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100のモノが語る世界の歴史

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

100のモノが語る世界の歴史(100のものがかたるせかいのれきし、英語: A History of the World in 100 Objects)は、BBCラジオ4大英博物館が共同企画し、大英博物館館長のニール・マグレガーが制作、出演した全100回のラジオ番組、およびそれが書籍化された図書と併催された展覧会の名称である。 平日に放送された15分間の番組内で、マクレガーは大英博物館に収蔵されている古代の遺物や産業機器、武器など、様々な所蔵美術品を用いて人類の歴史を辿った。番組は企画構想に4年をかけ、2010年1月18日にスタートし以降20週以上かけて放送された[1]。番組終了後の2010年10月28日にはニール・マクレガーによる書籍『A History of the World in 100 Objects』がアレン・レーン社から刊行されており[2]、番組と書籍の音声化版はダウンロード視聴も可能である。 大英博物館はこのプロジェクトで果たした役割が評価され、2011年のアート・ファンド賞英語版を受賞した。

ラジオ番組から派生した『大英博物館展 -100のモノが語る世界の歴史』という巡回展が、2015年から2016年にかけて日本でも3会場で行われ、2015年4月18日から6月28日に東京東京都美術館[3]、7月14日から9月6日に福岡太宰府市)の九州国立博物館[4]、9月20日から翌2016年1月11日に神戸神戸市立博物館で催された[5]。また、2016年にはキャンベラオーストラリア国立博物館[6][7]、2017年には中国北京、上海などでも巡回展が開催されている[8]

内容

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Object 68
ラジオ番組情報と共に展示されているヒンドゥー教の神「68.シヴァパールバティー彫像」。

番組は「BBCラジオ4の記念碑的なプロジェクト(デイリー・テレグラフ紙)」と評され[9]、世界中から大英博物館に所蔵された100のモノを通して語られる「人間の歴史」であると紹介された。

「この番組で、私は時間を越え、地球中を回り、いかに私たち人間が2万年以上の年月をかけて世界を形作り、また私たち自身が形作られてきたのかを見ていきます。これを私は、これまで人間がつくってきたモノだけを通してお話いたします。注意深く考案され、崇められ守られ、やがて使用されて壊れ、打ち捨てられたモノたちです。土器から金色のガレオン船模型まで、石器からクレジットカードまで、様々な分野から100点だけを選びました[10]。」

「モノを通して歴史を語るということは、それがエジプトのミイラであろうとクレジットカードであろうと、博物館が何のためにあるかを語ることでもあります。大英博物館は世界中から展示物を集めてきましたので、世界の歴史を語るのには悪くない場所です。もちろん、その歴史は世界の何か特定の事物についての歴史ではなく、「ある」歴史にしかならないでしょうが。

博物館にきた人々は、展示物の中から自分だけのモノを選び、時空を超えた自分だけの旅をします。ですが、私が思うに人々が本当に見つけるのは自分の歴史が他のあらゆる人の歴史と瞬間交わっていることであり、そのとき歴史は、もはや誰か特定の人物や国の歴史ではなく、終わりのないつながりの物語になるのです[11]。」

番組スタートにあわせてウェブサイトも公開されたが、ガーディアン紙によれば「(ラジオ番組そのものよりも)さらに野心的で、閲覧者が実際に持っているモノを世界の歴史に当てはめようという」双方向コンテンツの他に、番組でとりあげられた100のモノの詳細な情報と、英国内の他の博物館にある計350点の所蔵物にもリンクが貼られたサイトであった[12]。ラジオ番組そのものは、今後も恒久的に同サイトからダウンロード視聴が可能となる予定である。

大英博物館では、番組でとりあげられた100のモノを簡単に見つけられるような表示がしてあり、案内図にも100のモノの位置と番号が記されている。

2010年1月18日、BBC TwoのTV番組『ザ・カルチャー・ショー英語版』では、ラジオ番組のスタートを記念した一時間の特集が放映された[13]

ラジオ番組は、第一部が2010年1月18日から2月26日までの6週間で放送され、やや期間をおいて2010年5月10から第二部第7週目が放送された[14]。7月中旬に第二部が終了した後、2010年9月13日に第三部がスタート。2010年10月22日金曜日に、最後となる100番目のモノを紹介して番組は終了した。

評価

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ガーディアン紙のメイヴ・ケネディ英語版は番組を「ラジオで放送された社会現象」と評し、BBCラジオの音響部門責任者ティム・デービーは、「その成果は驚くべきものというほかない」とコメントして番組への反響がBBCの期待した以上のものであったとの見方を示した。ケネディがガーディアンに記事を書いたのは番組最終週がはじまる直前であったが、番組リスナー数は一回平均400万人以上であり、ポッドキャストのダウンロード数は累計10,441,884回にも達していた。このうち半分以上にあたる570万ダウンロードがイギリス国内からのものであった。さらに一般市民からサイトに3240件の事物のアップロードがあり、なかでも最も数が多かったのがグラスゴーの歴史家ロバート・プールからのもので、グラスゴー市にまつわる事物のみ120点がアップロードされた。また大英博物館以外の博物館から1610点のアップロードがあった他、イギリス中の博物館と遺跡のサイト計531サイトからイベントへのリンクが貼られた。「まさに前代未聞の協力関係でした」とマクレガーは語っている。番組公開後、毎日何千人もの来館者が「100のモノ」のパンプレットを手に大英博物館のギャラリーを観覧するようになり、世界各国の博物館でその手法を踏襲しようという動きがみられる。[15]

フィリップ・ヘンシャー英語版インデペンデント紙に寄稿して番組を「完璧なラジオ番組」と評価し、次のように述べている。「ラジオ4とBBCが製作した『100のモノが語る世界の歴史』ほど、人をわくわくさせる、掛け値なしに面白い番組がかつてあっただろうか? 今日まで生き延びてきた所蔵品を通して人間の文明化の歴史を辿る、シンプルで素晴らしいアイディアだ。わずか15分の番組で、我慢強く、寄り道せずに唯ひとつの物をとりあげ、紹介する。番組の終わりには視聴者は何かを学んだ気になれる。それも喜びと好奇心と共に。BBCは、今後何年もこの素晴らしい番組をその好例としてあげることができるだろう。BBCの初代会長ジョン・リース英語版」の「知識と文化の伝播」という公共放送への考えをこれ以上ないほどに体現したものだ。」[16]

歴史家・コラムニストのドミニク・サンドブルック英語版は、デイリー・テレグラフ紙で「インテリが大喜びする」番組だと述べ、「ケネス・クラークの『西洋美術史探訪英語版』やジェイコブ・ブロノフスキーの『人間の進歩英語版』といった古典的名作TV番組にならぶ価値がある」と評価している[17]

100のモノ

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何がわれわれを人間にしたのか(200万年前-紀元前9000年)

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「何がわれわれを人間にしたのか?ニール・マクレガーが最初期のモノを通して解き明かします[18]。」初回放送:2010年1月18日。

画像 番号 名称 場所 年代 BBCサイト 大英博物館サイト 解説・コメント
1 ホルネジュイテフミイラ エジプト 前300年 – 200年 BBC BM アマルティア・セン、ジョン・テイラー
2 オルドゥヴァイのチョッピング・トゥール タンザニア オルドゥヴァイ 200万 – 180万年前 BBC BM サー・デイビッド・アッテンボローワンガリ・マータイ
3 オルドゥヴァイの手斧 タンザニア オルドゥヴァイ 140万 – 120万年前 BBC BM サー・ジェームズ・ダイソンフィル・ハーディング英語版、ニック・アシュトン
4 泳ぐトナカイ英語版 フランス 1万3000年前 BBC BM ローワン・ウィリアムズスティーヴン ミズン英語版
5 クローヴィス尖頭器英語版 アメリカ ニューメキシコ州 1万3000年前 BBC BM マイケル・ペイリン、ゲイリー・ヘインズ

氷河期後食べ物(紀元前9000-前3000年)

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「農耕はなぜ氷河期の後に始まったのか?手がかりは残された物の中にある[18]。」初回放送:2010年1月25日。

画像 番号 名称 場所 年代 BBCサイト 大英博物館サイト 解説・コメント
6 鳥をかたどった乳棒 パプアニューギニア 8000-4000年前 BBC BM マドハール・ジャフリーボブ・ゲルドフ、マーティン・ジョーンズ
7 アイン・サクリの恋人たち英語版 イスラエル 約1万1000年前 BBC BM マーク・クインイアン・ホッダー
8 エジプトの牛の粘土模型英語版 エジプト 紀元前3500年ごろ BBC BM フェクリ・ハッサン、マーティン・ジョーンズ
9 マヤ族に伝わるトウモロコシの神の像 ホンジュラス 715年 BBC BM サンチャゴ・カルバ、ジョン・ストーラー
10 縄文の壺 日本 紀元前5000年ごろ BBC BM サイモン・ケイナー、土肥孝

最初の都市と国家(紀元前4000-2000年)

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「人々が村から都市に移ったとき何が起こったか?5つのモノが語る物語[18]。」初回放送:2010年2月1日

画像 番号 名称 場所 年代 BBCサイト 大英博物館サイト 解説・コメント
11 デン王のサンダル・ラベル エジプト 前2985年ごろ BBC BM トビー・ウィルキンソン英語版スティーブ・ベル英語版
12 ウルのスタンダード イラク 前2600 – 2400年 BBC BM ラミア・アルガイラニ、アンソニー・ギデンズ
13 インダスの印章 パキスタン 前2600 – 1900年 BBC BM リチャード・ロジャース、ナヤンジョット・ラヒリ
14 ヒスイ イングランド
(ヒスイはアルプス山脈産)
前4000 – 2000年 BBC BM マーク・エドモンズ、ピエール・ペトルキャン
15 初期の書字板 イラク 前3100 – 3000年 BBC BM ガス・オドネル英語版ジョン・シール

科学と文学の始まり(紀元前1500-前700年)

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「4000年前、社会は神話と数学、記念碑を使って自己表現を始めた[18]。」初回放送:2010年2月8日

画像 番号 名称 場所 年代 BBCサイト 大英博物館サイト 解説・コメント
16 フラッド・タブレット英語版-洪水を語る粘土板 イラク 前700 – 600年 BBC BM デイヴィッド・ダムロシュ、ジョナサン・サックス英語版
17 リンド数学パピルス エジプト 紀元前1550年ごろ BBC BM エリナー・ロブソン英語版、クライブ・リックス
18 ミノアの牡牛跳び ギリシャ クレタ島 紀元前1700–1450年 BBC BM セルヒオ・デルガード、ルーシー・ブルー
19 モールドの黄金のケープ英語版 イギリス ウェールズ 紀元前1900–1600年 BBC BM メアリー・カーヒル、マリー・ルイーズ・スティグ・セーレンセン
20 ラムセス2世英語版 エジプト 紀元前1250年ごろ BBC BM アントニー・ゴームリー、カレン・エクセル

旧世界、新興勢力(紀元前1100年-前300年)

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「世界各地で、新興勢力が自らの優位性を誇示する物をつくりはじめた[18]。」初回放送:2010年2月15日

画像 番号 名称 場所 年代 BBCサイト 大英博物館サイト 解説・コメント
21 ラキシュのレリーフ英語版 イラク 紀元前700年 – 前692年 BBC BM パディ・アシュダウン英語版アントニー・ビーヴァー
22 タハルコ英語版スフィンクス英語版 スーダン 紀元前680年ごろ BBC BM ゼイナブ・バダウィ英語版、デレク・ウェルズビー
23 中国の祭器英語版 中国 紀元前1100年–前1000年 BBC BM デイム・ジェシカ・ローソン英語版、汪涛 (Wang Tao)
24 パラカスの布英語版 ペルー 紀元前300年–前200年 BBC BM ザンドラ・ローズ英語版、メアリー・フレイム
25 クロイソスの金貨 トルコ 紀元前550年ごろ BBC BM ジェイムズ・バカン英語版、ポール・クラドック

孔子の時代の世界(紀元前500-前300年)

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「古代の神殿彫刻やフラゴン(酒壺)は、偉大な人物が遺した書物ほどにものを言うだろうか?[18]」初回放送:2010年2月22日

画像 番号 名称 場所 年代 BBCサイト 大英博物館サイト 解説・コメント
26 オクソス二輪馬車の模型 タジキスタン 紀元前500–300年 BBC BM マイケル・アックスワージー英語版トム・ホランド英語版
27 パルテノンの彫刻 ギリシャ 紀元前440年ごろ BBC BM メアリー・ビアード、オルガ・パラギア
28 バス・ユッツのフラゴン英語版 フランス 紀元前450年ごろ BBC BM ジョナサン・メイズ英語版バリー・カンリフ英語版
29 オルメカの石の仮面 メキシコ 紀元前900–400年 BBC BM カルロス・フエンテスカール・タウベ
30 中国 中国 紀元前500–400年 BBC BM エヴェリン・グレニーイザベル・ヒルトン英語版

帝国の建設者たち(紀元前300-後1年)

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「ニール・マクレガーが送る、100のモノが語る世界の歴史。今週は今から2000年ほど前に世界各地にあらわれた偉大なる支配者たちを紹介します[19]。」初回放送:2010年5月17日

画像 番号 名称 場所 年代 BBCサイト 大英博物館サイト 解説・コメント
31 アレクサンドロスの顔が刻まれた硬貨 トルコ 紀元前305–281年 BBC BM アンドルー・マール英語版ロビン・レーン・フォックス英語版
32 アショーカ石柱英語版 インド 紀元前238年ごろ BBC BM アマルティア・セン、マイケル・ラトランド
33 ロゼッタ・ストーン エジプト 紀元前196年 BBC BM ドロシー・トンプソン英語版アーダフ・スエイフ英語版
34 代の中国の漆器 中国 4年 BBC BM ロエル・ステルクス英語版イザベル・ヒルトン英語版
35 アウグストゥス頭部像英語版 スーダン 紀元前27–25年 BBC BM ボリス・ジョンソン、スーザン・ウォーカー

古代の快楽、近代の香辛料(1-600年)

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「2000年前の人々はどのように快楽を求めていたのか?ニール・マクレガーがその答えを探ります[18]。」初回放送:2010年5月24日。

画像 番号 名称 場所 年代 BBCサイト 大英博物館サイト 解説・コメント
36 ウォレン・カップ イスラエル 5–15年 BBC BM ベタニー・ヒューズ英語版ジェームズ・ダビッドソン
37 北米のカワウソのパイプ アメリカ 紀元前200–後100年 BBC BM トニー・ベン、ガブリエル・タヤック
38 球技に使われる儀式用ベルト メキシコ AD 100 – 500 BBC BM ニック・ホーンビィ、マイケル・ウィッティントン
39 女史箴図英語版 中国 500–800年 BBC BM シェイン・マコーズランド、チャールズ・パウエル英語版
40 ホクスンの銀製胡椒入れ イングランド 350–400年 BBC BM クリスティン・マクファデン、ロベルタ・トマー

世界宗教の興隆(200-600年)

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「数多くの偉大な宗教的イメージがいつどのようにして成立していったのか、ニール・マクレガーが迫ります[18]。」初回放送:2010年5月31日。

画像 番号 名称 場所 年代 BBCサイト 大英博物館サイト 解説・コメント
41 ガンダーラの仏坐像英語版 パキスタン 100–300年 BBC BM クロディーヌ・バウツェ=ピクロトゥプテン・ジンパ英語版
42 クマーラグプタ1世英語版の金貨 インド 415–450年 BBC BM ロミラ・サパー英語版シャウナカ・リシ・ダス英語版
43 シャープール2世の絵皿 イラン 309–379年 BBC BM トム・ホランド英語版、ギティ・アザーパイ
44 ヒントン・セントメアリーのモザイク画英語版 イングランド 300–400年 BBC BM エーヴリル・キャメロン英語版イーモン・ダフィ英語版
45 アラビアのブロンズの手 イエメン 100–300年 BBC BM ジェレミー・フィールドフィリップ・ジェンキンズ英語版

シルクロードとその先へ(400-700年)

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「大英博物館に収められた5つの物が、モノと思想の"移動"の歴史を語る[18]。」初回放送:2010年6月7日。

画像 番号 名称 場所 年代 BBCサイト 大英博物館サイト 解説・コメント
46 アブド・アルマリクの金貨 シリア 696–697年 BBC BM マダウィ・アル・ラシードヒュー・ケネディ英語版
47 サットン・フー英語版 イングランド 600–700年 BBC BM シェイマス・ヒーニー, アンガス・ウェインライト
48 モチェの戦士の壺 ペルー 100–700年 BBC BM グレイソン・ペリーステーヴン・ブルジェ
49 新羅の屋根瓦 韓国慶州市 700–800年 BBC BM ジェイン・ポータル、崔光植
50 蚕種西漸図 中国 600–800年 BBC BM ヨーヨー・マコリン・サブロン英語版

宮殿の内部-宮廷内の秘密(700-950年)

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「1200年前の支配者たちの生活はどのようなものだったのか?その内幕にニール・マクレガーが迫ります[18]。」初回放送:2010年6月14日。

画像 番号 名称 場所 年代 BBCサイト 大英博物館サイト 解説・コメント
51 放血するマヤ王妃のレリーフ英語版 メキシコ 700–750年 BBC BM スージー・オーバック英語版、ヴァージニア・フィールズ
52 ハレム宮の壁画の断片 イラク 800–900年 BBC BM ロバート・アーウィン英語版、アミーラ・ベニソン
53 ロタール・クリスタル英語版 おそらくドイツ 855–869年 BBC BM ビンガム卿英語版、ロザモンド・マッキターリック
54 ターラー英語版 スリランカ サリハンダム英語版 700–900年 BBC BM リチャード・ゴンブリッチ英語版ニラ・ウィクラマシンジ英語版
55 副葬品英語版 中国 728年ごろ BBC BM アンソニー・ハワード英語版、オリヴァー・ムーア

巡礼、侵略者、貿易商人たち(900-1300年)

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「1000年前、貿易や戦争、宗教によって、物はどのようかに地球上を移動したのか[18]。」初回放送:2010年6月21日。

画像 番号 名称 場所 年代 BBCサイト 大英博物館サイト 解説・コメント
56 ヴァイキングのお宝英語版 イングランド 927年ごろ BBC BM マイケル・ウッド英語版、デイヴィッドとアンドリュー・ウィラン父子
57 ヘドウィグ・ビーカー英語版 おそらくシリア 1100–1200年 BBC BM ジョナサン・ライリー=スミス英語版デイヴィッド・アブラフィア英語版
58 日本の銅鏡 日本(山形県羽黒山出土) 1100–1200年 BBC BM イアン・ブルマ原田昌幸
59 ボロブドゥール仏像頭部 インドネシア ジャワ島 780–840年 BBC BM スティーヴン・バチュラー、ナイジェル・バーリー英語版
60 キルワの陶片 タンザニア 900–1400年 BBC BM ベルトラム・マプンダ、アブドルラザク・グルノー

ステータスシンボルの時代(1200-1400年)

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「熟練の技術によって作られた、社会的地位を示す物たちをニール・マクレガーが解析します[18]。」初回放送:2010年6月28日。

画像 番号 名称 場所 年代 BBCサイト 大英博物館サイト 解説・コメント
61 ルイス島のチェス駒 スコットランドで発見(おそらくノルウェーで製作) 1150–1200年 BBC BM マーティン・エイミスミリ・リビン英語版
62 ヘブライのアストロラーベ スペイン 1345–1355年 BBC BM ジョン・エリオット英語版、ジルケ・アッカーマン
63 イフェの頭像英語版 ナイジェリア 1400–1500年 BBC BM ベン・オクリ、ババトゥンデ・ラワル
64 ディヴィッドの花瓶英語版 中国 1351年 BBC BM ジェニー・アグロウ英語版クレイグ・クルナス英語版
65 タイノ族儀礼用の椅子英語版 カリブ海地域 サントドミンゴ 1200–1500年 BBC BM ホセ・オリヴァー英語版、ガブリエル・ハスリップ=ヴィエラ

神々に出会う(1200-1400年)

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「神々を信ずる者たちは、いかに神々に近づいていったのか?[18]。」初回放送:2010年7月5日。

画像 番号 名称 場所 年代 BBCサイト 大英博物館サイト 解説・コメント
66 ホーリー・ソーン聖遺物箱英語版 フランス 1350–1400年 BBC BM シスター・ベネディクタ・ウォード、アーサー・ロッシュ尊師英語版
67 「正教勝利」のイコン英語版 トルコ AD 1350–1400 BBC BM ビル・ヴィオラディアミッド・マカロック英語版
68 シヴァパールヴァティー彫像 インド 1100–1300年 BBC BM シャウナカ・リシ・ダス英語版カレン・アームストロング英語版
69 ワステカの女神像(トラソルテオトル彫像) メキシコ 900–1521年 BBC BM マリーナ・ウォーナー英語版、キム・リクター
70 イースター島のホア・ハカナナイア英語版 チリ イースター島 1000–1200年 BBC BM アンソニー・カロ、スティーヴン・フーパー

近代世界の黎明(1375-1550年)

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「近代の黎明期における世界の大帝国をニール・マクレガーが探ります[18]。」初回放送:2010年9月13日。

画像 番号 名称 場所 年代 BBCサイト 大英博物館サイト 解説・コメント
71 スレイマン大帝トゥグラ トルコ 1520–1566年 BBC BM エリフ・シャファクキャロライン・フィンケル英語版
72 の紙幣 中国 1375年 BBC BM マーヴィン・キングティモシー・ブルック
73 インカ黄金のリャマ ペルー 1500年ごろ BBC BM ジャレド・ダイアモンド、ガブリエル・ラモン
74 ウルグ・ベク所有-ヒスイの龍の杯 中央アジア 1420–1449年 BBC BM ベアトリス・フォーブス・マンズ、ハミッド・イスマイロフ英語版
75 デューラーの『 ドイツ 1515年 BBC BM マーク・ピルグリム、フェリペ・フェルナンデス=アルメスト英語版

最初の世界経済(1450-1600年)

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「1450年から1600年に行われた旅行、通商そして征服が与えた影響の跡をニール・マクレガーが辿ります[18]。」初回放送:2010年9月20日。

画像 番号 名称 場所 年代 BBCサイト 大英博物館サイト 解説・コメント
76 ガレオン船からくり模型英語版 ドイツ 1585年ごろ BBC BM リサ・ジャーディン英語版、クリストファー・ドブズ
77 ベニン・プラーク英語版 - オバ英語版とヨーロッパ商人 ナイジェリア 16世紀 BBC BM ソカリ・ダグラス・キャンプ英語版ウォーレ・ショインカ
78 双頭の蛇英語版 メキシコ 15–16世紀 BBC BM レベッカ・ステイシー、アドリアーナ・ディアス=エンシソスペイン語版
79 柿右衛門の象英語版 日本 17世紀後半 BBC BM ミランダ・ロック、14代目 酒井田柿右衛門
80 ピース・オブ・エイト英語版 ボリビアで発見(スペインで造幣) 1589–1598年 BBC BM トゥティ・プラド、ウィリアム・バーンスタイン英語版

寛容と不寛容(1500-1700年)

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「16世紀と17世紀、大宗教がいかに共存しえたのか、ニール・マクレガーがお伝えします[18]。」初回放送:2010年9月27日。

画像 番号 名称 場所 年代 BBCサイト 大英博物館サイト 解説・コメント
81 シーア派の儀仗 イラン 17世紀後半 BBC BM ハレ・アフシャル英語版、ホセイン・プルタマスビ
82 ムガールの王子の細密画 インド 1610年ごろ BBC BM アソーク・クマール・ダス、アマン・ナート英語版
83 ビーマ影絵人形 インドネシア ジャワ島 1600–1800年 BBC BM スマルサム英語版歐大旭英語版
84 メキシコの古地図英語版 メキシコ 16世紀後半 BBC BM サミュエル・エドガートン、フェルナンド・セルバンテス
85 宗教改革100周年記念パンフレット ドイツ 1617年 BBC BM カレン・アームストロング英語版イアン・ヒスロップ英語版

探検、開拓、啓蒙(1680–1820年)

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「異なる世界同士が出会ったときに起きた衝突と誤解について、ニール・マクレガーが探ります[18]。」初回放送:2010年10月4日。

画像 番号 名称 場所 年代 BBCサイト 大英博物館サイト 解説・コメント
86 アカンの太鼓英語版 アメリカで発見(アフリカで製作) 18世紀 BBC BM ボニー・グリア英語版アンソニー・アッピア英語版
87 ハワイの羽根の兜英語版 アメリカ ハワイ州 18世紀 BBC BM ニコラス・トーマス、カイル・ナカネルア
88 北米の鹿革製地図 アメリカ 1774-5年 BBC BM マルコム・ルイス、デイヴィッド・エドマンズ
89 オーストラリアの樹皮製の オーストラリア 1770年 BBC BM フィル・ゴードン、マリア・ニュージェント
90 ヒスイ 中国 1790年 BBC BM ジョナサン・スペンス楊煉英語版

大量生産と大衆運動(1780-1914年)

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「産業化、大衆政治と列強の野望は、世界をどのように変えたのか[18]。」初回放送:2010年10月11日。

画像 番号 名称 場所 年代 BBCサイト 大英博物館サイト 解説・コメント
91 ビーグル号のクロノメーター英語版 イングランド 1795–1805年 BBC BM ナイジェル・スリフト英語版スティーブ・ジョーンズ英語版
92 初期ヴィクトリア朝ティーセット英語版 イギリス 1840–1845年 BBC BM セリーナ・フォックス、モニク・シモンズ
93 北斎神奈川沖浪裏 日本 1829–32年ごろ BBC BM クリスティン・グース、ドナルド・キーン
94 スーダン木鼓 スーダン 19世紀 BBC BM ドミニク・グリーン、ザイナブ・バダウィ
95 女性参政権を求めるペニー硬貨 イギリス 1903年 BBC BM フェリシティ・パウエル、ヘレナ・ケネディ英語版

現代がつくりだす物の世界(1914-2010年)

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「ニール・マクレガーが、セックス、政治、経済の各側面から近現代の歴史を辿ります[18]。」初回放送:2010年10月18日。

画像 番号 名称 場所 年代 BBCサイト 大英博物館サイト 解説・コメント
96 ロシア革命の絵皿(ミハイル・アダモヴィチ英語版作) ロシア 1921年 BBC BM エリック・ホブズボームミハイル・ピオトロフスキー英語版
See
en:In the dull village
97 ホックニーの『退屈な村で英語版 イギリス 1966年 BBC BM シャミ・チャクラバティ英語版デイヴィッド・ホックニー
98 武器でつくられた王座英語版 モザンビーク 2001年 BBC BM コフィー・アナンディニス・セングラーネ英語版
99 クレジットカード アラブ首長国連邦 2009年 BBC BM マーヴィン・キング、ラツィ・ファキーフ
100 ソーラーランプ英語版と充電器 中国 2010年 BBC BM ニコラス・スターン、アロカ・サーダー、ボニフェイス・ニャム

特別編

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2011年5月18日にラジオ4で番組『00のモノが語る世界の歴史』の特別編が初めて放送された。これはBBCのサイトに投稿された何千もの物の中から「特別に重要」として選ばれた物をとりあげた番組である[20]。番組特別編に選ばれた物は、ピーター・ルイスが応募した、若い女性を描いた油絵であった。これはルイスの叔父ブライアン・ロバーツ所有のもので、ロバーツの恋人(後の妻)ペギー・ギャロップを写した写真はがきをもとに描かれた油絵であるが、実はロバーツが捕虜となってアウシュヴィッツに収容されていたときに、名も知らぬユダヤ人画家がロバーツのために描いてくれた油絵であった[21][22]

アート・ファンド賞

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大英博物館は、『100のモノが語る世界の歴史』番組への貢献が認められ2011年アート・ファンド賞英語版を受賞した。式典は2011年6月15日ロンドンで開かれ、同賞は賞金10万ポンドと共に英文化・オリンピック・メディア・スポーツ担当閣内相ジェレミー・ハントから大英博物館に授与された[23]

同賞審査会の議長マイケル・ポーティロ英語版は、審査員は「大英博物館のプロジェクトにおける、真にグローバルな視点に特に感銘を受けた。これは知的厳格さとオープンな心を結びつけたもので、博物館の壁をはるかに超えたものであった」と述べている[24]。審査員はまた、同プロジェクトがデジタルメディアを使った画期的な新手法でリスナーと双方向に影響を与え合った点も高く評価した[24]

脚注

[編集]
  1. ^ Ben Hoyle (18 July 2009). “British Museum and BBC reveal history of world in 100 objects” (英語). Times Online. オリジナルの2011年6月24日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20110624094620/http://entertainment.timesonline.co.uk/tol/arts_and_entertainment/article6718556.ece 
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参考文献

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関連項目

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外部リンク

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