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グルコノラクトン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
D-グルコン酸 δ-ラクトン[1][2]
識別情報
CAS登録番号 90-80-2 チェック
PubChem 736
ChemSpider 6760 チェック
UNII WQ29KQ9POT チェック
日化辞番号 J1.174F
EC番号 202-016-5
E番号 E575 (pH調整剤、固化防止剤)
KEGG D04332 ×
特性
化学式 C6H10O6
モル質量 178.14 g mol−1
融点

151 - 155 °C

特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

グルコノラクトン (gluconolactone) は、グルコースの1位のヒドロキシ基ケトンに置き換わった、代表的なラクトンの一種である。別名をグルコノ-δ-ラクトンといい、GDL と略される。

生体内ではグルコース-1-デヒドロゲナーゼの作用によりグルコースから変換される。たとえば、ミツバチは体内でグルコースからグルコノラクトンを作り、蜂蜜に多く含まれる。そのため別名ハチミツ酸とも言われる。

用途

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グルコノラクトンは、天然の食品添加物として使用される。水溶液中では加水分解によりグルコン酸平衡状態にあり、豆腐チーズの凝固剤として使用される。また、低温で反応せず均一に発泡するため、ビスケットパンドーナツなどの膨張剤として使用される。甘味とともに酸味があり、酸味料、pH調整剤としてハムソーセージジュースに利用される。天然キレート剤として、化粧品やパック素材として利用されている。

グルコン酸への加水分解率は熱と高pHによって上昇する[3]

ミョウバン(アルミニウム)の代替

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旧来、ミョウバン(アルミニウムの化合物)は重曹(炭酸水素ナトリウム)を中和、炭酸ガスを発生させるための膨張剤として、ベーキングパウダーに利用されてきた。

しかしながら、アルミニウムの毒性、とりわけアルツハイマーの発症リスクが指摘されている。

これを代替する中和剤としてグルコノラクトンは有用である[4]

脚注

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  1. ^ Budavari, Susan, ed. (2001), The Merck Index: An Encyclopedia of Chemicals, Drugs, and Biologicals (13th ed.), Merck, ISBN 0911910131 , 4469.
  2. ^ Beil. 18, V, 5, 11
  3. ^ Pocker, Y; Green, Edmond (1973). “Hydrolysis of D-glucono-.delta.-lactone. I. General acid-base catalysis, solvent deuterium isotope effects, and transition state characterization”. Journal of the American Chemical Society 95 (1): 113-119. doi:10.1021/ja00782a019. PMID 4682891. https://doi.org/10.1021/ja00782a019. 
  4. ^ 齊藤紅, 簑島良一, 椎葉究「ミョウバンとその代替化合物の添加がパンケーキの膨張と構成タンパク質に与える影響」『日本食品科学工学会誌』第63巻第4号、日本食品科学工学会、2016年、170-175頁、doi:10.3136/nskkk.63.170ISSN 1341-027XNAID 130005154272