2020年国民民主党代表選挙
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2020年国民民主党代表選挙(2020ねんこくみんみんしゅとうだいひょうせんきょ)は、2020年12月18日に行われた国民民主党の代表を選出するための選挙である。選挙の結果、玉木雄一郎が当選した[1]。
背景
[編集]2020年9月、国民民主党は立憲民主党との合流をめぐって分党し、合流新党に参加しない国会議員らは新党「国民民主党」を結成することとなった[2]。結党メンバーとなる国会議員らは全会一致で玉木の代表就任を決定し、党員・サポーターや地方議員を募集して年内に結党後初の代表選を実施することとされた[3][4]。9月15日の結党大会で正式に玉木が代表に選出され[5][6]、党規約で初代代表の任期を2020年末までとすることが規定された[7]。
10月20日の党代表記者会見で代表選を12月中に実施すること、第203回臨時国会閉会後に告示することが発表された[8][9][10]。代表選実施に向け、党地方組織の体制作りを加速し、11月10日を締切りとして党員・サポーターを募集することも発表された[11]。
11月4日の両院議員総会で代表選を12月8日告示、12月18日投開票の日程で実施することが決定された[12]。立候補に推薦人は不要で、自薦のみで出馬できることとされた[13][14][15][16][17]。11月10日締切りの党員・サポーター登録と代表選での投票については無料通信アプリ「LINE」から実施できる仕組みが導入された[18]。
12月2日の事前説明会には4陣営が出席し[19]、うち玉木と伊藤孝恵党役員室長が事前立候補登録を届け出て[20][21]、両者の出馬意向が報じられた[22][23]。12月3日の党代表記者会見で玉木が正式に出馬表明した[24]。
12月8日の代表選告示日午前[25]、伊藤と玉木が立候補を届け出て[26][27][28][29]、一騎打ちの構図が確定した[30][31][32]。同日午後の共同記者会見で、伊藤は子供・子育て政策を最重要政策に掲げ[33]、玉木は政策提案路線の継続による党勢拡大を訴えた[34][35][36][37][38]。新型コロナウイルス感染防止のため街頭演説は行われず、オンライン討論会が複数回行われた[39][40][41]。
手続
[編集]代表選挙に立候補することができる者は党所属国会議員に限られる。今回に限り立候補に推薦人は不要となる。任期満了[注 1]に伴う代表選挙であり、有権者は党所属国会議員・国政選挙の公認候補予定者・党籍を有する地方自治体議員・党員およびサポーターとなる。
- 国会議員16人、公認候補予定者14人は臨時党大会で直接投票を行い、前者の1票は2ポイント、後者の1票は1ポイントに換算する。
- 地方自治体議員153人、党員・サポーター2万4631人は全国単位で事前投票を行い、それぞれ計23ポイント[注 2]を割り当ててドント方式で比例配分する。
有効投票に基づくポイント総数の過半数を獲得した候補者を当選者と決定する。3人以上が立候補した場合で過半数のポイントを獲得した候補者がいないときは、上位2人に対する決選投票を行う。決選投票は国会議員と公認候補予定者が臨時党大会で直接投票して行い、前者の1票は2ポイント、後者の1票は1ポイントに換算して多数のポイントを獲得した候補者を当選者と決定する。選出された代表の任期は、2023年9月まで。
- 出典:
- 『国民民主党代表選公告』(プレスリリース)国民民主党、2020年11月25日 。
- 『代表選有権者数公告』(PDF)(プレスリリース)国民民主党、2020年12月2日 。
日程
[編集]- 11月4日 - 両院議員総会が代表選の日程を12月8日告示・12月18日投開票と決定
- 11月25日 - 代表選挙管理委員会が代表選挙の実施を公告[42]
- 12月4日 - 事前説明会を開催、4陣営が出席[43]
- 12月8日 - 告示、立候補受付[44]、共同記者会見[45]
- 12月9日 - オンライン討論会を開始、12月16日までInstagram、YouTube、ニコニコ生放送等のライブ動画配信サービスで順次開催
- 12月16日 - 地方自治体議員および党員・サポーター郵便投票締切
- 12月17日 - 地方自治体議員および党員・サポーター電子投票(LINE含む)締切、開票
- 12月18日 - 臨時党大会、国会議員・公認内定予定候補者直接投票、開票
候補者
[編集]立候補者
[編集]届出順[44]
伊藤孝恵 | 参議院議員(1期・愛知県選挙区) 党役員室長 |
政見 (PDF) | |
玉木雄一郎 | 衆議院議員(4期・香川2区) 党代表 元旧・国民民主党代表 元希望の党代表 |
政見 (PDF) |
立候補辞退者
[編集]- 足立信也 - 参議院議員(3期・大分県選挙区)、党参議院幹事長、元国民民主党政務調査会長、元厚生労働大臣政務官。10月28日の記者会見で3~4人の立候補が望ましいとの認識を示していたが[46]、11月4日の記者会見で内閣総理大臣指名選挙における衆議院の優越から党代表は衆議院議員であるべきとして不出馬を表明した[47]。
- 前原誠司 - 衆議院議員(9期・京都2区)、党代表代行、元民進党代表、元外務大臣。出馬が取り沙汰されていたが[48][49]、「党が発足してまだ3カ月足らず。現在の体制を変える必要はない」として不出馬を表明した[50]。
推薦人
[編集]今回に限り立候補に推薦人は不要とされたが、他党と比較すると、自由民主党総裁選挙と立憲民主党代表選挙では党所属国会議員20人、公明党代表選挙では党所属国会議員10人、社会民主党党首選挙では党員200人の推薦人が立候補に必要であり、推薦人を不要とする措置は異例である[51]。2015年自由民主党総裁選挙や2018年自由民主党総裁選挙で推薦人を確保できず出馬を断念した経緯のある野田聖子自由民主党幹事長代行はこの措置に賛同し、参議院当選1回で代表選に立候補した伊藤について「ちょっと嫉妬した」と心境を述べた[52]。
結果
[編集]12月18日の臨時党大会において、国会議員および公認内定予定候補者の直接投票が行われ、地方自治体議員および党員・サポーターの事前投票と合わせて集計された結果、伊藤が26ポイント、玉木が65ポイントを獲得し、有効投票に基づくポイント総数の過半数を獲得した玉木が新代表に選出された[53][54][55]。玉木と伊藤は国会議員票で同数だったが、地方議員票や党員・サポーター票で大差がついた[56][57][58][59]。
投票結果
[編集]候補者 | 得点数 | 国会議員票 | 公認予定者票 | 地方議員票 | 党員・サポーター票 |
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伊藤孝恵 | 26pt | 8票(16pt) | 1票(1pt) | 25票(4pt) | 2,260票(5pt) |
玉木雄一郎 | 65pt | 8票(16pt) | 12票(12pt) | 106票(19pt) | 7,463票(18pt) |
無効 | - | 0票 | 0票 | 0票 | 39票 |
合計 | 91pt | 16票(32pt) | 13票(13pt) | 131票(23pt) | 9,762票(23pt) |
- 国会議員の棄権は0票、公認予定者の棄権は1票[注 3]。
- 地方議員の投票率は85.62%、党員・サポーターの投票率は39.63%。
- 出典:
- 『【代表選】臨時党大会を開催 新代表決定』(プレスリリース)国民民主党、2020年12月18日 。
- 『2020年12月国民民主党代表選挙開票結果』(PDF)(プレスリリース)国民民主党、2020年12月18日 。
新執行部
[編集]12月23日の両院議員総会で新執行部人事が以下の通り承認された。代表選で敗北した伊藤は副代表に起用された[62][63][64][65]。
代表 | 玉木雄一郎 |
代表代行 | 前原誠司 大塚耕平 |
副代表 | 矢田稚子 伊藤孝恵 |
幹事長 | 榛葉賀津也 |
幹事長代理 | 岸本周平 |
国会対策委員長 | 古川元久 |
国会対策委員長代理 | 浅野哲 |
政務調査会長 | 舟山康江 |
政務調査会長代理 | 西岡秀子 |
選挙対策委員長 | 岸本周平 |
組織・団体委員長 | 岸本周平 |
役員室長兼総務局長 | 伊藤孝恵 |
広報局長兼シンクタンク戦略室長 | 山尾志桜里 |
財務局長 | 浜野喜史 |
倫理委員長 | 小林正夫 |
両院議員総会長 | 矢田稚子 |
青年局長 | 浅野哲 |
- 出典:『国民民主党新役員体制』(プレスリリース)国民民主党、2020年12月23日 。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ 『【代表選】臨時党大会を開催 新代表決定』(プレスリリース)国民民主党、2020年12月18日 。
- ^ “立民・国民の合流新党に不参加の玉木代表ら、15日に新「国民民主党」結党大会”. 読売新聞. (2020年9月2日)
- ^ “非合流組新党は「国民民主」 代表は玉木氏”. 時事通信. (2020年9月11日)
- ^ “新「国民民主党」は玉木代表が「続投」”. 産経新聞. (2020年9月11日)
- ^ “新国民民主も結党大会 玉木代表「憲法議論をけん引」”. 時事通信. (2020年9月15日)
- ^ “新「国民民主党」15人参加し設立大会 幹事長に榛葉氏、政調・舟山氏”. 産経新聞. (2020年9月15日)
- ^ “新「国民民主党」15人で始動 代表に玉木氏”. 日本経済新聞. (2020年9月15日)
- ^ “国民民主、12月に党代表選 党員・サポーターも参加”. 産経新聞. (2020年10月20日)
- ^ “国民民主、12月に代表選”. 日本経済新聞. (2020年10月20日)
- ^ “国民、12月中に代表選 立憲との関係、争点に”. 毎日新聞. (2020年10月20日)
- ^ “国民 玉木代表 12月にも代表選行う方針 党員なども参加へ”. NHK. (2020年10月20日)
- ^ “国民民主の党代表選 12月8日告示、18日投開票”. 産経新聞. (2020年12月4日)
- ^ “国民民主党 代表選 12月8日告示 18日投開票へ 党員なども参加”. NHK. (2020年11月4日)
- ^ “代表選、来月18日投開票 国民”. 時事通信. (2020年11月4日)
- ^ “国民代表選12月18日投開票 8日告示、自薦出馬認める”. 日本経済新聞. 共同通信. (2020年11月4日)
- ^ “国民代表選12月18日に”. 朝日新聞. (2020年11月5日)
- ^ “国民民主党の代表選 12月18日投開票”. 日本経済新聞. (2020年11月5日)
- ^ “国民、LINEで党代表選 若い世代の認知度向上目指す”. 共同通信. (2020年11月6日)
- ^ “国民民主代表選 玉木氏と伊藤参院議員が立候補へ”. 朝日新聞. (2020年12月2日)
- ^ “国民、代表選説明会で玉木氏と伊藤氏が事前立候補届 選挙戦に”. 毎日新聞. (2020年12月2日)
- ^ “国民民主代表選、伊藤氏出馬検討か 玉木氏と一騎打ちも”. 産経新聞. (2020年12月2日)
- ^ “国民民主 玉木氏 代表選挙 立候補の意向固める”. NHK. (2020年12月2日)
- ^ “伊藤孝恵氏、国民代表選出馬へ 玉木氏と一騎打ちか”. 共同通信. (2020年12月2日)
- ^ “国民民主党 玉木代表 代表選に立候補する意向表明”. NHK. (2020年12月3日)
- ^ “国民民主代表選、8日告示”. 日本経済新聞. (2020年12月8日)
- ^ “国民民主党代表選が告示 玉木、伊藤氏が立候補を届け出”. 産経新聞. (2020年12月8日)
- ^ “国民民主党の代表選告示、玉木代表と伊藤孝恵議員が届け出”. 読売新聞. (2020年12月8日)
- ^ “伊藤、玉木両氏が出馬 国民民主、初の代表選”. 時事通信. (2020年12月8日)
- ^ “国民民主党 代表選告示 伊藤参院議員と玉木代表の2人が立候補”. NHK. (2020年12月8日)
- ^ “国民民主代表選が告示 伊藤氏と玉木氏の一騎打ちに 18日投開票”. 毎日新聞. (2020年12月8日)
- ^ “国民民主党、代表選を告示 玉木、伊藤氏の一騎打ち”. 共同通信. (2020年12月8日)
- ^ “伊藤・玉木氏が一騎打ち 国民民主、代表選告示”. 日本経済新聞. (2020年12月8日)
- ^ “玉木氏「衆院選へ力結集」 伊藤氏、子育て政策を重視―国民代表選告示”. 時事通信. (2020年12月8日)
- ^ “国民民主党代表選 立候補2氏が党勢拡大の取り組みなど訴え”. NHK. (2020年12月8日)
- ^ “国民民主党の代表選、論戦開始 野党共闘、子育て政策争点”. 共同通信. (2020年12月8日)
- ^ “国民民主代表選 伊藤氏と玉木氏が立候補 18日投開票”. 毎日新聞. (2020年12月8日)
- ^ “国民民主の代表選、玉木代表と伊藤孝恵氏が立候補”. 朝日新聞. (2020年12月8日)
- ^ “国民民主代表選告示 伊藤氏は子供・子育て政策、玉木氏は党勢拡大を主張”. 産経新聞. (2020年12月8日)
- ^ “「提案型」野党を模索中 国民民主党代表選の2氏に聞く”. 朝日新聞. (2020年12月14日)
- ^ “国民民主、少子化対策で党勢回復に活路 代表選立候補2氏が論戦”. 毎日新聞. (2020年12月14日)
- ^ “国民民主、18日に新代表を選出 知名度生かし玉木氏がリード”. 共同通信. (2020年12月17日)
- ^ 『国民民主党代表選公告』(プレスリリース)国民民主党、2020年11月25日 。
- ^ 『【代表選】事前説明会を開催』(プレスリリース)国民民主党、2020年12月4日 。
- ^ a b 『代表選挙立候補届出結果に関する公告』(プレスリリース)国民民主党、2020年12月8日 。
- ^ 『【代表選】立候補者共同記者会見』(プレスリリース)国民民主党、2020年12月8日 。
- ^ “国民・足立氏、3~4人の立候補が望ましい 党代表選”. 産経新聞. (2020年10月28日)
- ^ “国民・足立参院幹事長、党代表選不出馬の意向 「代表は衆院議員であるべき」”. 産経新聞. (2020年11月4日)
- ^ “玉木氏が代表選に出馬へ 国民民主、8日告示”. 日本経済新聞. 共同通信. (2020年12月2日)
- ^ “国民・玉木氏、代表選出馬へ 選挙戦の見通し”. 時事通信. (2020年12月2日)
- ^ “国民・前原氏、代表選不出馬へ 「体制変える必要ない」”. 京都新聞. (2020年12月4日)
- ^ a b “国民民主代表選 異例の「推薦人不要」で候補乱立? 告示日に前原氏は…”. 毎日新聞. (2020年12月9日)
- ^ “国民代表選に「嫉妬した」 自民も推薦人不要に―野田聖子氏”. 時事通信. (2020年12月18日)
- ^ “玉木氏の国民民主党代表続投が決定”. 共同通信. (2020年12月18日)
- ^ “国民民主党代表選、玉木雄一郎氏の続投決まる”. 読売新聞. (2020年12月18日)
- ^ “玉木氏が国民民主党の代表続投 政策提案、路線の継続承認”. 共同通信. (2020年12月18日)
- ^ “国民代表、玉木氏が続投 衆院選へ党勢拡大課題 議員票は伊藤氏と同数”. 産経新聞. (2020年12月18日)
- ^ “国民民主党 代表選挙で玉木代表を選出 臨時党大会”. NHK. (2020年12月18日)
- ^ “国民民主党代表選で玉木氏続投 「政策提案型」強化、国会対応は独自路線”. 毎日新聞. (2020年12月18日)
- ^ “玉木氏、国民民主代表選で再選 「新しい答えをつくる」”. 朝日新聞. (2020年12月18日)
- ^ “国民民主、玉木代表が続投 党勢拡大に決意―臨時党大会”. 時事通信. (2020年12月18日)
- ^ “国民民主、玉木氏が続投 代表選 第三極、立ち位置難しく”. 日本経済新聞. (2020年12月19日)
- ^ “国民副代表に伊藤孝恵氏”. 時事通信. (2020年12月23日)
- ^ “国民民主、副代表に伊藤孝恵氏”. 日本経済新聞. 共同通信. (2020年12月23日)
- ^ “国民、副代表に伊藤孝恵氏 代表選で玉木氏に敗北”. 産経新聞. (2020年12月23日)
- ^ “国民民主、副代表に伊藤孝恵参院議員を起用 代表選で玉木氏と争う”. 毎日新聞. (2020年12月23日)