スイス国鉄RABe512形電車
スイス国鉄RABe512形電車 "IR-Dosto" | |
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RABe512形(2024年撮影) | |
基本情報 | |
運用者 | スイス連邦鉄道 |
製造所 | シュタッドラー・レール |
製造年 | 2021年 - 2026年(予定) |
製造数 | 360両(6両編成60本)(予定) |
運用開始 | 2023年 |
主要諸元 | |
編成 | 6両編成 |
軸配置 | Bo'Bo' + 2'2' + 2'2' + 2'2' + 2'2' + Bo'Bo' |
軌間 | 1,435 mm |
電気方式 |
交流15,000 V / 16.7 Hz (架空電車線方式) |
最高運転速度 | 160 km/h |
車両定員 |
着席466人(1等94人、2等372人) 折り畳み座席15人分 立席838人 |
編成長 | 151,800 mm |
全幅 | 2,800 mm |
全高 | 4,595 mm |
床面高さ |
495 mm(乗降扉付近) 443 mm(1階部分) 2,527 mm(2階部分) |
固定軸距 |
2,700 mm(動力台車) 2,500 mm(付随台車) |
主電動機 | 水冷式誘導電動機 |
編成出力 | 6,000 kW(最大) |
定格出力 | 4,000 kW |
制御方式 | VVVFインバータ制御(IGBT素子) |
備考 | 主要数値は[1][2][3][4]を参照。 |
スイス国鉄RABe512形電車(スイスこくてつRABe512がたでんしゃ)は、スイスの国有鉄道であるスイス連邦鉄道(スイス国鉄)が所有する鉄道車両。同国の鉄道車両メーカーであるシュタッドラー・レールが展開する2階建て車両ブランド「KISS」の1車種で、スイス国鉄からは「IR-DOSTO」という愛称が付けられている[1][2][3][4]。
概要
[編集]2021年4月、スイス国鉄は地域間列車「インターレギオ(InterRegio、IR)」の増発や旧型車両の置き換え、それに伴うバリアフリーの促進を図るため、シュタッドラー・レールとの間に2階建て電車を60編成発注した。これを受け、シュタッドラー・レールが製造するのがRABe512形である[1][2][5]。
全長151,880 mmの6両編成で、パンタグラフを搭載した2両の電動制御車と4両の付随車による編成を組む。台車は誘導電動機を備えた動力台車、付随台車共に空気ばねを用いた台車を採用し、乗り心地の快適さが図られている。また、車両の構造についてはヨーロッパの鉄道の標準規格「TSI」に適合している他、列車総合システム「ETCS」に適合している、シュタッドラー・レールが開発した「Guardia」システム(レベル3)も搭載している[1][2][6]。
車内レイアウトは長距離の利用を前提にしており、車椅子が設置可能なエリア、自転車やウィンタースポーツ用具、ベビーカーなどが設置可能なフリースペース、大型荷物置き場などが設けられている。環境に配慮したバイオリアクタータイプのトイレは編成内に5箇所存在し、うち1箇所は1階部分に設置されたバリアフリー対応トイレとなっている。それ以外にも、車椅子での乗降が容易な広幅の乗降扉や利用しやすい構造の折り畳み座席、手すりなど、各部にバリアフリーを意識した設計が取り入れられている[注釈 1]。座席は1等座席、2等座席が設けられており、1等座席は1 + 2人掛け、2等座席は2 + 2人掛けのクロスシートを基本としている他、全ての座席には充電用のコンセントが設けられている[1][2][3][4]。
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車内(2階)
最初の編成(4編成)はチューリッヒ(チューリッヒ中央駅)とシャフハウゼンを結ぶ系統に投入され、2023年7月17日から営業運転を開始した。以降、41編成がチューリッヒを中心としたインターレギオの系統に導入され旧型電車を置き換える一方、19編成がチューリッヒ地域や南部のフランス語圏にあたる地域の路線の輸送力増強に用いられる。全編成の導入が完了するのは2026年末を予定している[3][4]。
関連項目
[編集]- RABe511形 - スイス国鉄が運用している2階建て車両「KISS」。93編成がインターレギオやレギオエクスプレス(RegioExpress、RE)で用いられおり、RABe512形との連結運転も可能である[1][2]。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ バリアフリーに適した設計に際しては、障碍者団体との会議の中で出た提案や意見も基になっている。
出典
[編集]- ^ a b c d e f “IR-Dosto: Die neuen Fahrzeuge nehmen Form an und Fahrt auf.”. SBB CFF FFS (2021年10月13日). 2024年11月6日閲覧。
- ^ a b c d e f “ELECTRICAL DOUBLE DECKER MULTIPLE UNIT SBB IR-KISS”. Stadler Rail. 2024年11月6日閲覧。
- ^ a b c d “SBB's new IR-Dosto EMUs in service”. Railvolution (2023年7月28日). 2024年11月6日閲覧。
- ^ a b c d “SBB presents its newest Kiss train”. RailwayPro (2023年7月10日). 2024年11月6日閲覧。
- ^ “SBB Orders More KISS EMUs”. Railvolution (2021年4月21日). 2024年11月6日閲覧。
- ^ 小栁誠史 (2018). “海外高速鉄道における運転保安技術”. 技術の泉 (JR西日本) 39: 7-8 2024年11月6日閲覧。.