コンテンツにスキップ

ジェームズ・デューゼンベリー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ジェームズ・デューゼンベリー
ネオケインジアン経済学
生誕 (1918-07-18) 1918年7月18日
ウエストバージニア州
死没 2009年10月5日(2009-10-05)(91歳没)
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ
研究機関 ハーバード大学
研究分野 ミクロ経済学
行動経済学
母校 ミシガン大学
影響を
受けた人物
ジョン・メイナード・ケインズ
ミハウ・カレツキ
ジョン・ヒックス
ポール・サミュエルソン
論敵 ミルトン・フリードマン
影響を
与えた人物
ケネス・アロー
実績 所得と消費のケインジアン分析
テンプレートを表示

ジェームズ・デューゼンベリー(James Stemble Duesenberry、1918年7月18日 - 2009年10月5日)は、ウェストバージニア州プリンストンで生まれたアメリカ経済学者

ハーバード大学教授であり、専門は貨幣および銀行論、マクロ経済学であった。歯止め(ラチェット)効果とデモンストレーション効果を基本とする相対所得仮説、金融的要因を重視する景気循環理論、アメリカの計量経済モデルの開発などの研究に尽力した。

略歴

[編集]
  • 1918年 ウェストバージニア州プリンストンで生まれる。
  • ニューヨーク州バッファローのBennett高校に通う。
  • 1939年 ミシガン大学を卒業する(B.A.)。
  • 1939年 - 1941年 ミシガン大学の助手として働く。
  • 1941年 ミシガン大学でM.A.を取る。
  • 1941年 Social Science Research Councilのフェローとなる。
  • 第2次世界大戦のもと空軍で統計学者として働き、大尉となる。
  • 1946年 MITで専任講師を始めると同時に、ハーバード大学でティーチング・フェローとなる。
  • 1948年 ミシガン大学よりPh.D.を受ける。
  • 1948年 - 1953年 ハーバード大学の准教授となる。
  • 1953年 - 1955年 ハーバード大学の上級准教授となる。
  • 1955年 - 1989年 ハーバード大学の教授となる。
  • 1966年 - 1968年 ジョンソン政権の大統領経済諮問委員会のメンバーとなる。
  • 1969年 - 1974年 ボストン連邦準備銀行理事会議長を務める。
  • 1972年 - 1977年 ハーバード大学経済学部長を務める。
  • 1984年 神戸大学客員教授となる。
  • 1989年 ハーバード大学名誉教授となると同時に、ハーバード大学国際開発研究所(HIID)のコンサルタントに就任する。
  • 2009年 マサチューセッツ州ベルモントで死去。

業績

[編集]
  • 消費理論では、歯止め(ラチェット)効果とデモンストレーション効果を重視して相対所得仮説を展開した。
  • 景気循環理論では、金融的要因を重視する乗数・加速度モデルを提唱した。
  • 計量経済モデルでは、ブルッキング・モデルを中心に開発・運用を行った。

主要著作

[編集]

日本語訳

[編集]
  • 『所得・貯蓄・消費者行為の理論』(現代経済学選書)、大熊一郎訳、巌松堂出版、1955年(改訳版1964年)
  • 『景気循環と経済成長』、馬場正雄訳、好学社、1965年
  • 『貨幣と信用』(現代経済学叢書)、貝塚啓明訳、東洋経済新報社、1966年
  • 『新展開・日米経済:均衡ある発展を求めて』、近藤鉄雄編、J.S.デューゼンベリー他著、TBSブリタニカ、1989年

原書

[編集]
  • Income, Saving, and the Theory of Consumer Behavior, 1949年(『所得・貯蓄・消費者行為の理論』)
  • Business Cycles and Economic Growth, 1957年(『景気循環と経済成長』)
  • Cases and Problems in Economics, with Lee E. Preston, 1960(『経済学における事例と課題』)
  • Money and Credit: Impact and Control, 1964(『貨幣と信用』)
  • The Brookings Model: Further Results, 共編, 1969(『ブルッキングス・モデル 増補版』)
  • Capital Needs in the Seventies, with Barry Bosworth and Andrew S. Carron, 1975(『70年代における資本の必要性』)
  • Money, Banking, and Economy, with Thomas Mayer and Robert Zelwin Aliber, 1981(6th ed. 1996)(『貨幣・銀行と経済』)

関連項目

[編集]

関連文献

[編集]
  • 梅穎豪「消費の経済理論の形成と消費関数論争」『現代社会文化研究』第21巻、新潟大学大学院現代社会文化研究科、2001年8月、267-282頁、CRID 1050001339226672512hdl:10191/1005ISSN 13458485