BREST (原子炉)
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BREST(ロシア語: Быстрый Реактор Естественной безопасности со Свинцовым Теплоносителем、ラテン文字転写例:Bystryy Reaktor Yestestvennoy bezopasnosti so Svintsovym Teplonositelem、「鉛冷却受動安全高速炉」の意)はロシアで開発中の鉛冷却高速炉で、第4世代原子炉に求められる設計基準の達成を目指している。電気出力300MWe の BREST-300 と、同1200MWe の BREST-1200 の設計が進められている。BRESTは、受動安全と閉じた核燃料サイクルの実現を特徴としている[1]。
窒化ウラン-プルトニウム燃料を使用する高速増殖炉であり、長寿命放射性廃棄物を燃焼させることができる。冷却材として鉛が選ばれたのは、沸点が高く、耐放射線性があり、化学的な活性が低く、大気圧下で利用できるからである[2]。
BREST-300
[編集]2016年8月に、トムスク近郊のセヴェルスクにBREST-300-ODを建設することが承認された[3][4]。準備工事は2020年5月に開始され[5]、2021年2月には正式に建設許可が発行された[6]。
BREST-300-OD は、BREST-1200 の建設に先立つ実証炉の位置づけである。
技術仕様
[編集]- 熱出力:700 MW
- 電気出力:300MW
- 鉛冷却材温度:蒸気発生器入口で 505 °C (941 °F)、出口で340 °C (644 °F)
- ループ数:4
- 炉心高さ: 1,100ミリメートル (43 in)
- 燃料装荷量: 20.6ショートトン (18.7 t)
- 燃料交換周期:5年
関連項目
[編集]参考文献
[編集]- ^ Design completed for prototype fast reactor, World Nuclear News. 2 September 2014
- ^ Lead-Cooled Fast-Neutron Reactor (BREST), IAEA. 2015
- ^ Russia Accelerates Efforts to Build Advanced Nuclear Reactors, Powermag. 1 October 2016
- ^ Russia notes progress with fast reactor technology, World Nuclear News. 23 August 2016
- ^ Preparatory construction for Brest-300 reactor begins in Russia, Nuclear Engineering International. 22 May 2020
- ^ “Construction licence issued for Russia's BREST reactor”. 世界原子力協会 (2021年2月11日). 2021年2月14日閲覧。