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サクラアンプルール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
サクラアンプルール
第158回天皇賞(秋)出走時(2018年10月28日)
欧字表記 Sakura Empereur[1]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 栗毛[1]
生誕 2011年3月4日(13歳)[1]
登録日 2014年12月11日(JRA復帰)[2]
抹消日 2019年9月11日[3]
キングカメハメハ[1]
サクラメガ[1]
母の父 サンデーサイレンス[1]
生国 日本の旗 日本北海道新ひだか町[1]
生産者 谷岡スタット[1]
馬主 (株)さくらコマース
→田村誠
→(株)さくらコマース
[1]
調教師 尾関知人美浦
桑原義光北海道
金成貴史美浦
[1]
競走成績
生涯成績 30戦4勝(JRA)
2戦2勝(NAR)
[1]
獲得賞金 2億2432万1000円(JRA)
40万円(NAR)
[1]
勝ち鞍
GII 札幌記念 2017年
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サクラアンプルール(欧字名:Sakura Empereur2011年3月4日 - )は、日本競走馬種牡馬[1]。主な勝ち鞍に2017年札幌記念

馬名の由来は、冠名+「皇帝)」。

半兄に重賞4勝のサクラメガワンダー(父グラスワンダー)がいる。

経歴

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デビュー前

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2011年3月4日、北海道新ひだか町谷岡スタットで誕生。同スタッドの谷岡毅代表は「幼少期から元気な馬であり、馬体の良さも目立っていました」「牧場で管理していた頃から気性が強すぎて、走ることに集中できないような一面もありました」と当時の様子を振り返る[4]

3歳時(2014年)

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美浦尾関知人厩舎から2014年1月にデビュー。しかし、気性の難しさが災いし、デビューからの2戦は8着、14着と連続して大敗を喫した。その後、ホッカイドウ競馬に移籍し、2連勝を飾った[4]

4歳時(2015年)

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中央に復帰し、金成貴史厩舎に所属した。この頃もまだ気性面での難しさは残っており、しばらくは500万条件戦で結果を残すことができなかった。しかし、谷岡スタットの谷岡毅代表いわく「調教助手や厩務員の方などが馬に愛着を持って接してくれた」ことで徐々に成績は安定していく[4]

5歳時(2016年)

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1月16日の500万条件戦で待望の中央初勝利を挙げると、1000万条件の鹿野山特別も1着となり、2連勝で準オープンまで昇格する。準オープン3戦目となった12月の美浦ステークスで1着となり、オープン入りを果たした[5]

6歳時(2017年)

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オープン昇格後初戦の白富士ステークスで勝ち馬スズカデヴィアスとタイム差なしの2着に入ると、初の重賞出走となる中山記念でも内を突いてネオリアリズムの2着に入り、頭角を現した。しかし、大阪杯では13着、函館記念では9着に終わった。

6番人気で迎えた札幌記念では直線で一気に突き抜けてると、外から追い込んできたナリタハリケーンをクビ差振り切って優勝。レース後の口取りにはホッカイドウ競馬時代の2戦でコンビを組んだ五十嵐冬樹も参加した[4]

叔父のサクラチトセオーに続く勝利を狙った天皇賞(秋)では通常有利とされる最内枠を引き当てたが、当日は大雨による極度の不良馬場となり、コーナーで外々を回す形となって8着に終わった。次戦の有馬記念では直線で外から内に切れ込んできたスワーヴリチャードと内のシュヴァルグランの間に挟まれ、鞍上の蛯名正義が大きく体勢を崩す不利を受け、最下位に沈んだ。蛯名は「完璧に進めたが、(直線の不利で)競馬にならなかった」とコメントした[6]

7歳時(2018年)

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中山記念4着、日経賞3着、函館記念2着と善戦するも勝ち切れない競馬が続いた。連覇を狙った札幌記念は6着に終わった。

天皇賞(秋)では大外枠から出遅れながらも6着と健闘。前年のリベンジを期した有馬記念は不利な16番枠に入り、後方からしぶとく伸びるが7着に終わった。騎乗した田辺裕信は「枠だけが悔やまれる」とコメントした[7]

8歳時(2019年)

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2019年安田記念パドック

アメリカジョッキークラブカップから始動し、5着となる。次戦の日経賞では2年連続の3着に入った。その後は金成師が「以前から使ってみたかった」というマイル戦の安田記念に出走し[8]、10着だった。3年連続出走の札幌記念では14頭立ての13着に敗れた。9月6日、右第3中手骨遠位剥離骨折のため3ヶ月以上の休養を要する見込みであることが判明[9]。その2日後の9月8日に現役引退が発表された(競走馬登録抹消は9月11日付)[10]

引退後

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引退後は北海道新ひだか町レックススタッド種牡馬となった[10]2020年度に2頭の牝馬に種付けを行ったもののどちらも受胎せず、結果的にサクラアンプルールの産駒は一頭も誕生することの無いまま2022年6月30日付で用途変更[11]、種牡馬を引退した。その後、2023年より引退名馬繋養展示事業の助成対象馬となり[12]新和牧場で余生を送っている[13]

競走成績

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以下の内容はnetkeiba.comの情報[5]に基づく。

競走日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順 タイム
(上がり3F)
着差 騎手 斤量
[kg]
1着馬(2着馬) 馬体重
[kg]
2014.02.01 東京 3歳新馬 芝1800m(良) 16 8 15 023.10(7人) 08着 R1:51.4(34.2) -0.9 0宮崎北斗 56 カレンリスベット 468
0000.03.16 中山 3歳未勝利 ダ1800m(稍) 16 4 7 019.90(9人) 14着 R1:59.1(41.1) -2.5 0宮崎北斗 56 タマモマズルカ 468
0000.05.28 門別 日高山脈ペデガリ岳賞 ダ1700m(良) 12 8 12 002.00(1人) 01着 R1:53.7(40.0) -0.3 0五十嵐冬樹 56 (ミヤジレイナ) 470
0000.06.18 門別 サラブレッドロード新冠賞 ダ1700m(稍) 8 2 2 001.20(1人) 01着 R1:52.4(39.6) -0.0 0五十嵐冬樹 56 (スクートオフ) 470
2015.01.04 中山 4歳上500万下 ダ1800m(良) 15 8 14 036.4(12人) 11着 R1:57.3(40.5) -2.4 0田辺裕信 56 マドリードカフェ 462
0000.06.28 函館 3歳上500万下 ダ1700m(不) 13 4 5 121.1(13人) 04着 R1:44.4(36.4) -0.2 0勝浦正樹 57 トーセンアーネスト 480
0000.08.08 札幌 3歳上500万下 ダ1700m(良) 13 5 6 010.60(5人) 05着 R1:45.2(36.9) -0.6 0勝浦正樹 57 メイショウナゴミ 472
0000.09.05 札幌 3歳上500万下 芝2000m(稍) 16 8 16 028.00(8人) 04着 R2:03.7(36.4) -0.2 0勝浦正樹 57 ペンタトニック 466
0000.10.25 新潟 浦佐特別 5下 芝1800m(良) 10 2 2 012.90(4人) 02着 R1:47.0(34.9) -0.2 0勝浦正樹 57 リーサルウェポン 462
0000.12.26 中山 3歳上500万下 芝2000m(良) 18 1 2 003.30(1人) 03着 R2:00.3(35.0) -0.3 0戸崎圭太 57 ツクバアズマオー 462
2016.01.16 中山 4歳上500万下 芝2000m(良) 16 8 15 001.90(1人) 01着 R2:01.7(34.6) -0.2 0戸崎圭太 57 (シングンジョーカー) 466
0000.04.17 中山 鹿野山特別 10下 芝2000m(良) 13 7 10 004.40(2人) 01着 R2:00.1(34.9) -0.1 0戸崎圭太 57 (トミケンスラーヴァ) 462
0000.07.09 福島 阿武隈S 16下 芝1800m(稍) 12 7 9 003.70(2人) 09着 R1:49.0(36.5) -0.9 0戸崎圭太 55 ウインインスパイア 464
0000.11.05 東京 ノベンバーS 16下 芝2000m(良) 14 1 1 027.80(6人) 04着 R2:00.0(33.9) -0.1 0横山典弘 55 トルークマクト 462
0000.12.11 中山 美浦S 16下 芝1800m(良) 16 4 8 005.20(2人) 01着 R1:47.4(35.7) -0.0 0横山典弘 55 (カレンリスベット) 470
2017.01.28 東京 白富士S OP 芝2000m(良) 14 8 14 008.70(5人) 02着 R2:00.6(33.2) -0.0 0横山典弘 56 スズカデヴィアス 480
0000.02.26 中山 中山記念 GII 芝1800m(良) 11 5 5 045.30(8人) 02着 R1:47.7(33.8) -0.1 0横山典弘 56 ネオリアリズム 484
0000.04.02 阪神 大阪杯 GI 芝2000m(良) 14 4 6 069.60(9人) 13着 R2:00.9(35.9) -2.0 0横山典弘 57 キタサンブラック 478
0000.07.16 函館 函館記念 GIII 芝2000m(重) 16 8 16 021.30(8人) 09着 R2:02.0(35.9) -0.8 0蛯名正義 56 ルミナスウォリアー 474
0000.08.20 札幌 札幌記念 GII 芝2000m(良) 13 1 1 019.90(6人) 01着 R2:00.4(35.0) -0.0 0蛯名正義 57 (ナリタハリケーン) 476
0000.10.29 東京 天皇賞(秋) GI 芝2000m(不) 18 1 1 052.5(12人) 08着 R2:10.2(40.4) -1.9 0蛯名正義 58 キタサンブラック 482
0000.12.24 中山 有馬記念 GI 芝2500m(良) 16 5 9 072.9(13人) 16着 R2:35.5(36.6) -1.9 0蛯名正義 57 キタサンブラック 494
2018.02.25 中山 中山記念 GII 芝1800m(良) 10 2 2 007.10(4人) 04着 R1:47.8(34.9) -0.2 0蛯名正義 57 ウインブライト 490
0000.03.24 中山 日経賞 GII 芝2500m(良) 15 6 11 012.30(6人) 03着 R2:34.1(34.6) -0.2 0田辺裕信 57 ガンコ 486
0000.07.15 函館 函館記念 GIII 芝2000m(良) 15 2 3 011.50(7人) 02着 R1:59.9(34.6) -0.1 0田辺裕信 57.5 エアアンセム 478
0000.08.19 札幌 札幌記念 GII 芝2000m(稍) 16 5 9 013.10(7人) 06着 R2:01.5(37.1) -0.4 0吉田隼人 57 サングレーザー 480
0000.10.28 東京 天皇賞(秋) GI 芝2000m(良) 12 8 12 135.2(10人) 06着 R1:57.6(33.8) -0.8 0田辺裕信 58 レイデオロ 468
0000.12.23 中山 有馬記念 GI 芝2500m(稍) 16 8 16 147.0(15人) 07着 R2:32.9(35.6) -0.7 0田辺裕信 57 ブラストワンピース 486
2019.01.20 中山 AJCC GII 芝2200m(良) 11 8 11 013.60(4人) 05着 R2:14.3(34.4) -0.6 0蛯名正義 56 シャケトラ 488
0000.03.23 中山 日経賞 GII 芝2500m(稍) 12 4 4 008.20(4人) 03着 R2:34.6(35.2) -0.4 0横山典弘 56 メイショウテッコン 484
0000.06.02 東京 安田記念 GI 芝1600m(良) 16 2 3 203.5(15人) 11着 R1:31.9(33.3) -1.0 0横山典弘 58 インディチャンプ 486
0000.08.18 札幌 札幌記念 GII 芝2000m(良) 14 8 13 172.2(12人) 13着 R2:02.7(37.5) -2.6 0横山典弘 57 ブラストワンピース 480

血統表

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サクラアンプルール血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 キングマンボ系
[§ 2]

キングカメハメハ
2001 鹿毛
父の父
Kingmambo
1990 鹿毛
Mr. Prospector Raise a Native
Gold Digger
Miesque Nureyev
Pasadoble
父の母
*マンファス
Manfath
1991 黒鹿毛
*ラストタイクーン *トライマイベスト
Mill Princess
Pilot Bird Blakeney
The Dancer

サクラメガ
1998 栗毛
*サンデーサイレンス
Sunday Silence
1986 青鹿毛
Halo Hail to Reason
Cosmah
Wishing Well Understanding
Mountain Flower
母の母
サクラクレアー
1982 鹿毛
*ノーザンテースト
Northern Taste
Northern Dancer
Lady Victoria
*クレアーブリッジ
Clare Bridge
Quadrangle
Abeyance Lass
母系(F-No.) クレアーブリッジ系(FN:13-c) [§ 3]
5代内の近親交配 Northern Dancer 5・5×4=12.5% [§ 4]
出典
  1. ^ [14]
  2. ^ [14]
  3. ^ [14]
  4. ^ [14]


脚注

[編集]

注釈

[編集]

出典

[編集]
  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o サクラアンプルール”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2023年1月24日閲覧。
  2. ^ 競走馬情報:サクラアンプルール - @Keiba”. @Keiba - 競馬サービスプロバイダ. 2022年3月11日閲覧。
  3. ^ サクラアンプルール号が競走馬登録抹消”. JRA (2019年9月8日). 2019年12月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年9月8日閲覧。
  4. ^ a b c d 2017年08月20日 札幌記念 G2”. 競走馬のふるさと案内所. 2019年9月8日閲覧。
  5. ^ a b サクラアンプルール”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2019年9月10日閲覧。
  6. ^ 【有馬記念】レースを終えて…関係者談話”. サンケイスポーツ (2017年12月25日). 2019年9月8日閲覧。
  7. ^ 【有馬記念】7着サクラアンプルールは16番枠に泣く 田辺「枠だけが悔やまれる」”. スポーツ報知 (2018年12月23日). 2019年9月8日閲覧。
  8. ^ 【安田記念】サクラアンプルール「雨で少し時計がかかるような馬場になれば」”. 東京スポーツ (2019年5月27日). 2019年9月8日閲覧。
  9. ^ サクラアンプルール骨折 全治3カ月以上”. スポーツニッポン (2019年9月6日). 2019年9月8日閲覧。
  10. ^ a b サクラアンプルールが種牡馬入り 17年札幌記念覇者”. スポーツ報知 (2019年9月8日). 2019年9月8日閲覧。
  11. ^ サクラアンプルール(JPN) - 血統書サービス、2023年1月24日閲覧。
  12. ^ 2023年度の引退名馬繋養展示事業の新規助成対象馬の決定について - 引退名馬、2023年1月24日閲覧。
  13. ^ サクラアンプルール | 馬・牧場・施設検索 - 競走馬のふるさと案内所、2023年1月24日閲覧。
  14. ^ a b c d サクラアンプルール 5代血統表 2019年9月8日閲覧。
  15. ^ サクラアンプルール”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2019年9月8日閲覧。

外部リンク

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