2025年度政府予算
| 会期 | 第217回国会 |
|---|---|
| 政府 | 第2次石破内閣 |
2025年度政府予算（2025ねんどせいふよさん）は、第217回国会（2025年1月24日 - ）で審議されている日本の政府予算。
第2次石破内閣（自民・公明連立）が提出し、自民党、公明党と日本維新の会の3党による合意を経て修正され、3月4日に衆議院を通過した[1][2]。本予算案が修正されるのは1996年の橋本龍太郎内閣以来で[2][3]、減額されるのは1955年の鳩山一郎内閣以来となった[4]。なお、2024年に行われた前国会で政府の提出した2024年度補正予算案も修正[5]のうえ、12月に成立している。
衆議院予算委員会の審議では、閣僚や官僚への質問を行う形式による従来の分科会に加えて、予算案の内容を項目別に審査する「省庁別審査」が新たに設けられた[6][7][8]。省庁別審査は3日間行われたが[9]、他国と比べると不十分だという指摘もある[6]。省庁別審査の導入により、分科会の日程は2日から1日となっている[6]。
内容
[編集]少数与党下での予算であり、衆議院を通過した修正案には日本維新の会が主張する高校教育無償化に加え、国民民主党が主張した「所得控除103万円の壁」の引き上げや、立憲民主党の予算修正案の一部が反映されている[4]。
また、参議院の審議中に政府が高額療養費制度の見直しを見送る方針を固め、政府・与党は予算案の取り扱いについて調整を進めている[10]。
経過
[編集]各党の対応
[編集]- 立憲民主党 - 予備費や基金を財源に、給食費の無償化やガソリン価格の引き下げを行うとした修正案を衆院予算委員会に提出したが、否決されている[1]。少数与党下の予算であるが、幹事長の小川淳也は、立憲民主党はシングルイシューによる条件闘争によってキャスティング・ボートを握る役割にも立場にもないという見解を示し、汎用性のある、横にウィングを広げた主張をしているとしている[12]。
- 日本共産党 - 衆院予算委員会で予算組み替え動議を提出したが否決され、立憲民主党の修正案に賛成している[1][14]。物価高騰の一方で、軍事予算が増加していることを批判しているほか、消費税は所得の低い人ほど負担が大きくなるとして消費税を5%へ引き下げ、大企業に対する法人税を引き上げること、1億円の壁を解消すること等を主張している[14]。委員長の田村智子は、軍事費の増加と大企業の優遇を改めることによって、消費減税等「暮らしの予算」を大幅に増やす積極財政は可能だとしている[15]。
内訳
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脚注
[編集]- ^ a b c d e 日本放送協会 (2025年3月4日). “新年度予算案と修正案 衆院予算委で賛成多数で可決 | NHK”. NHKニュース. 2025年3月5日閲覧。
- ^ a b c “修正された2025年度予算案が衆議院通過。高校授業料無償化予算を追加したのに「減額修正」した深いワケ（土居丈朗） - エキスパート”. Yahoo!ニュース. 2025年3月5日閲覧。
- ^ 日本放送協会 (2025年3月4日). “新年度予算案 衆院本会議で可決 国会での修正は29年ぶり | NHK”. NHKニュース. 2025年3月5日閲覧。
- ^ a b “【速報】来年度予算案の修正案が衆院通過 歳出総額115兆1978億円 70年ぶりの減額修正予算”. ライブドアニュース. 2025年3月5日閲覧。
- ^ 日本放送協会 (2024年12月12日). “補正予算案が衆院通過 自民 公明 維新 国民などの賛成多数 | NHK”. NHKニュース. 2025年3月7日閲覧。
- ^ a b c “【そもそも解説】予算案の「省庁別審査」、なぜ今？海外との違いは？：朝日新聞”. 朝日新聞 (2025年2月5日). 2025年3月6日閲覧。
- ^ 日本放送協会 (2025年2月5日). “新年度予算案 「省庁別審査」初日 野党“予算案の修正を” | NHK”. NHKニュース. 2025年3月6日閲覧。
- ^ 編集局, 時事通信 (2025年2月5日). “立民、過剰基金・医療費見直し追及 衆院予算委、初の省庁別審査：時事ドットコム”. 時事ドットコム. 2025年3月6日閲覧。
- ^ 政治部, 時事通信 (2025年2月8日). “省庁別審査、各党にじむ思惑 ３日間の日程終了―衆院予算委：時事ドットコム”. 時事ドットコム. 2025年3月6日閲覧。
- ^ 日本放送協会 (2025年3月7日). “高額療養費制度 負担上限額 ことし8月の引き上げ見送りへ 政府 | NHK”. NHKニュース. 2025年3月7日閲覧。
- ^ “2025年度予算案決定115兆円 社会保障費、最大の38兆円”. 日本経済新聞 (2024年12月27日). 2025年3月5日閲覧。
- ^ 立憲民主党 (2025年2月18日). “【幹事長会見】立憲の予算修正案、与党に真摯な対応を求める”. 立憲民主党. 2025年3月6日閲覧。
- ^ “国民民主、年収の壁で与党案拒否 予算案に反対示唆：東京新聞デジタル”. 東京新聞デジタル. 2025年3月7日閲覧。
- ^ a b “大軍拡予算案 自公維可決 衆院通過/暮らし冷遇 大企業優遇 田村貴昭氏が反対討論/日本共産党が組み替え動議”. www.jcp.or.jp. 2025年3月5日閲覧。
- ^ “主張/予算案衆院通過/暮らし優先へ 大本正してこそ”. www.jcp.or.jp. 2025年3月7日閲覧。
関連項目
[編集]- 第50回衆議院議員総選挙 - 本予算はこの選挙の結果を受けた少数与党下での予算である。衆議院では野党がキャスティング・ボートを握る。
- 第26回参議院議員通常選挙 - 本予算が審議されている国会より前の直近に行われた参議院選挙。