体式
機関 カミンズ MTU6V396
設計最高速度 58 km/h
定格出力 704 PS / 2,200 rpm
テンプレートを表示


タイ国鉄HAS型ディーゼル機関車(タイこくてつHASがたディーゼルきかんしゃ)は、1986年西ドイツヘンシェルにて製造されたタイ国有鉄道液体式ディーゼル機関車である。その車番から70形と呼ばれる場合もある[1]。なお、メーカーにおける型式はDHG700Cである。

導入の経緯

[編集]

1980年代前半のタイ国鉄では、60年代までに製造されたドイツクラウス=マッファイ社製KM型やイギリスハンスレット英語版社製HU型などの旧型入換機を使用していた。しかしこれらは牽引力が低く非効率であるため、これを近代的な大出力機へと置き換えるために製造されたのが本形式である。

車両

[編集]

現役のタイ国鉄の機関車としては唯一凸型の車体をしている。本線運用は考慮していないため、最高速度は58km/hとかなり低いものとなっており、その分入換機として必要なトルクを確保している。また、タイ国鉄最後の液体式ディーゼル機関車でもある。

塗装は、黄色とオレンジ色のツートンの間に赤色の帯が割り込むものとなっている。前面はいわゆる「金太郎塗り」である。また、ランボード下部は黄色と黒色の警戒色で塗装されている。なお、75号機は黄色の車体に白色の帯が入る独自の塗装となっていた[2][3]が、現在の塗装は不明。

運用

[編集]

導入当初から現在に至るまで、各地の主要駅や工場などにおいて入換機として活躍している。最も大きなものではクルンテープ駅にて入換作業を担っていたが、これは後にGE型にその役目を譲っている。また、その高出力を活かし、近距離軽量貨物列車のけん引を行うこともあった。

製造年・メーカー一覧

[編集]

脚注

[編集]
  1. ^ 『鉄道ピクトリアル』2000年4月号 (No.683) p.104 電気車研究会
  2. ^ DHL 00087” (英語). rotfaithai.com. 2020年7月28日閲覧。
  3. ^ DHL 00250” (英語). rotfaithai.com. 2020年7月28日閲覧。

参考文献

[編集]
  • 『鉄道ピクトリアル』2000年4月号 (No.683) p.101-104 電気車研究会

関連項目

[編集]