鳴浜町パチンコ店員刺殺事件
鳴浜町パチンコ店員刺殺事件 | |
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正式名称 | 南区鳴浜町地内パチンコ店店員に対する強盗殺人事件 |
場所 | 日本: 愛知県名古屋市南区鳴浜町二丁目の路上 |
日付 |
1999年(平成11年)10月1日 夕方 |
原因 | 不正なメダル詐取が発覚したことによる口封じ |
攻撃手段 | 刺殺 |
攻撃側人数 | 1 |
武器 | ナイフ |
死亡者 | 1 |
損害 | スロットメダル3万2000円相当 |
犯人 | 中国籍の男 |
容疑 | 強盗殺人罪 |
動機 | 居直り強盗 |
対処 | 被疑者捜索中(未解決) |
管轄 | 愛知県警察(捜査一課・南警察署)[1] |
鳴浜町パチンコ店員刺殺事件(なるはまちょうパチンコてんいんしさつじけん)とは、1999年(平成11年)10月1日に愛知県名古屋市南区鳴浜町二丁目で発生した強盗殺人事件。愛知県警による正式名称は南区鳴浜町地内パチンコ店店員に対する強盗殺人事件[2]。
概要
[編集]1999年10月1日17時30分ごろ、愛知県名古屋市南区柴田本通二丁目のパチンコ店「パルコ柴田店」(座標)[注 1][3]に犯人の男が入店した[7]。男はパチスロ機で約1時間遊び[7]、スロットマシンのコイン約1000枚を景品に交換しようとしたが、不審な点があったため、店員がコンピューターで男の台をチェックしたところ、1000枚も払い戻されていないことが判明した[1]。実際には男が器具を使い、不正に約1600枚のメダル(時価約3万2000円相当)を流出させていたものである[2]。店員が男から事情を聞こうとしたところ、男がいきなり逃走したため[1]、店員3人で追い掛け、店から約400 m南東の路上で被害者の男性店員(当時28歳)が男を発見したが、男は追いかけてくる男性店員の左胸を持っていたナイフ(刃渡り6 - 7 cm)で刺した[7]。店員は心臓を刺されており、搬送先の病院で約1時間後に死亡した[7]。
愛知県警察本部刑事部捜査第一課と南警察署は殺人事件として逃走した男の行方を追い[1]、翌2日には南署に捜査本部を設置した[8]。捜査本部は翌2000年(平成12年)2月5日、目撃証言から中国籍の男(事件当時26歳)を犯人と断定し、強盗殺人容疑で全国に指名手配した[3]。なお男にはパチンコの不正操作の共犯者がいたが、こちらは窃盗容疑で逮捕されている[3]。
警察庁は2007年(平成19年)11月1日で、本事件が捜査特別報奨金制度の対象として指定し、犯人逮捕に結びつく有力情報の提供者に最大300万円の懸賞金を支払うことを決めた[9]。応募期間は2013年(平成25年)までに6度延長されたが[10]、逮捕につながる有力な情報が得られなかったことから、警察庁は2014年(平成26年)9月の告示で本事件を「今後も有力な情報が得られることは期待できない」と判断して対象事件から外すことを決め、報奨金の受付は同年10月末で終了した[11]。
なお被害に遭ったパチンコ店「パルコ」は事件後の2006年(平成18年)2月13日にも売上金1000万円以上を奪われる強盗事件の被害に遭っている[12]。同事件では犯人として男4人 (W・X・Y・Z) が逮捕されたが、Wは2005年(平成17年)11月まで同店の店長を務めていた人物で[13]、毎週月曜日の開店直後に前週末の売上金を従業員が入金することを知っていたWが、常連客だったXに強盗を持ちかけたと見られていた[14]。また、X・Yの2人は15歳だった2000年6月、名古屋中学生5000万円恐喝事件の加害者として中等少年院に送致されており[15]、うち1人が同事件で逮捕・送検された少年10人余のリーダー格だった[16]。
指名手配犯
[編集]脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d 『読売新聞』1999年10月2日中部朝刊社会面31頁「パチンコ店員を刺殺 不正行為の外国人、逃走中にナイフで/名古屋・南区」(読売新聞中部支社)
- ^ a b c d e “指名手配”. 愛知県警察. 2018年4月21日閲覧。
- ^ a b c d 『中日新聞』2000年2月6日朝刊社会面35頁「南区のパチンコ店員刺殺 中国人の男を手配 愛知県警 不正行為の知人逮捕」(中日新聞社)
- ^ 『ゼンリン住宅地図 愛知県 名古屋市 南区』1999年10月、ゼンリン、53頁C-5・D-5「パチンコ パルコ柴田店」
- ^ 『ゼンリン住宅地図 愛知県 名古屋市 12 南区 201609』2016年9月、ゼンリン、54頁C-5・D-5「パチンコ パルコ柴田店」。
- ^ 『ゼンリン住宅地図 愛知県 名古屋市 12 南区 201709』2017年9月、ゼンリン、54頁C-5・D-5。かつて「パチンコ パルコ柴田店」があった箇所は更地化されている。
- ^ a b c d 『中日新聞』1999年10月2日朝刊社会面19頁「南区の路上 パチンコ店員刺殺 店内で不審行為の男 追跡され凶行」(中日新聞社)
- ^ 『中日新聞』1999年10月2日夕刊社会面11頁「パチンコ店員刺殺で南署が捜査本部設置」(中日新聞社)
- ^ 『朝日新聞』2007年11月1日東京朝刊第二社会面34頁「容疑者追跡、ヤフーでも ネット広告に懸賞金情報 警察庁所管財団、きょうから」(朝日新聞東京本社)
- ^ 『毎日新聞』2013年9月26日中部夕刊社会面6頁「懸賞金:名古屋強殺、期間延長は6回目」(毎日新聞中部本社)
- ^ 『朝日新聞』2014年9月26日名古屋朝刊名古屋第一地方面29頁「捜査特別報奨金、来月末で終了へ 名古屋・南区のパチンコ店強殺 /愛知県」(朝日新聞名古屋本社)
- ^ 『中日新聞』2006年2月13日夕刊社会面15頁「売上金1000万円奪われる 南区のパチンコ店 男2人組、車で逃走」(中日新聞社)
- ^ 『読売新聞』2006年11月23日中部朝刊社会面35頁「名古屋・南のパチンコ店1200万円強奪容疑 元店長、常連客ら逮捕」(読売新聞中部支社)
- ^ 『毎日新聞』2006年11月23日中部朝刊社会面21頁「名古屋・南区のパチンコ店強盗:2月発生の事件、男ら4人を逮捕――愛知県警南署」(毎日新聞中部本社【大島有美子】)
- ^ 『毎日新聞』2007年3月31日中部朝刊社会面27頁「名古屋・南区のパチンコ店強盗:男2人に実刑――地裁判決」(毎日新聞中部本社【月足寛樹】)
- ^ 『朝日新聞』2007年2月16日夕刊第一社会面9頁「パチンコ店強奪の2被告、15歳当時5000万円恐喝も 名古屋地裁初公判【名古屋】」(朝日新聞名古屋本社)