アトミック・ブロンド
アトミック・ブロンド | |
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Atomic Blonde | |
監督 | デヴィッド・リーチ |
脚本 | カート・ジョンスタッド |
原作 |
アンソニー・ジョンストン&サム・ハート 『The Coldest City』 |
製作 |
シャーリーズ・セロン ベス・コノ A・J・ディックス ケリー・マコーミック エリック・ギター ピーター・シュウェリン |
製作総指揮 |
ニック・マイヤー マーク・シャバーグ ジョー・ノーゼマック スティーヴン・V・スカヴェリ イーサン・スミス デヴィッド・ギロッド カート・ジョンスタッド |
出演者 |
シャーリーズ・セロン ジェームズ・マカヴォイ ジョン・グッドマン ティル・シュヴァイガー エディ・マーサン ソフィア・ブテラ トビー・ジョーンズ |
音楽 | タイラー・ベイツ |
撮影 | ジョナサン・セラ |
編集 | エリザベット・ロナルズドッティル |
製作会社 |
フォーカス・フィーチャーズ デンヴァー・アンド・デリラ・プロダクションズ クローズド・オン・マンデイズ・エンターテインメント 87イレヴン |
配給 |
フォーカス・フィーチャーズ KADOKAWA |
公開 |
2017年7月28日 2017年10月20日 |
上映時間 | 115分[1] |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
製作費 | $30,000,000[2][3] |
興行収入 |
$95,673,925[3] $51,573,925[3] 2億7000万円[4] |
『アトミック・ブロンド』(原題:Atomic Blonde)は、2017年にアメリカ合衆国で公開されたアクション映画である。監督はデヴィッド・リーチ、主演はシャーリーズ・セロンが務めた。本作はアンソニー・ジョンストンとサム・ハートが2012年に発表したグラフィックノベル『The Coldest City』を原作としている。
概略
[編集]ベルリンの壁崩壊が迫った1989年秋。MI6は潜伏中のスパイを殺害した謎の組織を崩壊させるべく、ローレン・ブロートンをベルリンへ急行させた。組織の命令でデヴィッド・パーシヴァル(MI6ベルリン支部の責任者)とタッグを組むことになったブロートンは、彼と対立しながらも、驚くべきコンビネーションを発揮し始める。こうして、2人は東側陣営の脅威に立ち向かっていく。
キャスト
[編集]※括弧内は日本語吹替[5]
- ローレン・ブロートン - シャーリーズ・セロン(本田貴子)
- 腕利きのスパイ。
- デヴィッド・パーシヴァル - ジェームズ・マカヴォイ(内田夕夜)
- ベルリンに潜入中のMI6のスパイ。ロレーンの任務に協力する。
- CIAのエージェント。
- 時計屋 - ティル・シュヴァイガー(岩城泰司)
- MI6の協力者。
- シュタージから離反したスパイ。
- DGSEのエージェント。ローレンと恋に落ちる。
- ローレンの上司。
- アレクサンドル・ブレモヴィッチ - ローランド・ムーラー(金尾哲夫)
- ロシアの上位工作員。
- ユーリ・バクティン - ヨハネス・ヨハンソン(藤井隼)
- KGBの暗殺者。
- KGBエージェント - ダニエル・バーンハード
- C - ジェームズ・フォークナー
- MI6の責任者。
- メルケル - ビル・スカルスガルド(駒田航)
- ローレンの助手。
- ジェームズ・ガスコイン - サム・ハーグレイブ
- 殺されたMI6のエージェント。
- 検視官 - バルバラ・スコヴァ
製作
[編集]2015年5月、アンソニー・ジョンストンとサム・ハートのグラフィックノベル『The Coldest City』の映画化が発表された[6]。シャーリーズ・セロンは2010年の時点で同作の完成稿を入手しており、その映画化は彼女にとって「入魂のプロジェクト」であったと伝えられている[7]。『ジョン・ウィック』の出来映えが印象に残っていたセロンはデヴィッド・リーチを監督に起用する決断を下した[8]。リーチは本作と『ジョン・ウィック:チャプター2』のどちらを優先すべきか悩んだが、最終的に本作を優先することにした[9]。セロンによると、主演作『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の興行的成功が本作を製作する上で大いに役立ったのだという[10]。映画化に際して、原作にはなかったバイセクシャルの要素が盛り込まれたが、これはカート・ジョンスタッドのアイデアであった。「どうすればこの作品を他のスパイ映画と差異化できるか」という難問に頭を抱えていたセロンは、この提案を直ちに採用した[11]。リーチはバイセクシャルなシーンに関して「あれらは観客を挑発するためのシーンではありません。『スパイであれば情報を得るために何でもするだろう』ということを表現したのです。」と語っている[11]。
2015年10月、ジェームズ・マカヴォイが本作に出演すると報じられた[12]。11月、ジョン・グッドマンに出演オファーが出ているとの報道があった[13]。当初、エメット・カーツフェルド役にはデヴィッド・ボウイを起用する予定だったが、死の直前にオファーを断られた[14]。
ロレイン・ブロートンを演じるに当たって、セロンは8人のトレーナーと共にトレーニングを重ねた。それは非常に過酷なもので、トレーニング中に歯を食いしばっていたところ、セロンの歯が折れてしまうほどだったのだという[15]。なお、偶然にもセロンのトレーニング期間と『ジョン・ウィック:チャプター2』出演のためのキアヌ・リーブスのトレーニング期間が重なったため、2人は切磋琢磨しながらトレーニングすることができた。リーブスはセロンのスパーリング相手も引き受けたと報じられている[16]。
撮影
[編集]2015年11月22日、本作の主要撮影がハンガリーのブダペストで始まった[17]。なお、撮影はベルリンでも行われた。
サウンドトラック
[編集]リーチはBGMにも細心の注意を払っていた。「冷戦期のスパイを主人公とした映画は汗牛充棟である。どうすればそこに新鮮さを出せるのか」という問いに悩み抜いた結果、本作のサウンドトラックには1980年代のヒット曲及びそのカバーが収録されることとなった。カバー曲も収録したのは、1980年代的な雰囲気を維持しつつ、そこに現代的な雰囲気を足すためであった[18]。使用権の獲得交渉が難航する可能性が懸念されていたが、当初予定の4分の3の楽曲の使用許可を取り付けることができた[19]。
公開
[編集]当初、本作は2017年8月11日に全米公開される予定だったが[20]、後に同年7月28日に公開日が前倒しされた[21]。
2017年3月12日、本作はサウス・バイ・サウスウエスト映画祭でプレミア上映された[22]。
興行収入
[編集]本作は『絵文字の国のジーン』と同じ週に公開され、公開初週末に2000万ドルを稼ぎ出すと予想されていたが[23]、実際の数字はこれを下回るものであった。2017年7月28日、本作は全米3304館で封切られ、公開初週末に1828万ドルを稼ぎだし、週末興行収入ランキング初登場3位となった[24]。
評価
[編集]本作は批評家から好意的に評価されている。映画批評集積サイトのRotten Tomatoesには255件のレビューがあり、批評家支持率は76%、平均点は10点満点で6.5点となっている。サイト側による批評家の見解の要約は「『アトミック・ブロンド』のストーリーは主役のインパクトの前に埋もれているという感がある。しかし、スタイリッシュなアクションシーンとシャーリーズ・セロンという極めて魅力的なスターのお陰で、その欠点は相殺されている。」となっている[25]。また、Metacriticには50件のレビューがあり、加重平均値は63/100となっている[26]。なお、本作のCinemaScoreはBとなっている[27]。
出典
[編集]- ^ “アトミック・ブロンド”. 2017年6月22日閲覧。
- ^ “Focus Pre-Empts N.A. Rights To ‘The Coldest City;’ Charlize Theron To Star, ‘John Wick’s David Leitch & Chad Stahelski Directing: Cannes”. 2017年6月22日閲覧。
- ^ a b c “Atomic Blonde (2017)”. Box Office Mojo. 2017年9月10日閲覧。
- ^ 『キネマ旬報』2018年3月下旬 映画業界決算特別号 p.51
- ^ “アトミック・ブロンド ブルーレイ:セル専用”. 2017年12月22日閲覧。
- ^ “Focus Pre-Empts N.A. Rights To ‘The Coldest City;’ Charlize Theron To Star, ‘John Wick’s David Leitch & Chad Stahelski Directing: Cannes”. 2017年10月24日閲覧。
- ^ “How Charlize Theron Got Ripped, Bruised (and Naked!) for ‘Atomic Blonde’”. 2017年10月24日閲覧。
- ^ “John Wick Inspired Charlize Theron to Make Atomic Blonde”. 2017年10月24日閲覧。
- ^ “David Leitch Leaves ‘John Wick 2’ to Direct Charlize Theron Spy Movie ‘The Coldest City’”. 2017年10月24日閲覧。
- ^ “Charlize Theron Would ‘Love to’ Do a Prequel to ‘Mad Max: Fury Road’”. 2017年10月24日閲覧。
- ^ a b “Charlize Theron breaks down her steamy love affair in Atomic Blonde”. 2017年10月24日閲覧。
- ^ “James McAvoy to Join Charlize Theron in Focus’ ‘Coldest City’”. 2017年10月24日閲覧。
- ^ “John Goodman In Talks To Join ‘Coldest City’”. 2017年10月24日閲覧。
- ^ “Charlize Theron on Fighting Men Twice Her Size in a Blonde Bob and 6-Inch Heels”. 2017年10月24日閲覧。
- ^ “‘Atomic Blonde’ Director: “I Really Wanted To Try Some Provocative Things With Action” – SXSW”. 2017年10月24日閲覧。
- ^ “Charlize Theron and Keanu Reeves: Action-movie sparring partners?”. 2017年10月24日閲覧。
- ^ “On the Set for 12/4/15: Gal Gadot Grabs Her Lasso for ‘Wonder Woman’, Brad Pitt Wraps ‘War Machine’, ‘Resident Evil’ Team Finish Final Chapter”. 2017年6月22日閲覧。
- ^ “How ‘Atomic Blonde’ Director David Leitch Used Music To Turn A Stuffy Cold War Film Into A Spy Thriller”. 2017年10月24日閲覧。
- ^ “Interview: Atomic Blonde & Deadpool 2 Director David Leitch”. 2017年10月24日閲覧。
- ^ “Charlize Theron, James McAvoy thriller The Coldest City gets release date”. 2017年6月22日閲覧。
- ^ “Charlize Theron Spy Thriller ‘The Coldest City’ Moves Up To July – Update”. 2017年6月22日閲覧。
- ^ “Charlize Theron MI6 Movie ‘The Coldest City’ Retitled & Will Debut At SXSW”. 2017年6月22日閲覧。
- ^ “Will ‘Dunkirk’ Stay Afloat Against ‘Atomic Blonde,’ ‘Emoji Movie’ at Box Office This Weekend?”. 2017年10月24日閲覧。
- ^ “July 28-30, 2017”. 2017年10月24日閲覧。
- ^ “Atomic Blonde”. 2017年10月28日閲覧。
- ^ “Atomic Blonde (2017)”. 2017年10月28日閲覧。
- ^ “‘Dunkirk’ Marches Ahead Of ‘Emoji Movie’ After Close Battle For No. 1 – Final Sunday Update”. 2017年10月28日閲覧。