サンタロール
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α-サンタロール α-Santalol | |
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5-(2,3-Dimethyltricyclol[2.2.1.02,6]hept-3-yl)-2-methylpent-2-en-1-ol | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 115-71-9 |
EC番号 | 204-102-8 |
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特性 | |
化学式 | C15H24O |
モル質量 | 220.35 g mol−1 |
外観 | 液体 |
匂い | ビャクダンの香り |
密度 | 0.9770 g/cm3 |
沸点 |
166 °C, 439 K, 331 °F |
水への溶解度 | 実質的に不溶 |
エタノールへの溶解度 | 可溶 |
ジエチルエーテルへの溶解度 | 可溶 |
比旋光度 [α]D | +10.3° |
屈折率 (nD) | 1.5017 |
関連する物質 | |
関連するテルペン | β-サンタロール |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
β-サンタロール β-Santalol | |
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(2Z)-2-Methyl-5-[2-methyl-3-methylene-bicyclo[2.2.1]hept-2-yl]pent-2-en-1-ol | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 77-42-9 |
EC番号 | 201-027-2 |
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特性 | |
化学式 | C15H24O |
モル質量 | 220.34 g/mol |
外観 | 液体 |
匂い | ビャクダンの香り |
密度 | 0.9717 g/cm3 |
沸点 |
177 °C, 450 K, 351 °F |
水への溶解度 | 実質的に不溶 |
エタノールへの溶解度 | 可溶 |
ジエチルエーテルへの溶解度 | 可溶 |
比旋光度 [α]D | −87.1° |
屈折率 (nD) | 1.5100 |
関連する物質 | |
関連するテルペン | α-サンタロール |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
サンタロール(英: santalol)は、化学式C15H24Oで表されるセスキテルペンアルコールの一種。三環式化合物のα体と二環式のβ体の異性体があり、どちらもビャクダンの精油に含まれる主要な香り成分である[1]が、稀少であり合成も困難であるため、産業的には代替の合成香料が使われる[2]。α-サンタロールはシクロプロパン環を持ち、1900年代にMichael 'Buffy' Perrettにより発見された。
合成法
[編集]サンタロールの全合成法について、これまで数多くの研究が行われてきた。α-サンタロールは、イライアス・コーリーによりトリシクロエカサンタラールを出発点としベタイン、パラオキシドホスホニウムイリドを経る方法、住友化学により樟脳を出発点とする方法が研究された。β-サンタロールはエピサンタレンやメチルブテノールから合成する方法が研究されたが、α体β体とも工業的に生産されるには至っていない[3]。
資源としてのビャクダンの保護のため、紅色細菌の一種ロドバクター・スフェロイデスを使った発酵による合成が研究され、BASFは2020年7月に"Isiobionic Santalol"として発売を開始した[4]。原料としてコーンスターチ由来の糖を発酵させているという。
脚注
[編集]- ^ 『匂いと香りの科学』澁谷達明・市川眞澄編著 2007年 朝倉書店 ISBN 9784254102079
- ^ トランス-3-イソカンフィルシクロヘキサノールの製造方法 Patent-jp,住友化学工業
- ^ (合成香料編集委員会 2016, pp. 111–113)
- ^ Bettenhausen, Craig (21 Nov 2020). “Making sandalwood oil without sandalwood trees”. Chemical & Engineering News 2024年12月17日閲覧。
参考文献
[編集]- 合成香料編集委員会『合成香料 化学と商品知識(増補新版)』化学工業日報社、2016年。ISBN 978-4-87326-677-0。