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37セカンズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
37セカンズ
37 Seconds
監督 HIKARI
脚本 HIKARI
製作 山口晋
HIKARI
出演者 佳山明
神野三鈴
大東駿介
渡辺真起子
熊篠慶彦
萩原みのり
芋生悠
渋川清彦
宇野祥平
奥野瑛太
石橋静河
尾美としのり
板谷由夏
音楽 アスカ・マツミヤ
撮影 江崎朋生
スティーブン・ブラハット
編集 トーマス・A・クルーガー
制作会社 NHK(共同制作)
NHKエンタープライズ(共同制作)
製作会社 knockonwood Inc
配給 日本の旗ラビットハウス
公開 日本の旗2020年2月7日
上映時間 115分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
日本の旗 日本
言語 日本語
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37セカンズ』(サーティセブンセカンズ、英語: 37 Seconds)は、2020年2月7日に公開された日米合作映画。監督のHIKARIの長編デビュー作、主演は佳山明が務めた[1][2]

概要

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出生時に37秒間呼吸が止まったことで脳性麻痺となった女性が、母親の過剰な干渉に悩みながらも一人の人間として成長していく過程を描く。 第69回ベルリン国際映画祭パノラマ部門の観客賞及び国際アートシアター連盟賞受賞作[3]。『CANTERING』(英語: CANTERING)と題し「サンダンス・インスティテュート/NHK賞」の2016-2017NHK推薦作品に選出された脚本の[4]、NHKとの国際共同制作による映像化[5]

Netflixにて2020年4月17日から配信開始[6]、日本以外の国でもNetflixにより配信予定である。

また、劇場公開版と異なる視点からテレビドラマ版が制作され、「国際共同制作バリバラドラマ」としてNHK BSプレミアム2019年12月5日に放送された。

2021年、HIKARIが本作の監督を評価され第30回日本映画プロフェッショナル大賞新人監督賞[7]、第61回日本映画監督協会新人賞を受賞。

あらすじ

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ユマは生まれてくる時に、37秒間息ができなかったことで脳性まひになった。入浴など生活するには母親が必須であるが、母親の愛が23歳の彼女にはうっとおしく思えてきた。ユマは漫画家としてプロとして活動するが、現実は人気漫画家・SAYAKAのゴーストライターどまり。[8]

登場人物

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主要人物

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貴田夢馬(たかだ ゆま)
演 - 佳山明
生後すぐ37秒息が止まっていたため、脳性マヒになった24歳の漫画家卵。ただし名前は表に出しておらずSAYAKAのアシスタントとして事実上のゴーストライターを務めている。本来描きたい作品を発表したい思いから漫画雑誌編集部への持ち込みを続ける。
オーディション[9]にて選出された、先天性脳性麻痺を持つ23歳の女性の佳山が演じる[1]
貴田恭子
演 - 神野三鈴
ユマの母親。木彫り人形の作者。ユマの父親とは離婚し、ユマを一人で育ててる。
俊哉
演 - 大東駿介
ホームヘルパー。過去の出来事でトラウマを抱えている
演 - 渡辺真起子
風俗嬢。クマを常連客に持ち、ユマとホテルで出会う。
クマ
演 - 熊篠慶彦
陽気な車いすの男。ユマの人生観に影響を与える。
SAYAKA
演 - 萩原みのり
ユマの同級生。人気少女漫画『彼は猫アレルギー』の作者。容姿もかわいらしいことからYouTuberとしても活動している。しかし実際の作画はユマが行っている。ユマをアシスタントとしている。
由香
演 - 芋生悠
タイの学校で先生をしている、ユマの双子の姉
客引きの男(Pinp)
演 - 渋川清彦
池谷
演 - 宇野祥平
ヒデ
演 - 奥野瑛太
女性向け風俗に勤める男。
理学療法士
演 - 石橋静河
古谷
演 - 尾美としのり
海沿いで宿を営む男。ユマの実の父の弟にあたる。ユマの父親は5年前に亡くなっている。
藤本
演 - 板谷由夏
ポルノ漫画雑誌「Weekly BOOM」の編集者。セックス経験がないユマにリアルさが足りないとアドバイスを送る。その後成長したユマの作品を見て、才能を見抜き他の雑誌社へ推薦する。

その他の人物

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COOL GUY
演 - 鳥居功太郎
NEET
演 - 小平大智
コスプレイヤー
演 - モクタール・D
SAYAKAの母
演 - おぞねせいこ
ゲイバー・スタッフ
演 - 外能久、川田美輝、長通悠陽
ドラァグクイーンズ
演 - チッコーネ、シュガー・ルゥ、ブイヤベース 
ポルノスター、「Weekly BOOM」Holding Voice Over
演 - 川上奈々美
ポルノアクターズ
演 - 寺田浩子、斉藤広大、風月杏介

スタッフ

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  • 監督:HIKARI
  • 脚本:HIKARI
  • 企画:山口晋HIKARI
  • プロデューサー:山口晋、HIKARI
  • エグゼクティブプロデューサー:住友大祐、山形龍司、中瀬古優一
  • シニアプロデューサー:土屋勝裕
  • 共同プロデューサー:松平保久、淺見朋子
  • 協力プロデューサー:柳本千晶、岩堀恭⼀、岩堀昭
  • ラインプロデューサー:小泉朋
  • 撮影:江崎朋生、スティーブン・ブラハット
  • 照明:三善章誉
  • 録音:石貝洋
  • 美術:宇山隆之
  • ヘアメイク:百瀬広美
  • スタイリスト:望月恵
  • 編集:トーマス・A・クルーガー
  • 音楽:アスカ・マツミヤ
  • 挿入歌:CHAI「N.E.O.」
  • 助監督:二宮孝平
  • VFXスパーバイザー:小坂一順
  • キャスティング:おおずさわこ
  • スクリプター:樽角みほり
  • 制作担当:岡本健志
  • 劇中漫画作画:甘党一斗
  • 劇中漫画原作:SACHIKO
  • 配給:ラビットハウス
  • 共同制作:NHKNHKエンタープライズ
  • 企画・製作:knockonwood Inc.

映画祭出品

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受賞歴

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テレビドラマ

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国際共同制作バリバラドラマ
37セカンズ
ジャンル テレビドラマ
HIKARI
演出 HIKARI
出演者 佳山明
神野三鈴
大東駿介
渡辺真起子
板谷由夏
音楽 アスカ・マツミヤ
国・地域 日本の旗 日本
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 日本語
製作
制作統括 土屋勝裕
プロデューサー 山口晋
HIKARI
撮影監督 江崎朋生
スティーブン・ブラハット
編集 髙室麻子
制作 knockonwood Inc.(国際共同制作)
SYNEPIC Entertainment, Inc.(国際共同制作)
製作 NHK
放送
放送チャンネルNHK BSプレミアム
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間2019年12月5日
放送時間木曜 23:45 - 金曜 0:59
放送分74分
回数1
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劇場公開版と異なる視点により制作され、「国際共同制作バリバラドラマ」としてNHK BSプレミアム2019年12月5日の23時45分から12月6日の0時59分に放送された[16]。テレビドラマ用の再編集にあたり、映画版とは異なるストーリーが織り込まれ、全く異なったエンディングが採用されている[16]

NHK Eテレにて2020年1月4日の15時から16時29分に、またNHK BSプレミアムにて同年2月1日の0時26分から1時55分、NHK BS4Kにて同日19時30分から20時59分に再放送された[17]

あらすじ(テレビドラマ)

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キャスト

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スタッフ(テレビドラマ)

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  • 作・演出 - HIKARI
  • 音楽 - アスカ・マツミヤ
  • 制作統括 - 土屋勝裕
  • プロデューサー - 山口晋HIKARI
  • 国際共同制作 - knockonwood Inc.、SYNEPIC Entertainment, Inc.
  • 制作・著作 - NHK

関連番組

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  • BS1スペシャル『もう一つの「37セカンズ」〜車椅子女子の挑戦〜』(2020年2月2日 22:00 - 22:49、NHK BS1[18][19]

漫画

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37セカンズ
ジャンル 青年漫画
漫画
原作・原案など HIKARI
作画 栗原陽平
出版社 新潮社
掲載サイト くらげバンチ
レーベル バンチコミックス
発表期間 2022年4月22日 - 2024年9月13日
巻数 全3巻
話数 全20話
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画
ポータル 漫画

ウェブコミック配信サイト「くらげバンチ」(新潮社)にて2022年4月22日から2024年9月13日まで連載された[20]。作画は栗原陽平であり[20]、栗原にとっては単行本化された初めての作品でもある[21]。連載中より、その独創性や作風で話題を集めた[22]。単行本第1巻発売に際しては、『海が走るエンドロール』で知られる漫画家のたらちねジョンが、その純粋さ、苦しさ、胸に響くさまを評価し、「嫌いな自分と好きな自分、『私』を構成する臭くて美しくて形のないものたちの感触を知る体験ができる漫画」と、コメントを寄せた[22]

書誌情報

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  • HIKARI・栗原陽平 『37セカンズ』 新潮社バンチコミックス〉、全3巻
    1. 2022年12月15日発行(2022年12月8日発売[23]ISBN 978-4-10-772547-9
    2. 2023年11月9日発売[24]ISBN 978-4-10-772661-2
    3. 2024年10月8日発売[25]ISBN 978-4-10-772756-5

脚注

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出典

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  1. ^ a b “オーディション勝ち抜いた脳性まひの女性が主演、「37 Seconds」制作開始”. 映画ナタリー (ナターシャ). (2018年8月10日). https://natalie.mu/eiga/news/294693 2020年7月22日閲覧。 
  2. ^ 脳性まひの女性描く「37セカンズ」公開日決定、過保護な母のもとを飛び出す予告公開”. 映画ナタリー (2019年12月9日). 2020年2月7日閲覧。
  3. ^ ベルリン国際映画祭の金熊賞は「Synonyms」、日本映画がパノラマ部門最高賞に”. 映画ナタリー (2019年2月17日). 2020年2月8日閲覧。
  4. ^ NHKによるサンダンス支援3作品が決定!”. サンダンス・インスティテュート/NHK賞. 日本放送協会 (2016年6月24日). 2020年7月22日閲覧。
  5. ^ a b 「37 Seconds」ベルリン国際映画祭パノラマ部門に正式招待決定!”. サンダンス・インスティテュート/NHK賞. 日本放送協会 (2018年12月25日). 2020年7月22日閲覧。
  6. ^ Netflix Japanの2020年4月17日のツイート2020年7月22日閲覧。
  7. ^ Inc, Natasha (2021年6月17日). “日プロ大賞で「本気のしるし」が作品賞に、女優・男優賞は小松菜奈と草なぎ剛”. 映画ナタリー. 2021年6月17日閲覧。
  8. ^ (評・映画)「37セカンズ」 弱者という生き方はしない:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル. 2020年2月15日閲覧。
  9. ^ 日米合作長編映画 NHK・サンダンス国際映画祭・FiLM iNDEPENDENT 協賛プロジェクト 「CANTERING」 Written & Directed by HIKARI ヒロイン役・キャスト一般募集中”. HIKARI FILMS. 2020年7月22日閲覧。
  10. ^ 新藤兼人賞日本映画製作者協会、2020年11月24日閲覧。
  11. ^ 2020年日本映画ベストテン、ヨコハマ映画祭実行委員会、2020年12月12日閲覧。
  12. ^ 『鬼滅の刃』石原裕次郎賞受賞 『罪の声』が「日刊スポーツ映画大賞」作品賞に」『ORICON NEWS』オリコン、2020年12月28日。2021年1月12日閲覧。
  13. ^ 長澤まさみ主演『MOTHER マザー』 毎日映画コンクール日本映画大賞”. ORICON NEWS. オリコン (2021年1月22日). 2021年2月2日閲覧。
  14. ^ キネマ旬報 ベスト・テン、KINENOTE、2021年2月25日閲覧。
  15. ^ 日本映画監督協会Facebook、2021年1月25日閲覧。
  16. ^ a b 国際共同制作バリバラドラマ『37セカンズ』12月5日放送決定!”. NHKドラマ. ドラマトピックス. 日本放送協会 (2019年11月29日). 2020年7月22日閲覧。
  17. ^ 再放送情報『37セカンズ』”. NHKドラマ. ドラマトピックス. 日本放送協会 (2019年12月25日). 2020年7月22日閲覧。
  18. ^ BS1スペシャル『もう一つの「37セカンズ」〜車椅子女子の挑戦〜』2月2日放送!”. NHKドラマ. ドラマトピックス. 日本放送協会 (2020年1月29日). 2020年7月22日閲覧。
  19. ^ “ウラカタ:「車椅子女子」のキラキラ実感 NHKBS1「もう一つの『37セカンズ』」制作統括 土屋勝裕さん”. 毎日新聞. (2020年1月29日). https://mainichi.jp/articles/20200129/dde/018/200/018000c 2020年7月22日閲覧。 
  20. ^ a b 新連載『37セカンズ』4月22日(金)スタート!!”. くらげバンチ編集部ブログ. 新潮社 (2022年4月15日). 2024年7月15日閲覧。
  21. ^ 小野寺晋平「筑西の漫画家、栗原さん「心に刺さる作品残す」脳性まひ 女性の成長描く」『茨城新聞』茨城新聞社、2023年1月18日、朝刊、21面。
  22. ^ a b 国内外の映画祭で受賞多数!! 脳性まひと生きる女性を描いた『37 セカンズ』の漫画版に注目”. リアルサウンド. blueprint (2022年12月8日). 2023年9月23日閲覧。
  23. ^ 【12月8日付】本日発売の単行本リスト”. コミックナタリー. ナターシャ (2022年12月8日). 2023年9月23日閲覧。
  24. ^ 【11月9日付】本日発売の単行本リスト”. コミックナタリー. ナターシャ (2023年11月9日). 2023年11月11日閲覧。
  25. ^ 【10月8日付】本日発売の単行本リスト”. コミックナタリー. ナターシャ (2024年10月8日). 2024年10月9日閲覧。

外部リンク

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