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KTM-31

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
KTM-31(71-631)
КТМ-31
基本情報
製造所 ウスチ=カタフスキー車両製造工場
製造年 2011年 - 2014年2016年 -
運用開始 2011年
投入先 サンクトペテルブルク市電サマーラ市電ダウガフピルス市電クラスノダール市電
主要諸元
編成 3車体連接車
軌間 1,000 mm
1,524 mm
電気方式 直流600 V
架空電車線方式
設計最高速度 75 km/h
起動加速度 1.3 m/s2
減速度(非常) 2.3 m/s2
車両定員 71-631
着席47人
立席207人(乗客密度5人/m2
最大350人(乗客密度8人/m2
71-631-02
着席46人
立席190人(乗客密度5人/m2
最大346人(乗客密度8人/m2
車両重量 37.0 t
全長 28,090 mm
車体長 20,400 mm
全幅 2,500 mm
全高 3,700 mm(集電装置含)
床面高さ 370 mm(低床部分)
(低床率70 %)
車輪径 620 mm
固定軸距 1,940 mm
台車中心間距離 7,470 mm
主電動機出力 125 kw
出力 500 kw
制動装置 回生ブレーキディスクブレーキ電磁吸着ブレーキ
備考 主要数値は[1][2][3][4][5][6][7][8]に基づく。
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KTM-31ロシア語: КТМ-31)は、ロシア連邦の鉄道車両メーカーであるウスチ=カタフスキー車両製造工場(ФГУП «Усть-Катавский вагоностроительный завод имени С. М. Кирова»)が展開する路面電車車両。バリアフリーに対応した超低床電車(部分超低床電車)で、71-631という形式番号も有する[2][3][4]

概要

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ウスチ=カタフスキー車両製造工場が初めて製造した超低床電車(試作車)の71-630ロシア語版や、低床構造を有するボギー車(単車)のKTM-23(71-623)等の設計を基に開発された、中間に車体長が短い車体を有する3車体連接車2010年から開発が始まり、翌2011年に試作車が公開された後、サンクトペテルブルク市電で営業運転を開始した[注釈 1][1][2][9][10][8][11]

前後車体の端部に設置されている動力台車(ボギー台車)には2段サスペンションが用いられ、騒音や振動を抑制する。この動力台車が設置されている箇所を除いた車内全体の70 %が床上高さ370 mmの低床構造となっており、両開き式の乗降扉(プラグドア)からはステップを経る事なく乗降が可能である他、高床部分にも片開き式のプラグドアが存在する。座席は前後車体がクロスシート、中間車体がロングシートとなっており、人間工学を用いて設計された運転台内部も含めて空調が完備されている[2][3][4]

主電動機にはチェコ製の三相誘導電動機が、制御装置にはVVVFインバータ制御方式が用いられており、回生ブレーキを搭載する事でエネルギー効率を高め、運用コストの抑制に貢献している。これらの電気機器は自動診断システムによって管理されており、運転台のモニターから機器の状態を確認する事が出来る[2][3][4][10]

車種

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KTM-31(71-631)は、機器や車体形状によって以下の車種が展開されている[2][3][4]

導入都市

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2011年から製造が始まった71-631は、2020年の時点で以下の都市に導入されている[1][2]

KTM-31(71-631) 導入都市一覧[1][2][10][8][5][6][7]
形式 導入国 都市 導入車両数
71-631 ロシア連邦 サンクトペテルブルク
(サンクトペテルブルク市電)
11両
サマーラ
(サマーラ市電)
10両
ラトビア ダウガフピルス
(ダウガフピルス市電)
4両
71-631-01 ロシア連邦 サンクトペテルブルク
(サンクトペテルブルク市電)
1両
71-631-02 ロシア連邦 サンクトペテルブルク
(サンクトペテルブルク市電)
15両
71-631-02.02 ロシア連邦 サンクトペテルブルク
(サンクトペテルブルク市電)
16両
71-631-03 ロシア連邦 クラスノダール
(クラスノダール市電)
4両

ギャラリー

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脚注

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注釈

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  1. ^ 当初はウクライナキエフ市電に導入される予定であった。

出典

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  1. ^ a b c d 服部重敬「定点撮影で振り返る路面電車からLRTへの道程 トラムいま・むかし 第10回 ロシア」『路面電車EX 2019 vol.14』、イカロス出版、2019年11月19日、101頁、ISBN 978-4802207621 
  2. ^ a b c d e f g h i 71-631 / 71-631-02”. УКВЗ. 2020年3月10日閲覧。
  3. ^ a b c d e Трамвайный вагон модели 71-631”. УКВЗ. 2016年9月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年3月10日閲覧。
  4. ^ a b c d e Трамвайный вагон 71-631-02”. УКВЗ. 2016年9月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年3月10日閲覧。
  5. ^ a b c В Самаре вышли на линии 10 новых российских 3-секционных трамваев”. Техносфера Россия (2017年9月18日). 2020年3月10日閲覧。
  6. ^ a b c Латвийский город Даугавпилс начал испытывать трамвай российского производства”. Пассажирский транспорт (2019年7月29日). 2020年3月10日閲覧。
  7. ^ a b c Новый трамвайный вагон 71-623-04 в Краснодаре”. Общественный транспорт Кубани и Адыгеи. 2020年3月10日閲覧。
  8. ^ a b c Подвижной состав”. ГЭТ Электротранспорт Санкт-Петербурга. 2020年3月10日閲覧。
  9. ^ Карданный Вал (2011年5月19日). “Новый сочлененный вагон из Усть-катава”. Метроблог. 2020年3月10日閲覧。
  10. ^ a b c d e f g Vít Hinčica (2019年6月11日). “KRASNODAR NAKUPUJE TŘÍČLÁNKOVÉ TRAMVAJE”. Československý Dopravák. 2020年3月10日閲覧。
  11. ^ «Горэлектротранс» обкатал новый 30-метровый трамвай”. Фонтанка.Ру (2019年9月28日). 2020年3月10日閲覧。
  12. ^ В Санкт-Петербург начата поставка трамваев для «футбольного» спецмаршрута”. Mos.ru (2017年3月15日). 2020年3月10日閲覧。
  13. ^ Павел Яблоков (2019年12月26日). “Краснодар успешно завершает первый год обновления трамвайного парка”. TR.ru. 2020年3月10日閲覧。

外部リンク

[編集]

(ロシア語)ウスチ=カタフスキー車両製造工場の公式ページ”. 2020年3月10日閲覧。