2003年の文学
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2003年の文学(2003ねんのぶんがく)は、2003年(平成15年)の文学についてまとめた記事である。
→「2003年の出版」も参照
できごと
[編集]- 1月16日 - 第128回芥川龍之介賞・直木三十五賞(2002年下半期)の選考委員会開催。直木賞は「受賞作なし」。この結果に落胆した出版社の従業員、書店員らは翌年、「本屋大賞」を立ち上げることになる[1]。
- 4月10日 - 「新潮新書」が新潮社より創刊。同日、養老孟司の『バカの壁』が発売された。同書はトーハン発表の「2003年年間ベストセラー」総合1位と「2004年年間ベストセラー」総合3位を記録した[2][3]。
賞
[編集]芥川賞・直木賞
[編集]- 第128回(2002年下半期)
- 第129回(2003年上半期)
- 芥川賞 - 吉村萬壱『ハリガネムシ』
- 直木賞 - 石田衣良『4TEEN フォーティーン』、村山由佳『星々の舟』
その他の賞
[編集]- 谷崎潤一郎賞(第39回) - 多和田葉子 『容疑者の夜行列車』
- 泉鏡花文学賞(第31回) - 丸谷才一『輝く日の宮』、桐野夏生『グロテスク』
- 野間文芸新人賞(第25回) - 島本理生『リトル・バイ・リトル』、星野智幸『ファンタジスタ』
- 小林秀雄賞(第2回) - 岩井克人『会社はこれからどうなるのか』、吉本隆明『夏目漱石を読む』
2003年の本
[編集]小説
[編集]- 阿部和重 『シンセミア』(朝日新聞社)
- 伊坂幸太郎 『重力ピエロ』(毎日新聞社)、『アヒルと鴨のコインロッカー』(東京創元社)
- 歌野晶午 『葉桜の季節に君を想うということ』(文藝春秋)
- 小川洋子 『博士の愛した数式』(新潮社)
- 角田光代 『愛がなんだ』(メディアファクトリー)
- 鹿島田真希 『一人の哀しみは世界の終わりに匹敵する』(河出書房新社)
- 金原ひとみ 『蛇にピアス』(集英社)
- 小池真理子 『瑠璃の海』(集英社)
- 島本理生 『リトル・バイ・リトル』(講談社)
- 笙野頼子 『水晶内制度』(新潮社)
- 谷川流 『涼宮ハルヒの憂鬱』(角川書店)
- 谷川流 『涼宮ハルヒの溜息』(角川書店)
- 谷川流 『涼宮ハルヒの退屈』(角川書店)
- 中村文則 『銃』(新潮社)
- 村山由佳 『星々の舟』(文藝春秋)
- 森絵都 『永遠の出口』(集英社)
- 矢作俊彦 『ららら科學の子』(文藝春秋)
- 綿矢りさ 『蹴りたい背中』(河出書房新社)
- J・D・サリンジャー、村上春樹訳 『キャッチャー・イン・ザ・ライ』(白水社)
その他
[編集]- 内田樹 『映画の構造分析』(晶文社)
- 佐野洋子 『神も仏もありませぬ』(筑摩書房)
- 三島由紀夫(編者:山内由紀夫)『三島由紀夫 ロゴスと美神』(兵陽舎)
- 三島由紀夫 『師・清水文雄への手紙』(新潮社)
- 宮西達也 『おまえ うまそうだな』(ポプラ社)
- 村上春樹 『少年カフカ』(新潮社)
- 村上春樹・柴田元幸 『翻訳夜話2 サリンジャー戦記』(文春新書)
- 養老孟司 『バカの壁』(新潮新書)
- 令丈ヒロ子 『若おかみは小学生!』(講談社)
死去
[編集]1月 - 3月
[編集]- 1月3日 - モニック・ウィティッグ、フランスの作家。67歳没。
- 1月10日 - 泉三太郎、日本のロシア文学者。76歳没。
- 1月16日 - 榎本滋民、東京府出身の劇作家。72歳没[4]。
- 1月18日 - ギャビン・ライアル、イギリスの小説家。70歳没。
- 1月24日 - 上村勝彦、東京市出身の古代インド文学研究者。58歳没。
- 2月20日 - モーリス・ブランショ、フランスの哲学者。95歳没。
- 3月2日 - 生島治郎、日本の小説家。70歳没。
- 3月4日 - セバスチアン・ジャプリゾ、フランスの小説家・脚本家。71歳没。
- 3月7日 - 黒岩重吾、大阪市出身の小説家。79歳没。
4月 - 6月
[編集]7月 - 9月
[編集]- 7月26日 - ハロルド・C・ショーンバーグ、米国の音楽評論家・ジャーナリスト。87歳没。
- 9月21日 - 小此木啓吾、日本の医学者・精神科医。『モラトリアム人間の時代』などの著書がある。73歳没。
- 9月25日 - エドワード・サイード、パレスチナ系アメリカ人の文学研究者・批評家。67歳没。
10月 - 12月
[編集]- 10月3日 - ウィリアム・スタイグ、米国の漫画家・児童文学作家。95歳没。
- 10月13日 - 水芦光子、石川県出身の詩人・小説家。89歳没。
- 11月27日 - 都筑道夫、東京市出身の小説家。74歳没。
- 12月9日 - アレクサンドル・ゴルボフスキー、ソビエト連邦出身の作家。73歳没。
脚注
[編集]- ^ 杉江 由次さんインタビュー|ブックサービスの公式サイト
- ^ トーハン調べ 2003年 年間ベストセラー
- ^ トーハン調べ 2004年 年間ベストセラー
- ^ “劇作家の榎本滋民さん焼死”. 共同通信社. 47NEWS. (2003年1月17日) 2015年6月19日閲覧。
参考文献
[編集]- 『決定版 三島由紀夫全集42巻 年譜・書誌』新潮社、2005年8月。ISBN 978-4106425820。