アシッド・イーターズ
『アシッド・イーターズ』 | ||||
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ラモーンズ の カバー・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 | ニューヨーク ベイビー・モンスター・スタジオ(ベーシック・トラック、オーヴァーダブ)、チャン・キング・ハウス・オブ・メタル(オーヴァーダブ)[1] | |||
ジャンル | パンク・ロック | |||
時間 | ||||
レーベル |
レディオアクティヴ・レコード クリサリス・レコード | |||
プロデュース | スコット・ハックウィズ | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
チャート最高順位 | ||||
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ラモーンズ アルバム 年表 | ||||
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『アシッド・イーターズ』(Acid Eaters)は、アメリカ合衆国のパンク・ロック・バンド、ラモーンズが1993年に発表した13作目のスタジオ・アルバム。バンド唯一のカバー・アルバムで、主に1960年代の曲が取り上げられた。
背景
[編集]当初は5曲入りのEPとして構想されたが、最終的にはフル・アルバムとなった[6]。ザ・フーのカバー「恋のピンチ・ヒッター」には、作者のピート・タウンゼント自身がバッキング・ボーカルでゲスト参加し、「あなただけを」には、当時レーベル・メイトであったトレイシー・ローズがゲスト参加した[6]。
アルバム・タイトルはジョニー・ラモーンの案により、1960年代のエクスプロイテーション映画『The Acid Eaters』から取られた[6]。
反響・評価
[編集]スウェーデンでは1993年12月8日付のアルバム・チャートで26位を記録し、同国において自身12作目のトップ60アルバムとなった[4]。アメリカでは1994年1月29日付のBillboard 200で179位を記録したが、翌週にはトップ200圏外に落ちた[5]。
Stephen Thomas Erlewineはオールミュージックにおいて5点満点中2点を付け「1960年代のサイケデリック・ロックやガレージロックの名曲で疾走しており、過去数作のレコードとは異なり、バンド本来の楽しさを、かなり取り戻した」と評している[2]。Mike Flahertyは『エンターテインメント・ウィークリー』誌のレビューでAマイナスを付け「そもそもラモーンズは、1960年代の最上のバンドから影響を受けてきた」「いつものラモーンズと同様シンプルで、これぞクラシック・ロックという作品である」と評している[3]。また、『CDジャーナル』のミニ・レビューでは「ブリティッシュ・ビート、ガレージ・サイケ、サーフィン・ロックなどを、お得意の一本調子で料理しまくる」と評されている[7]。
Ultimate Classic Rockの2017年の企画「Ramones Albums Ranked Worst to Best」では14作中8位となった[8]。
収録曲
[編集]- 夢幻の旅 - "Journey to the Center of the Mind" (Ted Nugent, Steve Farmer) - 2:52
- アンボイ・デュークスのアルバム『夢幻の旅』(1968年)収録曲。
- 恋のピンチ・ヒッター - "Substitute" (Pete Townshend) - 3:15
- ザ・フーが1966年に発表したシングル曲。
- アウト・オブ・タイム - "Out of Time" (Mick Jagger, Keith Richards) - 2:41
- ローリング・ストーンズのアルバム『アフターマス』(1966年)収録曲。
- シェイプ・オブ・シングス - "The Shape of Things to Come" (Barry Mann, Cynthia Weil) - 1:46
- マックス・フロストとトルーパーズが1968年に発表したシングル曲。
- あなただけを - "Somebody to Love" (Darby Slick) - 2:31
- ザ・グレート・ソサエティが1966年に発表した曲で、1967年にはジェファーソン・エアプレインによるリメイク・ヴァージョンがヒットした。
- 若い思い出 - "When I Was Young" (Eric Burdon, John Weider, Vic Briggs, Danny McCulloch, Barry Jenkins) - 3:16
- アニマルズが1967年に発表したシングル曲。
- セヴン&セヴン・イズ - "7 and 7 Is" (Arthur Lee) - 1:50
- ラヴが1966年に発表したシングル曲。
- マイ・バック・ペイジズ - "My Back Pages" (Bob Dylan) - 2:27
- ボブ・ディランのアルバム『アナザー・サイド・オブ・ボブ・ディラン』(1964年)収録曲で、1967年にはバーズによるカバーがヒットした。
- キャント・シーム・トゥ・メイク・ユー・マイン - "Can't Seem to Make You Mine" (Sky Saxon) - 2:42
- ザ・シーズが1965年に発表したシングル曲。
- 雨を見たかい - "Have You Ever Seen the Rain" (John Fogerty) - 2:22
- クリーデンス・クリアウォーター・リバイバルのアルバム『ペンデュラム』(1970年)収録曲。
- 僕は危機一髪 - "I Can't Control Myself" (Reg Presley) - 2:55
- トロッグスが1966年に発表したシングル曲。
- サーフ・シティー - "Surf City" (Brian Wilson, Jan Berry) - 2:26
- ジャン&ディーンが1963年に発表したシングル曲。
日本盤ボーナス・トラック
[編集]- サーフィン・サファリ - "Surfin' Safari" (Mike Love, B. Wilson) - 1:49
- ザ・ビーチ・ボーイズが1962年に発表したシングル曲。
参加ミュージシャン
[編集]アディショナル・ミュージシャン
- ジョー・マッギンティ - キーボード
- ピート・タウンゼント - バッキング・ボーカル(on #2)
- セバスチャン・バック - バッキング・ボーカル(on #3)
- トレイシー・ローズ - バッキング・ボーカル(on #5)
脚注
[編集]- ^ CD英文ブックレット内クレジット
- ^ a b Erlewine, Stephen Thomas. “Acid Eaters - Ramones - Album”. AllMusic. 2024年8月5日閲覧。
- ^ a b Flaherty, Mike (1994年1月14日). “Acid Eaters”. Entertainment Weekly. Meredith Corporation. 2024年8月5日閲覧。
- ^ a b swedishcharts.com - Ramones - Acid Eaters
- ^ a b “The Ramones - Chart History - Billboard 200”. Billboard. 2024年8月5日閲覧。
- ^ a b c Kenny, Glenn (1994年3月24日). “Q&A: Joey Ramone”. Rolling Stone. 2024年8月5日閲覧。
- ^ “ラモーンズ/アシッド・イーターズ (廃盤)”. CDJournal. 音楽出版社. 2024年8月5日閲覧。
- ^ Gallucci, Michael (2017年1月9日). “Ramones Albums Ranked Worst to Best”. Ultimate Classic Rock. Townsquare Media. 2024年8月5日閲覧。
外部リンク
[編集]- アシッド・イーターズ - Discogs (発売一覧)