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EBLM J0555-57

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
EBLM J0555-57
星座 がか座
見かけの等級 (mv) 9.934[1]
変光星型 食変光星[2]
分類 三重連星
位置
元期:J2000.0[1]
赤経 (RA, α)  05h 55m 32.6868s[1]
赤緯 (Dec, δ) −57° 17′ 26.064″[1]
赤方偏移 0.000078[1]
視線速度 (Rv) 23.419 km/s[1]
固有運動 (μ) 赤経: 3.858 ミリ秒/[1]
赤緯: -39.713 ミリ秒/年[1]
年周視差 (π) 5.16 ± 0.36ミリ秒[1]
(誤差7%)
距離 630 ± 40 光年[注 1]
(190 ± 10 パーセク[注 1]
他のカタログでの名称
CD-57 1311[1]
Gaia 4765618608388715776[1]
TYC 8528-926-1[1]
2MASS J05553262-5717261[1]
Template (ノート 解説) ■Project
EBLM J0555-57 Aa
見かけの等級 (mv) 9.98[2]
分類 恒星
物理的性質
半径 0.99+0.15
−0.03
R[2]
質量 1.13 ± 0.08 M[2]
平均密度 1.16+0.1
−0.42
ρ[2]
表面重力 4.18 ± 0.21 (log g)[2]
自転速度 7.60 ± 0.28 km/s[2]
表面温度 6,461 ± 124 K[2]
金属量[Fe/H] -0.24 ± 0.16[2]
Template (ノート 解説) ■Project
EBLM J0555-57 Ab
分類 恒星
天文学上の意義
意義 現時点で、最も小さな恒星
軌道要素と性質
軌道の種類 周回軌道
軌道長半径 (a) 0.0817 ± 0.0019 au[2]
近点距離 (q) 0.0744 au
遠点距離 (Q) 0.089 au
離心率 (e) 0.0894+0.0035
−0.0036
[2]
公転周期 (P) 7.757676+0.000029
−0.000025
[2]
軌道傾斜角 (i) 89.84+0.2
−1.8
°[2]
近点引数 (ω) -53.7+1.5
−1.8
°[2]
通過時刻 6712.6452+0.0015
−0.0014
[2]
物理的性質
半径 0.84+0.14
−0.04
RJ[2]
(0.084+0.014
−0.004
R
質量 85.2+4.0
−3.9
MJ[2]
(0.0813+0.0038
−0.0037
M
平均密度 188+25
−69
g/cm3[2]
表面重力 5.50+0.03
−0.13
(log g)[2]
Template (ノート 解説) ■Project
EBLM J0555-57 B
見かけの等級 (mv) 10.76[2]
分類 恒星
物理的性質
半径 0.94 ± 0.08 R[2]
表面温度 5,717 ± 124 K[2]
Template (ノート 解説) ■Project

EBLM J0555-57は、地球から見てがか座の方向に、約630光年離れた位置にある、3つの恒星から成る連星系である。この中で、主星EBLM J0555-57 Aを公転しているEBLM J0555-57 Abは、発見されている中で、最も小さな恒星として知られている[3]

特徴

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大きさの比較
木星 EBLM J0555-57 Ab
木星 Exoplanet

EBLM J0555-57は、元は2.5度離れた2つの恒星から成る連星だとされていた。スペクトル分類ははっきりしていないが、太陽に似通った組成を持つと思われる。金属量は太陽よりも少ない。EBLM J0555-57の他に「2MASS J05553262-5717261」や、ガイア計画の対象になっているため、「Gaia 4765618608388715776」とも呼ばれる[1]

2017年7月、主星EBLM J0555-57 Aの手前を、別の天体が通過する様子が太陽系外惑星探査プロジェクトスーパーWASPによって観測された[4]。その天体は、Aを公転しているため、主星をEBLM J0555-57 AaとしてEBLM J0555-57 Abと命名された。後の観測で、この天体が、木星の85倍の質量と、84%の半径しか持たない、極めて小型の恒星である事が判明した[2][3]。木星質量の85倍は、褐色矮星の質量の上限(木星質量の75倍)に近く、半径はメートル法に換算すると60,053kmになり、これは土星の60,268km[5]よりもわずかに小さい大きさである。このサイズは、現在観測されている恒星の中では最小である[3]。EBLM J0555-57 Aaからは約1,300万kmしか離れておらず、公転周期は約1週間しかない。軌道離心率0.09のほぼ真円の軌道で、EBLM J0555-57 Aaを公転している。

脚注

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注釈

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  1. ^ a b パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算、光年は1÷年周視差(秒)×3.2615638より計算

出典

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関連項目

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