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セイロンマツモ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Ceratophyllum submersum
分類
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
: マツモ目 Ceratophyllales
: マツモ科 Ceratophyllaceae
: マツモ属 Ceratophyllum
: "セイロンマツモ" C. submersum
学名
Ceratophyllum submersum L. (1763)[1]
シノニム
和名
"セイロンマツモ"[3]、"ペルーマツモ"[3]
英名
soft hornwort[2], spineless hornwort[2]

Ceratophyllum submersumマツモ目マツモ科に属する水草の1種であり、セイロンマツモペルーマツモとよばれることがある[3]。ただし C. submersum(狭義)はセイロン島南米には生育していない[1][4]アクアリウムでの観賞用に栽培されることがある。

特徴

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を欠く沈水性の浮遊植物である。特殊化した枝によって水底に固着していることもある。節にはが輪生する(下図1, 2a)。葉は明緑色、2–4 cm、ふつう3–4回二叉分岐し、柔軟で水から出すと崩れやすく、鋸歯は目立たない[1][4](図2b)。幼芽の第1節、第2節の葉は分岐しない[4]

2a. 全形
2b. 葉は3–4回二叉分岐している(写真のものは3回)

花柄は1ミリメートル (mm) 以下[4]雄花は直径 –2 mm、は 0.6–0.8 × 0.4–0.7 mm[1]雌花苞葉花被片)は (1.5–)1.8–2 x 0.1–0.3 mm[1]果実痩果、長さは 4.5 mm 以上、縦/横は1.6以上[1][4]。痩果のトゲが未発達であり、花柱由来のトゲもふつう 2 mm 以下[4]

分布

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ヨーロッパ西アジアの一部、アフリカ北部から中部などの旧世界西部に広く分布する[1][4]

利用

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アクアリウムでは、Ceratophyllum submersum とされる植物が、観賞用に栽培されることがある。弱酸性から弱アルカリ性の水質まで適応し、育成は容易とされる[3]

分類

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マツモ属の種は互いに類似し、かつ環境条件による形態変異が大きいための認識が難しく、さまざまな分類体系が提唱されている[5][4]。Wilmot-Dear (1985) はマツモ属を Ceratophyllum submersumマツモ (C. demersum) に大きく二分することを提唱した[4](下表1)。一方、Les (1989) は Wilmot-Dear (1985) がまとめた C. submersum を4種(狭義の C. submersum, C. muricatum, C. tanaiticum, C. echinatum)に分けることを提唱した[4](下表1)。Szalontai et al. (2018) による分子系統学的研究からは、後者がおおよそ支持されている[4](下表1)。このような変遷があったため、C. submersum の範囲は文献によって異なることがある。

表1. マツモ属の分類の変遷[4] (黄色が Ceratophyllum submersum)
Wilmot-Dear (1985) Les (1989) Szalontai et al. (2018) 分布
Ceratophyllum demersum Ceratophyllum demersum Ceratophyllum demersum 世界中
Ceratophyllum platyacanthum ヨーロッパ東アジア
Ceratophyllum submersum Ceratophyllum echinatum Ceratophyllum echinatum 北アメリカ東部、西部
Ceratophyllum submersum Ceratophyllum submersum ヨーロッパ中央アジアアフリカ北部から中部
Ceratophyllum muricatum Ceratophyllum muricatum 中央アジアから東アジア東南アジア南アジアアフリカ
Ceratophyllum australe 北アメリカ南東部、中央アメリカ南アメリカ
Ceratophyllum tanaiticum Ceratophyllum tanaiticum 北東ヨーロッパ

脚注

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出典

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n Ceratophyllum submersum”. Plants of the World Online. Kew Botanical Garden. 2021年7月21日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k GBIF Secretariat (2021年). “Ceratophyllum submersum”. GBIF Backbone Taxonomy. 2021年7月22日閲覧。
  3. ^ a b c d 吉野敏 (2005). 世界の水草728種図鑑. エムピージェー. p. 138–139. ISBN 978-4895125345 
  4. ^ a b c d e f g h i j k l Szalontai, B., Stranczinger, S., Mesterhazy, A., Scribailo, R. W., Les, D. H., Efremov, A. N., ... & Csiky, J. (2018). “Molecular phylogenetic analysis of Ceratophyllum L. taxa: a new perspective”. Botanical Journal of the Linnean Society 188 (2): 161-172. doi:10.1093/botlinnean/boy057. 
  5. ^ Judd, W.S., Campbell, C.S., Kellogg, E.A., Stevens, P.F. & Donoghue, M.J. (2015). “Ceratophyllales”. Plant Systematics: A Phylogenetic Approach. Academic Press. pp. 262–263. ISBN 978-1605353890 

外部リンク

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