高雄捷運高運量電車
このページ名「高雄捷運高運量電車」は暫定的なものです。(2019年5月) |
高雄捷運高運量電車 | |
---|---|
南岡山駅の列車 | |
基本情報 | |
運用者 | 高雄捷運公司 |
製造所 |
シーメンス・トランスポーテーション・システムズ (ウィーンのシーメンスSGP) |
製造年 | 2005-2006年 |
製造数 | 42編成126両 |
運用開始 | 2008年 |
投入先 | 紅線、橘線 |
主要諸元 | |
編成 | 2M1T |
軌間 | 1,435 mm |
最高運転速度 | 80 km/h |
設計最高速度 | 90 km/h |
起動加速度 | 3.6 km/h/s |
減速度(常用) | 3.6 km/h/s |
減速度(非常) | 4.68 km/h/s |
編成定員 |
約750人 →詳細は「§ 定員」を参照 |
編成長 | [1] 65.450 m |
全長 |
(DM車):[1] 21,945 mm (T車):[1] 21,560 mm |
全幅 | [1] 3,150 mm |
全高 | [2](pp5)3,750 mm |
車体高 | [2](pp5)3,630 mm |
床面高さ | [3] 113.5cm |
車体 | ステンレス鋼 |
固定軸距 | [4](pp43)2,300 mm |
台車中心間距離 | [2] 14,800 mm |
軸重 | [3] 16.1t |
主電動機 |
三相誘導電動機 1TB2010-1GA02 |
主電動機出力 | 190 kW |
編成出力 | 1,520 kW |
制御方式 | IGBT素子VVVFインバータ制御 |
制御装置 | シーメンス製 |
制動装置 | 再生ブレーキ、ディスクブレーキ |
保安装置 | ATC、ATO、ATS |
備考 | [5] |
高雄捷運高運量電車(たかおしょううん こううんりょうでんしゃ)は2008年から台湾の高雄捷運(高捷、高雄メトロ、高雄MRT)で運用されている通勤型電車。2008年の開業後MRT用車両はこの車種のみであり、公式な形式名は付与されていない。
概要
[編集]高雄捷運で最初に調達された形式。標準軌・第三軌条方式の高運量規格で[注釈 1]、台北捷運板南線でも採用され、ポルシェデザインがコンセプトデザインを担ったシーメンス・トランスポーテーション・システムズの2000年代の標準的モデルであるモジュラー・メトロをベースにオーストリアのスピリット・デザイン(Spirit Design GmbH)社がカラーリングや塗装のデザイン案を監修している[6][7](p08)。
2001年に高雄捷運公司と総額約170ニュー台湾ドルで機電工程調達契約が交わされ[8]、シーメンス交通部門のオーストリア現地法人(Siemens SGP Verkehrstechnik GmbH、元Simmering-Graz-Pauker)がウィーン工場で42編成126両を製造した。
2005年上半期に落成後[9][10]、同年10月に第1編成が[11]、2007年5月までに全編成が台湾に納入された[12]。全て高雄捷運紅線および橘線で運行されている[13]。
ほとんどの部品を国外製品に頼っているが、2018年以降に到来する更新時期に合わせて一部国産品の採用を目標にしている[14]。
仕様
[編集]車両寸法
[編集]- DM-Car(制御動力車)長:21.945メートル
- T-Car(無動力車)長:21.560メートル
- 編成長(3両編成):65.450メートル
- 全幅:3.150メートル
- 編成重量 = 177.6t[3]
- 空車重量:117.3t[3]
- ドア幅:1.4メートル[2](p7)
- 連結部通路幅:1.4メートル[2](p7)
- 連結部通路高さ:1.9メートル[2](p7)
- 客室内高さ;2.05メートル[2](p7)
開業当初から輸送量を考慮して3連で運行されているが、将来的には中間車を挿入した6連での運行に対応している[1][15][16]。長らく台鉄捷運化による地下化工事の影響で3両までのホーム長だった高雄駅も、2018年に仮ホームから6連対応の永久站(恒久ホーム)への切り替えが完了し、増結への技術的障害は解消している。
台車は台北捷運やバンコクの車両でも使われているSF2000の信頼性とメンテナンス性を向上させたシーメンスの改良版「SF3000[4](pp37、p43)」を採用している。
定員
[編集]- 1両ごとに7人掛けの座席がドア間に6か所42席あり、1平方メートルあたり5人の立ち席で換算すると3両編成での定員は750人[1]。最大定員は1010人(両端の運転室10名分を含む)。
運転性能
[編集]- 最高設計速度:90km/h[1]
- 営業最高速度:80km/h/[1]
- 起動加速度:3.6km/h/s(1.0m/s/s[1])
- 通常減速度:3.6km/h/s(1.0m//s/s[1])
- 非常減速度:4.68km/h/s(1.3m/s/s[1])
材質
[編集]車体およびドアはステンレス鋼で、30年の寿命を想定している。
- 車內設備
- 1両当たり4つの外開きプラグドアを左右両側に備えている[13]。
- 連結面はドアのない貫通路で、運転室の非常ドアから前後方向に脱出できる設計となっている
- ドアに異物が挟まったり、故障で開閉できない場合は発車できないようになっている。
- 車内は北米の防火基準(NFPA 130)を満たし、45分間の耐火性能をもつ[1]。
- 1両あたり2台の冷房機を天井に備え、メンテナンス時には取り外しやすい設計となっている。。
- ドア上にLED式の旅客案内装置が設置され、行先と次駅案内が表示される。
運行システム
[編集]特色
[編集]- 青と白色を組み合わせた台北捷運と異なり、緑と白色を基調にしている[17]。
- ロングシートのFRP座席は、国内企業の佳豊機械設計工業が製作、納入している[18]。
- 左右ドアの中間部には三股のスタンションポールが設置されている。
- 吊革はゴム材質で硬化プラスチックの台北捷運とは異なる。
- 2両目の1番目と4番目のドア付近はバリアフリーエリアで車椅子に対応しているほか、緊急時に乗務員と通話できる車内非常通報装置が設置されている[19]。
- 高雄捷運の公式イメージキャラクターである「高捷少女」のうち、運転士役の「艾米莉亞(エミリア)」が台湾人とドイツ人のハーフという設定はこの車両に由来する。
編成
[編集]号車 | 1 | 2 | 3 |
形式 | 1100型 (DM1) |
2100型 (T) |
1100型 (DM2) |
---|---|---|---|
機器配置 | VVVF | BT,CP | VVVF |
座席定員 | 42 | 42 | 42 |
乗車定員[注釈 2] | 247 | 261 | 247 |
車内設備 | |||
車両番号[注釈 3] | 1101 : 1183 |
2101 : 2183 |
1102 : 1184 |
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その他
[編集]特別仕様車
[編集]- スヌーピーラッピング(1133-1134/第17編成:2014年5月~[21])
- 爽爽猫ラッピング(1111-1112/第6編成:2014年12月~[22])
- 高捷少女ラッピング(1109-1110/第5編成:2015年7月~11月[23])
- ONE PIECEラッピング(1169-1170/第35編成:2015年8月~[24])
- ちびまる子ちゃんラッピング(1133-1134/第17編成:2018年6月~[25])
- ミッキー・マウスラッピング(1165-1166/第33編成:2019年6月~[26])
- 高捷少女×初音ミク/鏡音リン・レン/巡音ルカラッピング(1101-1102/第1編成:2019年6月~[27])
関連商品
[編集]脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d e f g h i j k l 高雄捷運簡訊 創刊號 電聯車小百科 - ウェイバックマシン(2018年10月9日アーカイブ分) 2006年3月 高雄市政府捷運工程局
- ^ a b c d e f g h 95年高雄捷運 大會師課程 電聯車介紹”. 国立中山大学. 2019年5月5日閲覧。 アーカイブ 2022年12月28日 - ウェイバックマシン 高雄捷運公司 開發事業處 (2006年10月). “
- ^ a b c d e Metro System, Kaohsiung, Taiwan - ウェイバックマシン(2016年2月16日アーカイブ分) Siemens Mobirity
- ^ a b First Class Bogies”. シーメンス・モビリティ. p. 43. 2019年5月5日閲覧。 アーカイブ 2019年7月22日 - ウェイバックマシン “
- ^ 悠遊台灣鐵道 車輛簡介 捷運列車 アーカイブ 2018年4月16日 - ウェイバックマシン 廖健竣
- ^ Siemens アーカイブ 2022年7月1日 - ウェイバックマシン Spirit Design GmbH
- ^ 電聯車設備之海外測試見證及檢查”. 国家発展委員会公務出國報告資迅網. 2019年6月1日閲覧。 アーカイブ 2019年6月6日 - ウェイバックマシン 高雄市政府捷運工程局 (2005年8月1日). “
- ^ “Kaohsiung E&M contract signed” (英語). レールウェイ・ガゼット・インターナショナル. (2001年9月1日). オリジナルの2018年10月9日時点におけるアーカイブ。 2019年5月7日閲覧。
- ^ “《蘋果》直擊 高雄捷運列車出廠 奧國製成至德測試10月抵台”. 台灣蘋果日報. (2005年6月2日). オリジナルの2018年10月12日時点におけるアーカイブ。 2019年5月7日閲覧。
- ^ “高雄捷運電聯車 與美、澳訂單同製程打造”. 大紀元. (2005年5月31日). オリジナルの2019年11月23日時点におけるアーカイブ。 2019年5月7日閲覧。
- ^ “高雄捷運車廂抵台 高雄港邊亮相”. TVBS. (2005年10月26日). オリジナルの2019年8月31日時点におけるアーカイブ。 2019年5月7日閲覧。
- ^ “新里程碑 高捷126輛電聯車全數到位”. 自立晩報. (2007年5月22日). オリジナルの2023年4月9日時点におけるアーカイブ。 2019年5月7日閲覧。
- ^ a b 高雄捷運簡訊 第一期 - ウェイバックマシン(2016年3月7日アーカイブ分) 2006-03-01 高雄市政府捷運工程局
- ^ “107年軌道系統” (pdf). 高雄捷運公司. (2018年5月17日)
- ^ ISBN 978-986-00-6867-2 高雄市政府捷運工程局 (2006年11月). 關鍵八年:高雄捷運夢想的實現.
- ^ 高雄市政府捷運工程局 (2008-01). 雄心:高雄捷運真情故事. ISBN 978-986-01-2173-5
- ^ 高雄捷運列車 アーカイブ 2016年3月7日 - ウェイバックマシン 台灣大百科 中華民国文化部
- ^ 高雄捷運 アーカイブ 2019年9月4日 - ウェイバックマシン 佳豊機械設計工業
- ^ 高雄捷運簡訊 第13期 - ウェイバックマシン(2018年5月15日アーカイブ分) 2008-05-01 高雄市政府捷運工程局
- ^ “高雄捷運 全線免費無線上網”. TVBS. (2018年5月15日). オリジナルの2019年8月28日時点におけるアーカイブ。 2019年5月7日閲覧。
- ^ “高捷「史努比彩繪列車」擄獲遊客心”. 中天電視. (2014年5月11日). オリジナルの2023年4月9日時点におけるアーカイブ。 2019年5月7日閲覧。
- ^ “高捷爽爽貓彩繪列車 妝點捷運站”. 人間衛視BLTV. (2015年1月7日). オリジナルの2023年4月9日時点におけるアーカイブ。 2019年5月7日閲覧。
- ^ “跟著魯夫冒險去高捷推出航海王列車”. 台湾電視. (2015年8月5日). オリジナルの2023年4月9日時点におけるアーカイブ。 2019年5月7日閲覧。
- ^ “海賊王大戰喔熊組長 台鐵、高鐵彩繪列車PK”. TVBS. (2015年8月6日). オリジナルの2023年4月9日時点におけるアーカイブ。 2019年5月7日閲覧。
- ^ “高雄捷運跨界聯名 櫻桃小丸子列車登場”. 港都新聞/Youtube. (2018年6月25日). オリジナルの2023年4月9日時点におけるアーカイブ。 2019年5月7日閲覧。
- ^ “#米奇主題列車 #米奇趣遊高雄”. MOOK景點家/Youtube. (2019年6月25日). オリジナルの2019年7月16日時点におけるアーカイブ。 2019年6月30日閲覧。
- ^ “「高捷少女 X 初音未來」主題彩繪列車首航 聯名商品即日起販售”. 萌朧動漫情報網. (2019年6月29日). オリジナルの2021年4月17日時点におけるアーカイブ。 2019年6月30日閲覧。
- ^ 高雄捷運 編號 QV012T1 アーカイブ 2023年4月9日 - ウェイバックマシン 鐵支路模型
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- Siemens MoMo flyer 'The City needs Mobility' - ウェイバックマシン(2008年9月19日アーカイブ分) シーメンス