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2005年ポルトガル議会選挙

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
共和国議会議事堂(サン・ベント宮殿)。

2005年ポルトガル議会選挙(2005ねんぽるとがるぎかいせんきょ、ポルトガル語:Eleições legislativas portuguesas de 2005)は、ポルトガル共和国立法府である共和国議会(Assembleia da República)を構成する議員を選出するため、2005年2月20日に行われた選挙である。

概要

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ジョルジェ・サンパイオ大統領が前年の12月10日に共和国議会を解散したことによって行われた選挙で、カーネーション革命後に発足した第三共和政では11回目の選挙となる。

  • 議会定数:230議席
  • 議員任期:4年
  • 選挙制度[1]比例代表制(拘束名簿式)
    • 有権者は政党に投票
    • 選挙区毎にドント式で各政党に比例配分
    • 議席阻止条項は無し
  • 選挙区[2]:22選挙区(2~48名)
  • 有権者:選挙権と被選挙権は共に18歳以上のポルトガル国民

選挙結果

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党派別の得票と議席数
党派 得票数 得票率[3] 議席数
社会党(PS) 2,588,312 45.03 121
社会民主党(PPD/PSD) 1,653,425 28.77 75
統一民主同盟[4](CDU) 433,369 7.54 14
民主社会中道・人民党(CDS-PP) 416,415 7.24 12
左翼ブロック(B.E.) 364,971 6.35 8
その他の政党[5] 122,127 2.13 0
白票 103,537 1.80
無効票 65,515 1.14
合計 5,747,834 230
男性当選者(78.70%) (181)
女性当選者(21.30%) (49)

各政党の党派別議席数の半円グラフ。PSが全議席の半分以上を得たことが判る。

投票率:64.26%

選挙の結果、経済不振で支持率が急落したサンタナロペス首相の与党PSDが議席を大幅に減らし敗北した。これに代わって野党のPSが単独で過半数を確保する議席を得て勝利した。PSは選挙での勝利をうけ、3月12日にPSのソクラテス書記長を首相とする内閣を発足させた[6]。PSDとPS以外の政党では、CDS-PPが議席を減らしCDUが第3党になった他、前回3議席だった新左翼の政党連合であるB.E.が議席を3倍近くのばして躍進する結果となった。

地域別選挙結果
県名 定数 PS PSD PP CDU B.E.
アヴェイロ(Aveiro) 15 8 6 1
ベージャ(Beja) 3 2 1
ブラガ(Braga) 17 9 7 1 1
ブラガンサ(Bragança) 4 2 2
カステロ・ブランコ(Castelo Branco) 5 4 1
コインブラ (Coimbra) 10 6 4
エヴォラ (Évora) 3 2 1
ファーロ (Faro) 8 6 2
グワルダ (Guarda) 4 2 2
レイリア (Leiria) 9 4 5 1
リスボア (Lisboa) 48 23 12 4 5 4
ポルタレグレ (Portalegre) 2 2
ポルト (Porto) 38 20 12 2 2 2
サンタレン (Santarém) 10 6 3 1
セツーバル (Setúbal) 17 8 3 1 3 2
ヴィアナ・ド・カステロ (Viana do Castelo) 6 3 2 1
ヴィラ・レアル (Vila Real) 5 3 2
ヴィゼウ (Viseu) 9 4 4 1

図は各政党がどの地域で勝利をしたかを表す物である。左は第一党。右が第二党である。

脚注

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  1. ^ 国立国会図書館政治議会課憲法室 三輪和宏 「諸外国の下院の選挙制度-資料-」(PDF)国立国会図書館
  2. ^ CLAIR REPORT NUMBER 274(2005年10月14日)『ポルトガルの地方自治』(PDF自治体国際化協会。4~5頁
  3. ^ 各政党の得票率は有効得票と白票・無効票を合計したものを100として計算したものである。
  4. ^ ポルトガル共産党(PCP)と緑の党(PEV)による選挙連合。
  5. ^ 名簿を提出したが議席を得る事ができなかった政党や候補者連合は6つ
  6. ^ 世界年鑑 2006』共同通信社、561頁「ポルトガル共和国」の「政治」項目の解説より。

参考文献

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