高井オレフィン化反応
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高井オレフィン化反応(たかいオレフィンかはんのう、Takai olefination)は有機合成反応のひとつで、アルデヒドと gem-有機ジクロム化合物からアルケンを得る反応。高井・内本オレフィン化反応 とも。1986年の最初の報告では、ヨードホルムまたはブロモホルムに過剰の塩化クロム(II)を作用させてジクロム体を発生させ、ベンズアルデヒドと反応させてハロゲン化スチレンを得ていた[1]。現・岡山大学の高井和彦らによって開発された手法で、E体のアルケンが選択的に得られる点が長所とされる。
高井らにより提唱された反応機構では、クロム(II) が基質のハロゲン原子と置き換わりながらクロム(III) に酸化される。2個のハロゲンがクロムに置き換わり gem-ジクロム中間体が発生したところでアルデヒドへ 1,2-付加を起こして炭素-炭素結合ができる。最後にクロム(III) と酸素が脱離してアルケンとなる。ニューマン投影図から、立体障害に立体選択性が支配されたアンチ脱離と考えられている[2]。
高井らによる第2報では、反応の適用範囲が gem-ジヨードアルカンへ広げられた[3]:
脚注
[編集]- ^ "Simple and selective method for aldehydes (RCHO) -> (E)-haloalkenes (RCH:CHX) conversion by means of a haloform-chromous chloride system" Takai, K.; Nitta, K.; Utimoto, K. J. Am. Chem. Soc. 1986, 108, 7408-7410. doi:10.1021/ja00283a046
- ^ Kurti, L.; Czako, B. Strategic Applications of Named Reactions in Organic Synthesis Academic Press, 2005. ISBN 0-12-429785-4
- ^ "(E)-Selective olefination of aldehydes by means of gem-dichromium reagents derived by reduction of gem-diiodoalkanes with chromium(II) chloride" Okazoe, T.; Takai, K.; Utimoto, K. J. Am. Chem. Soc. 1987, 109, 951-953. doi:10.1021/ja00237a081