魔界再来
『魔界再来』 | ||||
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ユーライア・ヒープ の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 | 1981年10月 - 12月 ロンドン ラウンドハウス・レコーディング・スタジオ[1] | |||
ジャンル | ハードロック、ヘヴィメタル、プログレッシブ・ロック | |||
時間 | ||||
レーベル |
ブロンズ・レコード マーキュリー・レコード | |||
プロデュース | アシュリー・ハウ | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
チャート最高順位 | ||||
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ユーライア・ヒープ アルバム 年表 | ||||
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『魔界再来』(まかいさいらい、原題:Abominog)は、イギリスのバンド、ユーライア・ヒープが1982年に発表した14作目のスタジオ・アルバム。オリジナル・キーボーディストのケン・ヘンズレー脱退後としては初のアルバムに当たる。
背景
[編集]1980年、バンドはヘンズレーの後任としてグレッグ・デシャートを迎え、シングル「シンク・イット・オーヴァー」を発表するが、アルバムの完成には至らず、この曲は本作では再録音ヴァージョンが収録された[6]。その後バンドは解散状態となるが、ミック・ボックスは元メンバーのリー・カースレイク(1981年までオジー・オズボーン・バンドに在籍していた)を呼び戻し、カースレイクと共にオズボーンのバンドで活動していたボブ・デイズリーも合流した[7]。そして、新メンバーのジョン・シンクレア(元ヘヴィ・メタル・キッズ)とピーター・ゴールビー(元トラピーズ、ケン・ヘンズレー在籍時にもユーライア・ヒープのオーディションを受けていた)を迎え、本作を制作した[7]。
「オン・ザ・リバウンド」はラス・バラードのカヴァーで、オリジナル・ヴァージョンはアルバム『バーネット・ドッグス』(1980年)に収録されている[8]。なお、本作に先行して発売されたEP「Abominog Junior」には、この曲および「ティン・ソルジャー」(スモール・フェイセスのカヴァー)、「サン・オブ・ア・ビッチ」が収録された[9]。
反響・評価
[編集]全英アルバムチャートでは6週トップ100入りして最高34位を記録した[3]。本作はアメリカで一定の成功を収め、Billboard 200では56位に達して『幻想への回帰』(1975年)以来7年ぶりの全米トップ100アルバムとなり[5]、シングル「ザッツ・ザ・ウェイ・イット・イズ」は『ビルボード』のメインストリーム・ロック・チャートで25位を記録した[10]。一方、ノルウェーのアルバム・チャートでは2週トップ40入りするが、最高30位に終わり、『対自核』(1971年)以降のアルバムとしては初めてトップ20入りを逃す結果となった[2]。
Donald A. Guariscoはオールミュージックにおいて5点満点中4.5点を付け、全体像に関して「バンドの膨大なカタログの中でも、特に首尾一貫しており魅力的なアルバムの一つ」「NWOBHMおよび、当時のハードロック的なAORグループからの影響が強い」、ピーター・ゴールビーのボーカルに関して「ロニー・ジェイムス・ディオとルー・グラムを足して割ったような、力強いスタイル」と評している[11]。
収録曲
[編集]特記なき楽曲はピーター・ゴールビー、ミック・ボックス、ジョン・シンクレア、ボブ・デイズリー、リー・カースレイクの共作。
- トゥー・スケアード・トゥ・ラン - "Too Scared to Run" - 3:49
- チェイシング・シャドウズ - "Chasing Shadows" - 4:39
- オン・ザ・リバウンド - "On the Rebound" (Russ Ballard) - 3:14
- 無情な街の熱い夜 - "Hot Night in a Cold Town" (Geoffrey Cushing-Murray, Richard Littlefield) - 4:03
- ランニング・オール・ナイト - "Running All Night (With the Lion)" (Gary Farr, Peter Goalby, Mick Box, John Sinclair, Bob Daisley, Lee Kerslake) - 4:28
- ザッツ・ザ・ウェイ・ザット・イット・イズ - "That's the Way That It Is" (Paul Bliss) - 4:06
- プリズナー - "Prisoner" (James Lance, D. B. Cooper, Tony Riparetti) - 4:33
- ホット・パースウェイジョン - "Hot Persuasion" - 3:48
- セル・ユア・ソウル - "Sell Your Soul" - 5:25
- シンク・イット・オーヴァー - "Think It Over" (John Sloman, Trevor Bolder) - 3:42
1997年リマスターCDボーナス・トラック
[編集]- "Tin Soldier" (Steve Marriott, Ronnie Lane) - 3:49
- "Son of a Bitch" - 4:08
- "That's the Way That It Is (Demo Version)" (P. Bliss) - 4:27
- "Hot Persuasion (Demo Version)" - 4:04
2004年リマスターCDボーナス・トラック
[編集]- サン・オブ・ア・ビッチ - "Son of a Bitch"
- ティン・ソルジャー - "Tin Soldier" (S. Marriott, R. Lane)
- シンク・イット・オーヴァー(ビデオ・ヴァージョン) - "Think It Over (Video Soundtrack)" (J. Sloman, T. Bolder)
- トゥー・スケアード・トゥ・ラン(ライヴ・ヴァージョン) - "Too Scared to Run (Live)"
- セル・ユア・ソウル(ライヴ・ヴァージョン) - "Sell Your Soul (Live)"
- ザッツ・ザ・ウェイ・ザット・イット・イズ(ライヴ・ヴァージョン) - "That's the Way That It Is (Live)" (P. Bliss)
アメリカ盤LP
[編集]- サイドA
- "Too Scared to Run"
- "On the Rebound" (R. Ballard)
- "Chasing Shadows"
- "Prisoner" (J. Lance, D. B. Cooper, T. Riparetti)
- "Sell Your Soul"
- サイドB
- "That's the Way That It Is" (P. Bliss)
- "Think It Over" (J. Sloman, T. Bolder)
- "Hot Night in a Cold Town" (G. Cushing-Murray, R. Littlefield)
- "Hot Persuasion"
- "Running All Night (With the Lion)" (G. Farr, P. Goalby, M. Box, J. Sinclair, B. Daisley, L. Kerslake) - 4:28
参加ミュージシャン
[編集]- ピーター・ゴールビー - リード・ボーカル
- ミック・ボックス - ギター、ボーカル
- ジョン・シンクレア - キーボード、ボーカル
- ボブ・デイズリー - ベース、ボーカル
- リー・カースレイク - ドラムス、ボーカル
脚注
[編集]- ^ CD英文ブックレット内クレジット
- ^ a b norwegiancharts.com - Uriah Heep - Abominog
- ^ a b URIAH HEEP | full Official Chart History | Official ChartsCompany - 「ALBUMS」をクリックすれば表示される。
- ^ Offizielle Deutsche Charts
- ^ a b “Uriah Heep Chart History - The Billboard 200”. Billboard. 2023年5月7日閲覧。
- ^ “Uriah Heep - The Story July 1980 - September 1980”. uriah-heep.com. 2023年5月7日閲覧。
- ^ a b “Uriah Heep - The Story April 1981 - January 1982”. uriah-heep.com. 2023年5月7日閲覧。
- ^ Russ Ballard - Barnet Dogs Album Reviews, Songs & More | AllMusic
- ^ “Uriah Heep - The Story April 1982 - April 1983”. uriah-heep.com. 2023年5月7日閲覧。
- ^ “Uriah Heep - Awards”. AllMusic. 2016年3月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月7日閲覧。
- ^ Guarisco, Donald A. “Uriah Heep - Abominog Album Reviews, Songs & More”. AllMusic. 2023年5月7日閲覧。