FOR NEVER
『FOR NEVER』 | |||||
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ザ・スターリン の ライブ・アルバム | |||||
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レーベル | ジャパンレコーズ | ||||
プロデュース |
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ザ・スターリン アルバム 年表 | |||||
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EAN一覧
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遠藤ミチロウ関連のアルバム 年表 | |||||
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『FOR NEVER』(フォー・ネヴァー)は、日本のロックバンドであるザ・スターリンの1枚目のライブ・アルバム。
1985年5月25日に徳間音工よりリリースされた。1985年2月21日に調布市にある大映スタジオで行われたザ・スターリンの解散ライブの模様を収録したアルバム。
1985年1月15日に解散宣言をしたザ・スターリンによる解散記念ライブであり、2時間を超えるザ・スターリン史上最長のライブとなったが、このライブを最後にザ・スターリンは5年間の活動に終止符を打った。本作はオリコンアルバムチャートにおいて本作は最高位67位となった[2]。
同年に映像作家、石井聰互の監督によって同ライブを記録したライブビデオ『絶賛解散中!!』がリリースされた他、後年には同ライブ音源を完全収録したライブ・アルバム『I was THE STALIN〜絶賛解散中〜完全版』(2012年)がリリースされた。
背景
[編集]アルバム『Fish Inn』(1984年)リリース後、ザ・スターリンは11月20日京都大学西部講堂から12月29日から12月31日までの新宿ロフトでの3日間連続公演まで20都市全22公演におよぶツアーを実施した[3]。しかし、ツアー最終日に遠藤ミチロウはライブMCにて「スターリンはこれで終わりだ!」と発言し、翌1985年1月15日に正式にザ・スターリンは解散宣言を行った[4]。
同月、遠藤はレコード会社を東芝EMIに移籍し、1月末にはソロ作品のレコーディングを開始[5]。2月1日には先行シングルとなる「仰げば尊し」をリリース。このシングルバージョンはカセットブック『ベトナム伝説』(1984年)およびB.Q.レコードよりリリースされたシングル盤とは異なり、佐久間正英編曲による軽快なアレンジが施されている[5]。3月30日には遠藤の2作目となるソロアルバム『THE END』がリリースされた[3]。
2月21日にはザ・スターリンの解散記念ライブ「I was THE STALIN〜絶賛解散中〜」が開催され、2時間を超える演奏の後にザ・スターリンは解散した。
録音
[編集]1985年2月21日に調布市にある大映スタジオで行われた解散ライブの模様をレコーディングしている。
会場が大映スタジオとなった理由としては、過激なライブによってライブ会場の確保が困難になっていた事が背景にあり、後楽園ホールでのライブも検討されたが規制が厳しいとの理由から、映画撮影用のスタジオであれば地面が土のために何をやっても問題ないとの判断によって選ばれた[6]。また、ラストライブという事もありビデオ撮影が予定されていた事も一因となり、当日は映画と同様に16mmフィルムにて撮影が行われた[6]。
当日は会場の壁面にヨシフ・スターリンの肖像画が掲げられ、演奏は二部構成で行われた[4]。『Fish Inn』リリース後のライブでは第一部にパンク編、第二部にサイケ編という二部構成で行われる事が常であったが、この日は第一部にサイケ編、第二部にパンク編となる異例の構成となった[4]。曲目は第一部では8曲、第二部では21曲と合計29曲が演奏され、2時間を超えるザ・スターリンとしては史上最長のライブとなった[4]。
また当日はビデオ撮影を意識したと思われる、会場の天井から生きた鶏や古新聞・古雑誌などのゴミを客席に撒き散らすという演出が行われた[4]。
構成
[編集]当日演奏された曲目の内、第一部で演奏された「M-16(マイナー・シックスティーン)」、「アクマデ憐レム歌」、第二部で演奏された「渚の天婦羅ロック」、「ハロー・アイ・ラヴ・ユー」、「ワイルドで行こう (Born to be wild)」、「電動コケシ」、「豚に真珠」、「GASS」、「仰げば尊し」、「解剖室」、「Fish Inn」は未収録となった。また、曲順は当日の演奏順とは大きく異なっている。
収録曲の内、「猟奇ハンター」は猟奇という言葉が佐川一政の事件を思い起こさせるとの理由でアルバム収録時に「ロック・ハンター」と改題させられ、さらに一部の歌詞に修正が加えられた[4]。また「バキューム」に関しては一部歌唱部分にスクランブル処理が施された[4]。また、本作収録曲の「お母さんいい加減〜先天性労働者」は、遠藤のソロ曲「お母さん、いい加減あなたの顔は忘れてしまいました」の演奏に「先天性労働者」の歌詞を載せた曲で、後に「OH!マルクス」というタイトルで遠藤のソロアルバム『TERMINAL』(1987年)に収録された。
リリース、チャート成績
[編集]1985年5月25日に徳間音工よりLP版、カセット版がリリースされた。その後、1985年6月5日に1枚組でCD版がリリースされた。その際、収録時間の関係からか「ワルシャワの幻想」がカットされている。LP盤はオリコンアルバムチャートにて最高位第67位、登場週数4回で売り上げ枚数は0.5万枚となった[7]。
1990年7月25日には「ワルシャワの幻想」を収録した2枚組CDの完全版がリリースされた。2001年12月21日にはデジタルリマスタリングされ、ボーナストラックとして4曲追加収録され再リリースされた。この再リリースの際に「ロック・ハンター」は「猟奇ハンター」に戻された他、「バキューム」におけるスクランブル処理が解除された[4]。また、遠藤の意向によりCD2の「アーチスト/マリアンス」と「NO FUN」の曲順を入れ替えている[4]。リマスター盤では完全収録を目指していたが、オリジナル・マスターが発見されなかったこともあり断念された[4]。さらに、ライナーノーツとしてイノマーとモーリー・ロバートソンが寄稿している[4]。
その後、2011年末にオリジナル・マスターが全曲発見され、遠藤のメジャーデビュー30周年記念盤として、『I was THE STALIN〜絶賛解散中〜完全版』というタイトルで2012年3月14日にリリースされた[8][9]。
2015年6月17日にはオリジナル盤を再現したSHM-CD盤として再リリースされ、2016年8月24日にはオリジナル盤を再現したアナログ盤として再リリースされた[10][11]。
収録曲
[編集]オリジナル盤
[編集]全編曲: THE STALIN。 | ||||
# | タイトル | 作詞 | 作曲 | 時間 |
---|---|---|---|---|
1. | 「虫」 | 遠藤みちろう | タム | |
2. | 「ロマンチスト」 | 遠藤みちろう | 遠藤みちろう | |
3. | 「アザラシ」 | 遠藤みちろう | タム | |
4. | 「天プラ」 | 遠藤みちろう | 遠藤みちろう | |
5. | 「バキューム」 | 遠藤みちろう | 遠藤みちろう | |
合計時間: |
# | タイトル | 作詞 | 作曲 | 時間 |
---|---|---|---|---|
6. | 「お母さんいい加減〜先天性労働者」 | 遠藤みちろう | 遠藤みちろう | |
7. | 「T-Legs」 | 遠藤みちろう | 乾純 | |
8. | 「廃魚」 | 遠藤みちろう | 遠藤みちろう | |
9. | 「おまえの犬になる」 | 遠藤みちろう | 遠藤みちろう | |
合計時間: |
全編曲: THE STALIN(注記を除く)。 | ||||
# | タイトル | 作詞 | 作曲 | 時間 |
---|---|---|---|---|
1. | 「ロック・ハンター」 | 遠藤みちろう | 遠藤みちろう | |
2. | 「下水道のペテン師」 | 遠藤みちろう | タム | |
3. | 「STOP GIRL」 | 遠藤みちろう | 遠藤みちろう | |
4. | 「爆裂(バースト)ヘッド」 | 遠藤みちろう | 遠藤みちろう | |
5. | 「NO FUN」 | ジェームズ・ニューエル・オスターバーグ・ジュニア、スコット・アシュトン、デイヴ・アレクサンダー、ロン・アシュトン、遠藤みちろう | ジェームズ・ニューエル・オスターバーグ・ジュニア、スコット・アシュトン、デイヴ・アレクサンダー、ロン・アシュトン | |
6. | 「アーチスト/マリアンヌ」 | 遠藤みちろう、早川義夫 | 遠藤みちろう | |
合計時間: |
# | タイトル | 作詞 | 作曲 | 時間 |
---|---|---|---|---|
7. | 「溺愛」 | 遠藤みちろう | タム | |
8. | 「ワルシャワの幻想」 | 遠藤みちろう | 遠藤みちろう | |
9. | 「バイ・バイ・ニーチェ」 | 遠藤みちろう | 遠藤みちろう | |
合計時間: |
リマスター盤(2001年)
[編集]- CD付属の歌詞カードに記載されたクレジットを参照[12]。
全編曲: THE STALIN(注記を除く)。 | ||||
# | タイトル | 作詞 | 作曲 | 時間 |
---|---|---|---|---|
1. | 「虫」 | 遠藤みちろう | タム | |
2. | 「ロマンチスト」 | 遠藤みちろう | 遠藤みちろう | |
3. | 「アザラシ」 | 遠藤みちろう | タム | |
4. | 「天プラ」 | 遠藤みちろう | 遠藤みちろう | |
5. | 「バキューム」 | 遠藤みちろう | 遠藤みちろう | |
6. | 「お母さんいい加減〜先天性労働者」 | 遠藤みちろう | 遠藤みちろう | |
7. | 「T-Legs」 | 遠藤みちろう | 乾純 | |
8. | 「廃魚」 | 遠藤みちろう | 遠藤みちろう | |
9. | 「おまえの犬になる」 | 遠藤みちろう | 遠藤みちろう | |
10. | 「M-16(マイナー・シックスティーン)」 | 遠藤みちろう | 遠藤みちろう | |
合計時間: |
全編曲: THE STALIN(注記を除く)。 | ||||
# | タイトル | 作詞 | 作曲 | 時間 |
---|---|---|---|---|
1. | 「猟奇ハンター」 | 遠藤みちろう | 遠藤みちろう | |
2. | 「下水道のペテン師」 | 遠藤みちろう | タム | |
3. | 「STOP GIRL」 | 遠藤みちろう | 遠藤みちろう | |
4. | 「爆裂(バースト)ヘッド」 | 遠藤みちろう | 遠藤みちろう | |
5. | 「アーチスト/マリアンヌ」 | 遠藤みちろう、早川義夫 | 遠藤みちろう | |
6. | 「NO FUN」 | ジェームズ・ニューエル・オスターバーグ・ジュニア、スコット・アシュトン、デイヴ・アレクサンダー、ロン・アシュトン、遠藤みちろう | ジェームズ・ニューエル・オスターバーグ・ジュニア、スコット・アシュトン、デイヴ・アレクサンダー、ロン・アシュトン | |
7. | 「溺愛」 | 遠藤みちろう | タム | |
8. | 「解剖室」 | 遠藤みちろう | 遠藤みちろう | |
9. | 「GASS」 | 遠藤みちろう | 遠藤みちろう | |
10. | 「仰げば尊し」(編曲:遠藤みちろう) | 文部省唱歌 | 文部省唱歌 | |
11. | 「ワルシャワの幻想」 | 遠藤みちろう | 遠藤みちろう | |
12. | 「バイ・バイ・ニーチェ」 | 遠藤みちろう | 遠藤みちろう | |
合計時間: |
スタッフ・クレジット
[編集]- CD付属の歌詞カードに記載されたクレジットを参照[12]。
THE STALIN
[編集]ゲストミュージシャン
[編集]- ヒゴ・ヒロシ - ベース
スタッフ
[編集]- オリジナル盤
- 平田久男 - A&R
- 芝省三 - A&R
- 原正一 - レコーディング・エンジニア
- 池田聡 - アシスタント・エンジニア
- 三宅克徳 (Pineapple's St.) - アルバム・デザイン
- 石垣章 - 写真撮影(フロント&バックカバー写真)
- 吉江真人 - 写真撮影
- 有賀幹夫 - 写真撮影
- 安江水伊那 - 写真撮影
- ザ・スターリン - プロデュース
- 加藤正文 - プロデュース
- 2001年盤
- 遠藤ミチロウ - プロデュース
- いぬん堂 - プロデュース
- 橋本陽英(東京CDセンター) - リマスタリング
- 松本成夫 (matsumoto graphic farm) - リデザイン
リリース日一覧
[編集]No. | リリース日 | レーベル | 規格 | カタログ番号 | 最高順位 | 備考 | 出典 |
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1 | 1985年5月25日 | 徳間ジャパン/ジャパンレコーズ | 2枚組LP | 19JAL-3007〜8 | 67位 | [13] | |
2 | CT | 38J-2007 | - | ||||
2 | 1985年6月5日 | CD | 32JC-112 | - | 「ワルシャワの幻想」が未収録 | ||
3 | 1990年7月25日 | 徳間ジャパン/WAX RECORDS | 2枚組CD | TKCA-30113〜4 | - | 「ワルシャワの幻想」収録 | [14] |
4 | 2001年12月21日 | いぬん堂 | WC-020〜021 | - | デジタルリマスタリング盤、ボーナストラック4曲追加収録、モーリー・ロバートソン、イノマーによるライナーノーツ付 | [15][16] | |
5 | 2015年6月17日 | 徳間ジャパン/WAX RECORDS | 2枚組SHM-CD | TKCA-10117 | - | オリジナル盤を再現、紙ジャケット仕様 | [17][18] |
6 | 徳間ジャパン | AAC-LC | - | - | デジタル・ダウンロード、収録曲はオリジナル盤と同様 | [19] | |
7 | ハイレゾFLAC | - | - | デジタル・ダウンロード、収録曲はオリジナル盤と同様 | [20] | ||
8 | 2016年8月24日 | 徳間ジャパン/WAX RECORDS | 2枚組LP | TKJA-10085 | - | オリジナル盤を再現、180グラム重量盤 | [21] |
脚注
[編集]- ^ a b “スターリン/フォー・ネヴァー (徳間ジャパンコミュニケーションズ): 1990”. 国立国会図書館サーチ. 国立国会図書館. 2023年7月17日閲覧。
- ^ a b オリコンチャートブックLP編 1990, p. 181.
- ^ a b FOR NEVER ライナーノーツ 2001, p. 4- いぬん堂「ザ・スターリン年表」より
- ^ a b c d e f g h i j k FOR NEVER ライナーノーツ 2001, p. 2- いぬん堂「死臭-ポエム 編集後記」より
- ^ a b THE END 2003, p. 4- いぬん堂「みんなデタラメだっ!」より
- ^ a b 吉田豪 (2012年3月16日). “ザ・スターリン (6/9)”. 音楽ナタリー. ザ・スターリン伝説30年後の真実に吉田豪が迫る. ナターシャ. p. 6. 2019年6月30日閲覧。
- ^ オリコンチャートブックLP編 1990, p. 80.
- ^ “未発表音源7曲!スターリン幻のマスターテープ28年ぶり発掘”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2012年2月10日). 2019年6月30日閲覧。
- ^ “THE STALIN、解散ライブ幻のマスターテープを28年ぶりに発見 完全盤としてリリース”. OKMusic. ジャパンミュージックネットワーク (2012年2月10日). 2019年6月30日閲覧。
- ^ “WAXの旧譜22タイトルを復刻、カーネーションやFRICTIONは初アナログ化”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2016年6月2日). 2019年6月30日閲覧。
- ^ “パンク・オルタナ専門レーベル WAXがTHE STALIN、INUら全22タイトルの復刻盤リリース”. BARKS. ジャパンミュージックネットワーク (2016年6月2日). 2019年6月30日閲覧。
- ^ a b FOR NEVER 歌詞カード 2001.
- ^ 遠藤ミチロウ 2004, p. 176- 「第三期【1983年7月 - 1985年1月】掲載誌のキャッチ ★27・ロングインタヴュー 遠藤みちろう」より
- ^ “ザ・スターリン / フォー・ネヴァー [2CD] [再発][廃盤]”. CDジャーナル. 音楽出版社. 2023年7月17日閲覧。
- ^ “ザ・スターリン / フォー・ネヴァー [2CD] [再発]”. CDジャーナル. 音楽出版社. 2023年7月17日閲覧。
- ^ “ザ・スターリン/FOR NEVER”. TOWER RECORDS ONLINE. タワーレコード. 2023年7月17日閲覧。
- ^ “THE STALIN / FOR NEVER [紙ジャケット仕様] [2CD] [SHM-CD] [限定]”. CDジャーナル. 音楽出版社. 2023年7月17日閲覧。
- ^ “ザ・スターリン/FOR NEVER<完全限定生産盤>”. TOWER RECORDS ONLINE. タワーレコード. 2023年7月17日閲覧。
- ^ “FOR NEVER/THE STALIN|音楽ダウンロード・音楽配信サイト”. mora. ソニー・ミュージックソリューションズ. 2023年7月17日閲覧。
- ^ “FOR NEVER/THE STALIN|音楽ダウンロード・音楽配信サイト”. mora. ソニー・ミュージックソリューションズ. 2023年7月17日閲覧。
- ^ “ザ・スターリン/FOR NEVER<完全限定生産盤/180g重量盤>”. TOWER RECORDS ONLINE. タワーレコード. 2023年7月17日閲覧。
参考文献
[編集]- 『オリコンチャートブックLP編 昭和45年-平成1年<20年>』オリコン、1990年5月10日、181頁。ISBN 9784871310253。
- いぬん堂『FOR NEVER』(CDライナーノーツ)ザ・スターリン、いぬん堂、2001年、2 - 4頁。WC-020〜021。
- 『FOR NEVER』(CD付属歌詞カード)ザ・スターリン、いぬん堂、2001年。WC-020〜021。
- いぬん堂『THE END』(CDライナーノーツ)遠藤ミチロウ、いぬん堂、2003年、4頁。WC-040。
- 遠藤ミチロウ『ザ・スターリン伝説』マガジン・ファイブ、2004年11月9日、176頁。ISBN 9784434047909。