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ジョン・ウィック:チャプター2

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ジョン・ウィック:チャプター2
John Wick: Chapter 2
監督 チャド・スタエルスキ
脚本 デレク・コルスタッド
原作 キャラクター創造
デレク・コルスタッド
製作 ベイジル・イヴァニク
エリカ・リー
製作総指揮 ジェフ・ワックスマン
ロバート・ベルナッキ
デヴィッド・リーチ
ケヴィン・フレイクス
ヴィシャル・ルングタ
出演者 キアヌ・リーブス
コモン
ローレンス・フィッシュバーン
リッカルド・スカマルチョ
ルビー・ローズ
ジョン・レグイザモ
イアン・マクシェーン
ランス・レディック
フランコ・ネロ
ピーター・ストーメア
音楽 タイラー・ベイツ
ジョエル・J・リチャード
撮影 ダン・ローストセン
編集 エヴァン・シフ
製作会社 ライオンズゲート
サンダー・ロード・ピクチャーズ英語版
87イレブン・プロダクションズ
配給 アメリカ合衆国の旗 サミット・エンターテインメント
日本の旗 ポニーキャニオン
公開 アメリカ合衆国の旗 2017年2月10日
日本の旗 2017年7月7日
上映時間 122分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $40,000,000
興行収入 アメリカ合衆国の旗 $92,029,184[1]
世界の旗 $171,539,887[1]
日本の旗 3億1500万円[2]
前作 ジョン・ウィック
次作 ジョン・ウィック:パラベラム
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ジョン・ウィック:チャプター2』(原題: John Wick: Chapter 2)は、2017年に公開されたアメリカ合衆国のネオ・ノワール・アクションスリラー映画。前作同様R15+指定監督チャド・スタエルスキ脚本・原作はデレク・コルスタッド。

ジョン・ウィック』の続編であり、前作から5日後に起こった出来事を描く。キアヌ・リーブスコモンローレンス・フィッシュバーンリッカルド・スカマルチョルビー・ローズジョン・レグイザモイアン・マクシェーンが出演する。キアヌ・リーブスとローレンス・フィッシュバーンが共演するのはマトリックス3部作以来である。

日本版のポスター等で使われたキャッチコピーは「伝説の殺し屋VS世界中の殺し屋」。

続編『ジョン・ウィック:パラベラム』が2019年に公開された[3]

あらすじ

前作から5日後。アブラム・タラソフのアジトから愛車を取り戻したジョン・ウィックは、かつての借り(「誓印」)があるイタリア系犯罪組織カモッラの幹部サンティーノ・ダントニオから暗殺の依頼を受ける。今度こその引退を決意していたジョンは断るが、その代償として亡き妻との想い出が残る家が爆破される。ジョンは、ウィンストンの助力を得ようとするも、誓印の掟は絶対だとし、サンティーノの依頼を受けることを勧める。諦めたジョンは、サンティーノより父の跡を継いだ実の姉ジアナの抹殺を要求される。

ローマへやってきたジョンは、当地で準備を行い世界各地の犯罪組織たちを束ねる「主席連合」に就任しようとしているジアナを殺す。カシアンら彼女の護衛らと戦い地下墓地へ逃げ込んだジョンは、今度は口封じを狙うサンティーノの部下アレス率いる一団に襲われる。アレスを振り切り再度カシアンと殺し合うジョンは、偶然コンチネンタル・ホテルに飛び込み停戦状態となる。そしてバーでカシアンと再戦を誓いあったジョンはローマを後にする。

サンティーノはジョンに700万ドルの賞金を掛け、ニューヨーク中の殺し屋に公示する。サンティーノを狙いニューヨークへ戻って来たジョンは、次々と殺し屋らに命を狙われるが返り討ちにしていく。その中のカシアンとは地下鉄での死闘の果てにジョンが勝利する。ジョンは主席連合には属さないニューヨーク地下犯罪組織の王であるバワリー・キングを頼る。ジョンはキングにサンティーノを殺す利益を説き、キングは一丁の拳銃と弾丸7発、そしてサンティーノの居場所の情報をジョンに与える。

美術館へ乗り込んだジョンは、迎撃に現れたサンティーノの部下達を葬っていく。アレスも駆けつけサンティーノを護衛しながら、最期はジョンとの一騎打ちに臨むが返り討ちにされる。美術館を脱したサンティーノはコンチネンタル・ホテルに逃げ込み、ホテル内では殺しをしてはいけない掟を盾にジョンを挑発する。しかし、ウィンストンが止めようとする中、ジョンは躊躇なくサンティーノを射殺する。

焼け落ちた自宅に戻り思い出の品を見つけたジョンはウィンストンから公園へ呼び出しを受ける。ウィンストンはジョンが主席連合によって世界中の殺し屋から命を狙われること、掟を破ったためにコンチネンタルのサービスを今後利用できなくなることを伝える。そして長年の友情に対する餞別として聖印を渡し、暗殺指令を1時間差し止めるのでその間に逃げろという。ジョンは誰が殺し屋かもわからない雑踏の中を愛犬と共に走り去る。

登場人物・キャスト

主人公

ジョン・ウィック
演 - キアヌ・リーブス、日本語吹替 - 森川智之[4]
引退した伝説的な殺し屋。「ブギーマン(闇の者)」として恐れられる。ジョナサンの名で呼ばれることもある。前作のラストで助けたピットブル犬と暮らす(名前はない)。かつて引退するためにサンティーノに貸し(誓印)を作ったために、誓印の掟によって彼の依頼を受けざるを得なくなる。さらに中盤ではサンティーノがジョンの暗殺を公示したために、ニューヨーク中の殺し屋たちから命を狙われることとなる。

カモッラ

サンティーノ・ダントニオ
演 - リッカルド・スカマルチョ、日本語吹替 - 櫻井孝宏[4]
イタリア系犯罪組織「カモッラ」の幹部。かつてジョンの仕事の手助けをした貸しがあり、その際の「誓印」のメダルを所持している。父の跡を姉のジアナが継いだことをよく思っておらず、「誓印」の掟によってジョンに彼女を暗殺するように命令し、最初に拒否した時は彼の家を爆破する。初めからジョンを生かすつもりはなく、ジアナ殺しが成功すると、部下のアレスに口封じのために襲わせ、さらに700万ドルの懸賞金を掛けてニューヨーク中の暗殺者に彼の命を狙わさせる。
劇中では主席連合の一員となることでニューヨークの裏社会を牛耳る野望を抱いているとジアナから語られるのみだが、未公開シーンでは主席連合の特権を利用してオーレリオから「金貨」を強奪したり、掟を無視した強引な裏社会の「改革」を行おうとしてウィンストンに苦言を呈されるなどの場面がある。
アレス
演 - ルビー・ローズ、日本語吹替 - なし(原語音声)
サンティーノのボディガードで暗殺者。唖者であり、手話で会話する。サンティーノの忠実な部下としてジョンの命を狙う。
ジアナ・ダントニオ
演 - クラウディア・ジェリーニ英語版、日本語吹替 - 三沢明美
カモッラのボスでサンティーノの姉。「主席連合」の12人の代表の1人でジョンの旧友でもある。自分を殺しに現れた彼を見てすべてを悟り、自ら命を断つ。
カシアン
演 - コモン、日本語吹替 - 俊藤光利[4]
ジアナのボディガードで暗殺者。ジョンの旧友でもあり、暗殺の腕はほぼ互角。敬愛していたジアナを殺されたためジョンの命を狙う。互いの力量を知り尽くしており、プロの殺し屋の礼儀として苦しまずに殺してやると誓い合う。

コンチネンタル

ウィンストン
演 - イアン・マクシェーン、日本語吹替 - 安原義人[4]
コンチネンタルの代表であり、「コンチネンタル・ホテル・ニューヨーク」のオーナー兼支配人[5]。ジョンの親友で、彼に敬意を払い、彼を軽く見る者に忠告を行う。コンチネンタルの代表として殺し屋の世界で絶大な力を持ち、掟を破った者には容赦しない。
シャロン
演 - ランス・レディック、日本語吹替 - 堀内賢雄[4]
「コンチネンタル・ホテル・ニューヨーク」のコンシェルジュ。ジョンに強い敬意を払っている。ジョンがローマに行く際、ホテルとして犬を預かれない為、個人として預かる。
ジュリアス
演 - フランコ・ネロ[6]、日本語吹替 - 勝部演之[4]
「コンチネンタル・ホテル・ローマ(本店)」のオーナー兼支配人[5]。ジョンの旧友で、再会を喜ぶ。ニューヨークのウィンストン同様にホテル内での殺しを禁じている。
ルシア
演 - ヨウマ・ジャキテ英語版、日本語吹替 - 大地葉
「コンチネンタル・ホテル・ローマ」のフロント。
ソムリエ
演 - ピーター・セラフィノウィッツ英語版[7]、日本語吹替 - 藤沼建人
「コンチネンタル・ホテル・ローマ」のソムリエ。ただしテイスティングするのは銃等の武器である。
アンジェロ
演 - ルカ・モスカ、日本語吹替 - 小林親弘
イタリアに店を構える裏社会の仕立て屋。ジョンの要望に応えて内芯に防弾素材を使ったスーツを仕立て、着弾時の衝撃までは緩和できないと忠告する。
演じるモスカはシリーズの衣装デザイナーを務めている。

地下犯罪情報組織

バワリー・キング
演 - ローレンス・フィッシュバーン、日本語吹替 - 玄田哲章[4]
地下犯罪情報組織の王[8]。彼を含む組織のメンバーは、普段ホームレスのふりをして活動している。実はジョンとは面識があり、下っ端時代に殺されかけるも、見逃してもらった過去を持つ。その過去によって自らは王になれたとジョンに言う。
日本語版の公式サイトによれば、元コンチネンタルの会員で凄腕の殺し屋。その後、主席連合やコンチネンタルのどちらにも属さない独自の組織を立ち上げたという[9]
バワリーニューヨーク市の地区の一つ。
アール
演 - トビアス・シーガル英語版[10]、日本語吹替 - 小林親弘
バワリーの手下。普段は地下鉄の駅でホームレスのふりをしている。

ニューヨーク

オーレリオ
演 - ジョン・レグイザモ、日本語吹替 - 家中宏[4]
自動車修理工場のオーナー。前作にも登場したジョンの旧友であり、冒頭で全損したマスタングを修理のために引き取る。
未公開シーンでは、主席連合の座に就いたサンティーノが部下を伴って来襲し、裏社会の通貨である金貨を強奪されてしまう。
ジミー
演 - トーマス・サドスキー、日本語吹替 - 北田理道
前作にも登場したジョンの友人の警察官。
チャーリー
演 - デヴィッド・パトリック・ケリー
未公開シーンにのみ登場。裏社会の掃除屋[11]

殺し屋

バイオリン奏者
演 - ハイジ・マネーメーカーwikidata、日本語吹替 - なし(原語音声)
バイオリンの路上演奏者で殺し屋。ジョン暗殺の公示を受け、不意打ちで彼に重傷を負わせることに成功するが、返り討ちに遭い死亡する。
演じるマネーメーカーは監督チャド・スタエルスキーの妻であり、プロのスタントパーソンである。
スモウ
演 - YAMA、日本語吹替 - なし(原語音声)
力士の殺し屋。大柄な体格を生かし、銃で撃たれても怯むことなくジョンに挑む。だが、頭を2度撃たれたことで死亡する。

その他

ヘレン・ウィック
演 - ブリジット・モイナハン、日本語吹替 - 竹内絢子[4]
ジョンの亡くなった妻。
アブラム・タラソフ
演 - ピーター・ストーメア、日本語吹替 - 高岡瓶々[4]
ロシアン・マフィアのボス。前作に登場したヴィゴの弟で、ヨセフの叔父。ジョンのマスタングをアジトに保管していたため、彼が取り返しにくると予想しており、そのためにはアジトを放棄しても良いと考えている。ジョンを軽く見る部下を叱責したが、全て倒され自身も平和的に解決される。
オペレーター
演 - マーガレット・デイリー、日本語吹替 - 竹内絢子
主席連合に仕える「管理部」のオペレーター。

用語

主席連合(High Table)
世界中の犯罪組織が集まった組織[12]。主席と呼ばれる12の代表がおり、劇中ではカモッラコーサ・ノストランドランゲタチャイニーズ・マフィアロシアン・マフィアの5つが言及されている。コンチネンタルとの具体的な関係は言及されないが、少なくとも協力関係にはある。
誓印
今作で明らかにされたコンチネンタルの掟の一つ。相互の交換条件を血の捺印をもって契約として交わしたメダル状の証[5](このメダルとは別にコンチネンタルが管理する台帳もある)。契約者は誓印の持ち主の依頼を一度だけ受けなければいけない義務があり、拒否したり、持ち主を殺害した場合は規約違反となる。

制作

進行

2015年2月、監督のチャド・スタエルスキとデヴィッド・リーチは『ジョン・ウィック』の続編の制作を始めた。同月 ライオンズゲートのCEOジョン・フェルサイマーは、会議で「ジョン-ウィック はフランチャイズとして色んなアクション映画に展開できる」と述べた。 またコルスタッドが再び脚本を書くことも付け加えた。 2015年5月に撮影されることが確定し、ライオンズゲートはフィルムをカンヌ国際映画祭で販売することとした。

撮影

主要撮影はニューヨークで2015年10月25日に開始された。

音楽

2016年に、タイラー・ベイツ 、ジョエル・J・リチャードにより映画のサウンドトラックが作曲されると報道された。

また、アリス・イン・チェインズのギタリスト・ボーカリストである ジェリー・カントレル が"為すべき仕事"("A Job To Do")、前作において、"Who You Talkin' to Man"を歌ったシスカンドラ・ノスタルジアが劇中とエンドクレジットにて"Coronation"と"Plastic Heart"を歌っている。

公開

ロサンゼルス で2017年1月30日にプレミア公開された。米国では2017年2月10日に映画館での上映が始まり、映画評論家から高い評価を得た。Rotten Tomatoesでは89%の数値を記録している[13]ローリング・ストーン誌ピーター・トラヴァースは星3.5(星4つ満点)と評し、「キアヌ・リーブスが狂乱と混乱に満ちた続編に戻ってきた。最も恐ろしい殺し屋のバイオレンス、ガンフー、アクションの混沌さを更に増しての復帰だ」と語っている[14]

全世界興行収入は前作の8800万ドルを大幅に上回り、1億ドルを突破した[15]

続編

2016年10月に第3作の制作を開始し[16]、2017年6月にコルスタッド(本作の脚本家)が第3作の脚本に取り掛かったと報道された[17]

2018年4月より撮影を開始[18]し、米国では2019年5月(日本では同年10月)に第3作となる『ジョン・ウィック:パラベラム』が公開された。

参考文献

  1. ^ a b John Wick:Chapter Two”. Box Office Mojo. 2017年7月16日閲覧。
  2. ^ キネマ旬報』2018年3月下旬 映画業界決算特別号 p.32
  3. ^ http://johnwick.jp/
  4. ^ a b c d e f g h i j “映画「ジョン・ウィック:チャプター2」BD&DVD日本語吹替に森川智之、櫻井孝宏ら”. PONY CANYON NEWS. (2017年11月29日). https://web.archive.org/web/20171201044659/https://news.ponycanyon.co.jp/2017/11/22419 2017年11月29日閲覧。 
  5. ^ a b c 「ジョン・ウィック:チャプター2」公式サイト 「コンチネンタル」解説 2018年2月17日閲覧
  6. ^ Han, Angie (October 8, 2016). “‘John Wick: Chapter 2’ Trailer: Keanu Reeves Is Back in Action”. /Film. October 8, 2016閲覧。
  7. ^ Anderton, Ethan (October 5, 2016). “‘John Wick: Chapter 2’ Teaser Arrives Before The Full Trailer Debuts At NYCC”. /Film. October 8, 2016閲覧。
  8. ^ ‘John Wick: Chapter 2 Movie Update: Keanu Reeves Talks About Laurence Fishburne’s Role” (英語) (2017年1月8日). 2017年1月14日閲覧。
  9. ^ 「ジョン・ウィック:チャプター2」公式サイト 「バワリー・キング」解説 2018年2月17日閲覧
  10. ^ Watch John Wick: Chapter 2 (2017)”. March 17, 2017閲覧。
  11. ^ Keanu Reeves talks John Wicks 2”. cosmicbooknews. 25 August 2016閲覧。
  12. ^ 「ジョン・ウィック:チャプター2」公式サイト 「主席連合」解説 2018年2月17日閲覧
  13. ^ John Wick_ Chapter 2 - Movie Reviews - Rotten Tomatoes”. Rotten Tomatoes. July 12, 2017閲覧。
  14. ^ Peter Travers 'John Wick Chapter 2' Movie Review”. Rolling Stone. July 12, 2017閲覧。
  15. ^ John Wick (2014)”. Box Office Mojo. May 7, 2017閲覧。
  16. ^ Page, Aubrey (October 10, 2016). “‘John Wick 3’ Already in the Works, Reveals Director Chad Stahelski; ‘Chapter 2’ Details Teased”. Collider.com. オリジナルの2016年10月10日時点におけるアーカイブ。. https://webcitation.org/6lA5NawMy?url=http://collider.com/john-wick-3-chad-stahelski-interview/ October 10, 2016閲覧。 
  17. ^ Kit, Borys (June 1, 2017). “'John Wick 3' Brings Back Writer Derek Kolstad (Exclusive)”. The Hollywood Reporter. オリジナルの2017年6月1日時点におけるアーカイブ。. https://webcitation.org/6qu9QeCEg?url=http://www.hollywoodreporter.com/heat-vision/john-wick-3-brings-back-writer-derek-kolstad-1009145 June 1, 2017閲覧。 
  18. ^ https://screenrant.com/john-wick-3-filming-start-date/

外部リンク