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2024年イラン大統領選挙

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2024年イラン大統領選挙
انتخابات ریاست جمهوری 2024 ایران
イラン
2021年 ←
2024年6月28日(第1回)
2024年7月5日(第2回)

→ 2028年

投票率 39.93%(第1回)
49.68%(第2回)
 
候補者 マスウード・ペゼシュキヤーン サイード・ジャリーリー
政党 無所属 無所属
同盟 改革派 保守派
得票数 10,415,991 9,473,298
得票率 44.36% 40.35%
得票数(第2回) 16,384,403 13,538,179
得票率(第2回) 54.76% 45.24%

 
候補者 モハンマド・バーゲル・ガーリーバーフ モスタファー・プールモハンマディー
政党 進歩と正義 闘うウラマー協会
同盟 保守派 保守派
得票数 3,383,340 206,397
得票率 14.41% 0.88%

選挙前大統領

モハンマド・モフベル(代行)
無所属

選出大統領

マスウード・ペゼシュキヤーン
無所属

2024年イラン大統領選挙(2024ねんイランだいとうりょうせんきょ、ペルシア語: انتخابات ریاست جمهوری 2024 ایران‎)は、2024年6月28日および7月5日イランで行われた大統領選挙(第14期)である。

概要[編集]

2024年5月19日、イラン大統領のエブラーヒーム・ライースィーはイランとアゼルバイジャンの国境を訪問、アゼルバイジャン大統領のイルハム・アリエフとともにギズ・ガラシ貯水池の水力発電施設の落成式を行った[1]。首都テヘランへの帰路で、ライースィーと関係者・乗員7人を乗せたヘリコプターは、東アーザルバーイジャーン州ヴァルザガーン郡ウージー村の近くで墜落した[2]。その日遅く、ヘリコプターの残骸が発見され[3][4]。搭乗していた全員が遺体で発見された。これにより、憲法第131条に基づき、モハンマド・モフベル第一副大統領が大統領代行となり、近日中に大統領選挙が行われることとなった。

選挙データ[編集]

大統領[編集]

投票日[編集]

  • 第1回投票:2024年6月28日
  • 第2回投票:2024年7月5日

選挙制度[編集]

第1回投票で過半数を獲得した候補が当選となるが、過半数を獲得した候補がいなかった場合には上位2名による決選投票が行われる。

投票方法[編集]

秘密投票、単記投票、自書式、1票制

選挙権[編集]

満18歳以上のイラン国民

被選挙権[編集]

満26歳以上満75歳以下のイラン国民

有権者数[編集]

61,452,321[5]

選挙活動[編集]

イランの大統領選挙は、立候補を届け出た者のうち監督者評議会の審査を通った者が立候補を認められる。立候補の届け出期間は5月30日から6月3日で、80人が立候補を届け出た[6]

監督者評議会の審査の結果が6月9日に発表され、以下の6名が立候補を認められた[7]。改革派で立候補を認められたのはマスウード・ペゼシュキヤーンのみであり、保守派ではアリー・ラーリージャーニー元国会議長やマフムード・アフマディーネジャード元大統領などが審査を通らなかった。

  • モスタファー・プールモハンマディー 元司法大臣。
  • サイード・ジャリーリー 元国家安全保障最高評議会書記。
  • モハンマド・バーゲル・ガーリーバーフ 国会議長、元テヘラン市長
  • アリーレザー・ザーカーニー テヘラン市長
  • アミールホセイン・ガーズィーザーデ・ハーシェミー 副大統領
  • マスウード・ペゼシュキヤーン 国会議員、元保健・医療教育大臣。

選挙運動期間において、アミールホセイン・ガーズィーザーデ・ハーシェミーが6月26日に、アリーレザー・ザーカーニーが6月27日に、選挙戦からの撤退を表明し[8][9]、選挙は4人によって争われる事になった。

候補者[編集]

所属党派
派閥
無所属
改革派
無所属
保守派
進歩と正義
保守派
闘うウラマー協会
保守派
候補者 マスウード・ペゼシュキヤーン サイード・ジャリーリー モハンマド・バーゲル・ガーリーバーフ モスタファー・プールモハンマディー
経歴 イラン・イスラーム議会議員
保険医療教育相
公益判別会議議員
元国家安全保障最高評議会書記
イラン・イスラーム議会議長
テヘラン市長
司法相
出身地 西アーザルバーイジャーン州
マハーバード
ラザヴィー・ホラーサーン州
マシュハド
ラザヴィー・ホラーサーン州
トルカベ
ゴム州ゴム

選挙結果[編集]

6月28日に第1回投票が行われ、投票率は39.93%と低調であった[10][11]

当選に必要となる過半数の票を獲得した候補がいなかったため、上位2名による決選投票が7月5日に行われる事となった。

7月5日の決選投票の結果は以下の通りで、マスウード・ペゼシュキヤーンが当選した[11][12]

候補者別得票数[編集]

e • d  イランの旗 2024年イラン大統領選挙 (第1回:2024年6月28日 第2回:2024年7月5日施行)
候補者 所属党派 政治集団 第1回 第2回
得票数 得票率 得票数 得票率
マスウード・ペゼシュキヤーン 無所属 改革派 10,415,991 44.36% 16,384,403 54.76%
サイード・ジャリーリー 無所属 保守派 9,473,298 40.35% 13,538,179 45.24%
モハンマド・バーゲル・ガーリーバーフ 進歩と正義 保守派 3,383,340 14.41%
モスタファー・プールモハンマディー 闘うウラマー協会 保守派 206,397 0.88%
総計 23,479,026 100.0% 29,922,582 100.0%
有効票数(有効率) 23,479,026 95.70% 29,922,582 98.01%
無効票数(無効率) 1,056,159 4.30% 607,575 1.99%
投票総数(投票率) 24,535,185 39.93% 30,530,157 49.68%
棄権者数(棄権率) 36,917,136 60.07% 30,922,164 50.32%
有権者数 61,452,321 100.0% 61,452,321 100.0%
ISNA, IranIntl, Tejarat News

脚注[編集]

注釈[編集]

出典[編集]

  1. ^ Hafezi, Parisa (2024年5月20日). “Helicopter carrying Iranian President Raisi crashes, search under way”. Reuters. 2024年5月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年5月20日閲覧。
  2. ^ “Thousands at Iran president's funeral procession”. BBC. (2024年5月21日). オリジナルの2024年5月21日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20240521160618/https://www.bbc.com/news/articles/cxwwydey489o 2024年5月21日閲覧。 
  3. ^ Xoing, Yong; Rabbane, Teele (2024年5月20日). “Live updates: Iran's President Raisi killed in helicopter crash” (英語). CNN. オリジナルの2024年6月26日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20240626083548/https://edition.cnn.com/middleeast/live-news/raisi-iran-president-helicopter-crash-05-20-24#h_29112c6cdfd1675320d49265c6be9671 2024年6月26日閲覧。 
  4. ^ Makoii, Akhtar; Abrahams, Jessica; Smith, Benedict; Zagon, Chanel (2024年5月19日). “Search for Iranian president Ebrahim Raisi's helicopter complicated by rain” (英語). The Telegraph. ISSN 0307-1235. オリジナルの2024年5月19日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20240519150754/https://www.telegraph.co.uk/world-news/2024/05/19/helicopter-carrying-iran-president-ebrahim-raisi-hard-land/ 2024年5月20日閲覧。 
  5. ^ “61,452,321 Iranians eligible to vote in Friday snap elections”. Mehr News Agency. (2024年6月27日). https://en.mehrnews.com/news/216967/61-452-321-Iranians-eligible-to-vote-in-Friday-snap-elections 2024年7月13日閲覧。 
  6. ^ “イラン大統領選、議員ら80人出馬希望 対米柔軟派を認めるかが焦点”. 朝日新聞. (2024年6月4日). https://www.asahi.com/articles/ASS637KC1S63UHBI004M.html 2024年7月13日閲覧。 
  7. ^ “イラン大統領選挙、立候補者全6人の顔ぶれ”. Pars Today. (2024年6月10日). https://parstoday.ir/ja/news/iran-i124492 2024年7月13日閲覧。 
  8. ^ “Ghazizadeh Hashemi drops out of presidential race”. Mehr News Agency. (2024年6月26日). https://en.mehrnews.com/news/216945/Ghazizadeh-Hashemi-drops-out-of-presidential-race 2024年7月13日閲覧。 
  9. ^ “Alireza Zakani pulls out of presidential race”. Mehr News Agency. (2024年6月27日). https://en.mehrnews.com/news/216951/Alireza-Zakani-pulls-out-from-presidential-race 2024年7月13日閲覧。 
  10. ^ “ペゼシュキヤーン候補とジャリーリー候補;イラン国民は大統領にどちらを選ぶのか?”. Pars Today. (2024年6月30日). https://parstoday.ir/ja/news/iran-i124716 2024年7月13日閲覧。 
  11. ^ a b “Masoud Pezeshkian Wins Iran’s 14th Presidential Election”. Tasnim News Agency. (2024年7月6日). https://tn.ai/3117306 2024年7月13日閲覧。 
  12. ^ イラン大統領選挙で改革派が勝利 次期大統領にペゼシュキアン氏”. FNN. 2024年7月7日閲覧。

外部リンク[編集]