Wikipedia:百科事典向け写真撮影のガイド/がんばっても無理
写真も、それ以外の行為一般同様、頑張ったからと言って上手く撮影できるとは限りません。その理由は様々ですが「カメラやレンズの選択が不適切」、「撮影技術や撮影知識の不足」、「センスの悪さ」、「ライティングが不適切」などが主なものでしょうか。お金をかければカメラ本体やレンズなどいい機材が手に入りますが、趣味なら趣味とお金の出せる範囲で、割り切って楽しむことも大事です。
その場で持っている機材の特性や撮影のウデから、努力ではどうにもならないのを知ることも、写真撮影では重要です。撮影対象によっては、プロなどやれる人に任せ、無理なものは無理と諦めましょう。
以下に、撮影困難な事例を示しますが、網羅的なものではありません。
対象・物体・被写体 (object) による制約
[編集]明暗差の大きいとき
[編集]この写真は、明暗差が激しいものです。
フィルムのカメラも、肉眼と比べると、明暗差に対する限界はあります。デジタルカメラの場合は、その限界がはるかに厳しいです。非常に明るいものと暗いものが同時に画面にはいるような構図の場合、明るいところが真っ白になる(「飛ぶ」といいます)、暗いところが真っ黒になる(「つぶれる」といいます)、といった現象が生じます。また、明るいところから暗いところに光がまわりこみぼやけたように広がる、ということもしばしばあります。
逆光
[編集]これは逆光で無理に撮影した写真です。逆光はふつう明暗差も大きいので難易度は高いものです。神社の木立ちの中にあり木陰になってしまっている神殿を撮影しようとしたところ、空がはいってしまいました。
こういった場合は、明るい部分か暗い部分のどちらかを切り捨てるか、あきらめるかしかありません。また、構図の上での工夫する余地があれば、明るい部分か暗い部分のどちらかが画面に占める割合を減らすといった対策もあります。
これも逆光で無理に撮影した写真です。このように撮影するとつぶれてしまい、影の情報が引き出せません。
一般にカメラは逆光に弱いと言えます。逆光の場合、風景の大半は日影になっていますから、明暗差が大きい例と似た問題がさらに極端に表れます。これは、歩いて逆光の悪影響が少しでも少ない場所を探すか、時間を変えて再度撮影にトライするかくらいしか、逃げ道がありません。
生態写真
[編集]生態写真のたぐいは、被写体の生物の生態にあわせた機材やテクニックが必要ですし、資料として十分なものを撮影できるようになるには、かなりの試行錯誤が必要です。コンパクトデジカメでも良い生態写真を撮影している方はいらっしゃますが、簡単に経験なしに優れたものは撮影できないのです。
撮影レンズの焦点距離による制約
[編集]遠くのものをはっきり大きく写す
[編集]飛行中の2機のヘリコプター。目で見たらそこそこ見えているようでも、こういう遠距離の被写体をちゃんと写すには、望遠レンズなどが必要です。コンパクトデジカメなどで簡単に撮れる被写体ではありません。もちろん、一眼レフを持ってきても、標準レンズしかなければ無理です。
野鳥の写真も、手軽にはなかなか撮れないもののひとつです。被写体との距離が大きい(遠い)ときが多いことと、動きが激しいものの多いことが、その理由です。野鳥も、それを専門に撮影しているプロやハイアマチュアがけっこう多い分野ですので、そういった方々におまかせしておいた方が無難でしょう。
上はカラスの写真ですが、実際に記事で採用される写真が「ファイル:トンデルカラス.jpg」の項目にあります。これは35ミリフィルムカメラ+焦点距離300mmの望遠レンズによるものをトリミングしており、見かけの焦点距離は450mmくらいの写真です。ただし、先に述べた生態写真に要求される特質を満たしているとは必ずしも言えないのでご注意下さい。