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エソメプラゾール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
エソメプラゾール
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
販売名 Nexium
Drugs.com monograph
MedlinePlus a699054
胎児危険度分類
法的規制
薬物動態データ
生物学的利用能50 - 90%
代謝肝臓 (CYP2C19, CYP3A4)
半減期1–1.5 時間
排泄80% 腎臓
20% 糞便
識別
CAS番号
119141-88-7
ATCコード A02BC05 (WHO)
PubChem CID: 9579578
DrugBank APRD00363 チェック
ChemSpider 7853936 チェック
UNII N3PA6559FT ×
KEGG D07917  チェック
ChEBI CHEBI:50275 ×
ChEMBL CHEMBL1201320 ×
化学的データ
化学式C17H19N3O3S
分子量345.417 g/mol
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エソメプラゾール(Esomeprazole)は、プロトンポンプ阻害剤のひとつであり胃酸抑制薬である[1]胃食道逆流症消化性潰瘍疾患、ゾリンジャー・エリソン症候群の治療に使用される[2]

アストラゼネカにより1993年に開発・特許取得され、2000年に医療承認を受けた[3]ジェネリック医薬品が入手可能であり、多くの国で市販されている[4][2]。2019年には、米国で127番目に一般的に処方された薬となり、500万を超える処方があった[5][6]。米国および英国ではOTC薬として入手可能[7][8][9]

日本では4番目に開発・上市されたプロトンポンプ阻害剤である[10]。日本国外では Zoleri、Nexium、Lucen、Esopral などの商品名でアストラゼネカから製造販売されている。日本では2011年よりネキシウムの商品名で製造・開発がアストラゼネカ、流通・販売が第一三共で発売された。

薬理

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エソメプラゾールは、オメプラゾール光学分割したS-エナンチオマーである。S 体はR 体に比べ、肝臓での初回通過効果を受けにくく、未変化体のAUCはオメプラゾールに比べおよそ1.7倍で推移するため、より強い酸分泌抑制効果を示す。S 体とR 体の酸分泌抑制作用には差はない。

アストラゼネカは、単一のエナンチオマーであるエソメプラゾールはラセミ混合物であるオメプラゾールよりも薬効が改善していると主張している[11]。しかしながら、活性が向上しているかについては議論があり、一部ではオメプラゾールからエソメプラゾールに切り替える利点はないと主張されている[12]

プロトンポンプ阻害剤であるエソメプラゾールは、胃壁細胞のATPアーゼを阻害することによって胃酸分泌を抑制する。

適応症

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禁忌

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アタザナビルまたは リルピビリン英語版を服用中の患者はそれらの薬剤の吸収が低くなり、血中濃度が下がるので禁忌である[13]

副作用

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重大な副作用とされているものは、

である。(発現率未記載の副作用は頻度不明) オメプラゾールに記載されている溶血性貧血、急性腎不全、視力障害が削除されている。

その他1%以上に、発疹、下痢・軟便(19.9%)、味覚異常(7.8%)、口内炎、腹痛、食道炎、腹部膨満感、肝酵素上昇 が生じる。

出典

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  1. ^ Esomeprazole Magnesium Monograph for Professionals”. Drugs.com. American Society of Health-System Pharmacists. 3 March 2019閲覧。
  2. ^ a b British national formulary : BNF 76 (76 ed.). Pharmaceutical Press. (2018). pp. 78. ISBN 9780857113382 
  3. ^ Fischer, Jnos; Ganellin, C. Robin (2006). Analogue-based Drug Discovery. John Wiley & Sons. p. 445. ISBN 9783527607495. https://books.google.com/books?id=FjKfqkaKkAAC&pg=PA445 
  4. ^ Learning, Jones & Bartlett (2017). 2018 Nurse's Drug Handbook. Jones & Bartlett Learning. p. 394. ISBN 9781284121346. https://books.google.com/books?id=rD1DDwAAQBAJ&pg=PA394 
  5. ^ The Top 300 of 2019”. ClinCalc. 16 October 2021閲覧。
  6. ^ Esomeprazole - Drug Usage Statistics”. ClinCalc. 16 October 2021閲覧。
  7. ^ Esomeprazole”. MedlinePlus. United States National Library of Medicine. 2 March 2020閲覧。
  8. ^ “Nonprescription Nexium Heartburn Medicine Launches”. ABC News. (27 May 2014). https://abcnews.go.com/Health/wireStory/nonprescription-nexium-heartburn-medicine-launches-23883946 
  9. ^ Esomeprazole: medicine to lower stomach acid”. nhs.uk (29 August 2018). 9 December 2019閲覧。
  10. ^ 北村 正樹 (2011年8月25日). “【新薬】エソメプラゾールマグネシウム水和物:ネキシウム:4成分目のプロトンポンプ阻害薬”. 日経メディカルオンライン. 2011年10月21日閲覧。
  11. ^ Gladwell, Malcolm (2004-10-25). “High Prices: How to think about prescription drugs”. The New Yorker. http://www.newyorker.com/archive/2004/10/25/041025crat_atlarge 2006年6月23日閲覧。. 
  12. ^ von Markus, Grill (2007年8月14日). “Vorsicht, Pharma - Wie die Industrie Ärzte manipuliert und Patienten täuscht” (ドイツ語). Der Stern. http://www.stern.de/wirtschaft/news/unternehmen/pharmaindustrie-vorsicht-pharma-wie-die-industrie-aerzte-manipuliert-und-patienten-taeuscht-595277.html 2009年6月23日閲覧。 
  13. ^ ネキシウムカプセル10mg/ネキシウムカプセル20mg 添付文書” (2016年2月). 2016年6月28日閲覧。

関連項目

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