コンテンツにスキップ

クリフォードの定理

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
共通の点Mを持つ4円(緑)と、M以外の交点からなる円(茶)。4つの茶色の円は一点で交わる
5円に対するクリフォードの定理

幾何学において、クリフォードの定理(クリフォードのていり、英語: Clifford's theorems,Clifford's circle theorems)はイギリス幾何学者ウィリアム・キングドン・クリフォードに因み、名づけられたの交点に関する定理である[1][2]

主張

[編集]

ある点を通り一般の位置英語版にある4つの円を描く。つまり、4円が通る点以外に2つの円の交点が延べ6点あり、かつどの3点も共線でないとする。4円から3円選ぶ全ての選び方に対して、3円の、すべてが通る点でない方の交点3つを通る円を新たに作る。このときできた4つの円はある共通点を持つ。この点をP4とする。

ある点を通り一般の位置にある5つの円を描く。5つの円から4つを選び、その選び方すべてに対して、4円のP4を定義する。このときできた5つのP4共円である。この円をC5とする。

ある点を通り一般の位置にある6つの円を描く。6つの円から5つを選び、その選び方すべてに対して、5円のC5を定義する。6つのC5は共通する点P6を持つ。

このように、ある一点で交わるn個の円について、nが偶数ならばn個の円Cn-1が、一点で交わり、nが奇数ならばn個の点Pn-1共円である。これをクリフォードの定理という。

全ての円が通る点で円を反転させて、n本の直線と、それらを辺とする三角形外接円について共円、共点を示すことによって示すことができる[3][4]岡潔の春宵十話では、この形で「クリフォードの定理」として紹介されている[5][6]

5円に対するクリフォードの定理の図の反転した形

関連

[編集]

出典

[編集]
  1. ^ 蛭子井, 博孝 (2000). “無限連鎖定理に関する考察”. 図学研究 34 (1): 29–36. doi:10.5989/jsgs.34.29. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsgs1967/34/1/34_1_29/_article/-char/ja/. 
  2. ^ Konopelchenko, B. G.; Schief, W. K. (2002-07-26). “Menelaus' theorem, Clifford configurations and inversive geometry of the Schwarzian KP hierarchy”. Journal of Physics A: Mathematical and General 35 (29): 6125–6144. doi:10.1088/0305-4470/35/29/313. https://arxiv.org/abs/nlin/0105023. 
  3. ^ Cabri研究会、生越茂樹 (2019年). “クリフォードの定理とその発展-Geo(metry)+(Al)gebraな証明の試みー”. 2024年6月26日閲覧。
  4. ^ 捷宏, 横田「反転法によるクリフォードの定理の証明」『初等数学』第72号、2013年9月、81–86頁。 
  5. ^ 『春宵十話』光文社、1963年2月、23頁。ISBN 978-4-334-74146-4 
  6. ^ 『数学する人生』新潮文庫、2019年4月1日、63-66頁。ISBN 978-4-10-101251-3 

参考文献

[編集]

外部リンク

[編集]