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エゾボラ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
エゾボラ
生息年代: 鮮新世現世
エゾボラ(真つぶ)殻長14cm
分類
: 動物界 Animalia
: 軟体動物門 Mollusca
: 腹足綱 Gastropoda
亜綱 : 新生腹足類 Caenogastropoda
: 新腹足類 Neogastropoda
: エゾバイ科 Buccinidae
: エゾボラ属 Neptunea
: エゾボラ
N. polycostata
学名
Neptunea polycostata
Scarlato, 1955[1]
和名
エゾボラ(蝦夷法螺)
英名
a kind of the true whelks

エゾボラ(蝦夷法螺、 Neptunea polycostata)は、北海道付近の水深約50-200mに生息する殻長約15cm(メス16cm, オス13cm)以下の巻貝である[2]

形態

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貝殻は縦肋や螺肋の肩部が張り出し、殻口内部は橙色。足(吸盤)は黄色みを帯び黒い斑点がある。本属のオスのペニスは大きい[3][4]。本属の貝はときおり左巻きのものが見つかる[5]

生態

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肉食性。水深50-200mの深い海の底で、細い管状の口吻をつかって多毛類ホヤなどを食べて生きる。

利用

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ツブ貝の一種として「ツブかご」で漁獲され[6]、市場では「真つぶ」と呼ばれる。身が大きくコリコリしてとても美味い[7][8]。ただし唾液腺に有毒なテトラミンを含むため、取り除いてから食用とする[9]

種として

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エゾバイ科は寒冷な漸新世に発生し、日本がユーラシア大陸から分離した中新世Mioceneにエゾボラ属Neptuneaの3つの亜属が分岐したと考えられ、本種はチヂミエゾボラNeptunea constrictaと近縁である[10]。北東大西洋にはムカシエゾボラNeptunea antiquaが生息するが、食用とはされない[11]更新世Pleistoceneの化石が千葉県上総層群長浜層から見つかっている[12]

関連項目

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出典

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  1. ^ Neputunea polycostata”. WoRMS. 2021年7月17日閲覧。
  2. ^ 藤永克昭, 尾山康隆「エゾボラ Neptunea polycostataの繁殖生態,特に成熟サイズ,生殖周期と性比について」『日本水産学会誌』第73巻第2号、日本水産學會、2007年3月、256-262頁、doi:10.2331/suisan.73.256ISSN 00215392NAID 110006271467 
  3. ^ 奥谷喬司『世界文化生物大図鑑『貝類』』世界文化社、2004年。ISBN 4-418-04904-5 
  4. ^ 山上竜生・和田哲 (2022). “北太平洋西部の北海道恵山岬沖から採取された深海性エゾバイ類(カシマナダバイ・エゾボラ属の1種)の胃内容物”. Venus No.80: 40-46. https://doi.org/10.18941/venus.80.1-2_40. 
  5. ^ 山崎友資ら (2006). “エゾボラモドキの左旋個体とその歯舌形態”. ちりぼたん No.37: 147. 
  6. ^ ツブかご漁”. マリンネット北海道. 2021年7月17日閲覧。
  7. ^ エゾボラ”. ぼうずコンニャク. 2021年7月17日閲覧。
  8. ^ 日高の真ツブ”. 日高振興局. 2021年7月17日閲覧。
  9. ^ 唾液腺毒(テトラミン)”. 厚労省. 2021年7月17日閲覧。
  10. ^ Tomoyuki Nakano et al. (2010). “Molecular Phylogeny of Neptunea (Gastropoda: Buccinidae) Inferred from Mitochondrial DNA Sequences, with Description of a New Species”. Venus No.68: 121. 
  11. ^ Red whelk”. The Marine Biological Association of the UK. 2021年10月16日閲覧。
  12. ^ Neptunea polycosta SCARLATO”. 千葉県立博物館. 2021年10月16日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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