首くくり栲象
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くびくくりたくぞう 首くくり栲象 | |
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本名 | 古沢 守 |
別名義 |
古沢 宅 古澤 宅 古澤 栲 |
生年月日 | 1947年12月26日 |
没年月日 | 2018年3月31日(70歳没) |
出生地 | 日本 群馬県安中市 |
死没地 | 日本 東京都中央区 |
職業 | パフォーマー、アクショニスト、俳優、舞台美術 |
ジャンル | 舞台・映画・テレビドラマ |
活動期間 | 1965年 - 2018年 |
公式サイト | 公式サイト |
主な作品 | |
『山田孝之のカンヌ映画祭』 |
首くくり栲象(くびくくりたくぞう、1947年12月26日[1] - 2018年3月31日)は、日本のパフォーマー、アクショニスト、俳優。本名は古沢 守[2]。旧芸名は古沢 宅、古澤 宅、古澤 栲。群馬県安中市出身。
来歴
[編集]高校卒業後、演劇を目指して18歳で上京[3]。風倉匠、松澤宥、高松次郎らの薫陶を受け、ハプニング等のパフォーマンスを行う。
1969年より「首吊り」のパフォーマンスを開始。1971年には天井桟敷館にて、首吊りパフォーマンスを用いた作品『a'』を発表した[4]。しかし首吊りパフォーマンスは体への負担が大きく、後年再開するまで20年ほど行わない時期があった[5]。
1997年、50歳を目前にして「毎日首吊りをする」ことを決意。2004年には首くくり栲象に改名、自宅の庭を「庭劇場」(後述)と名付け、月に数日、首吊りパフォーマンスを公開した。
首吊りに起因し肺炎で入院[2]したり、歯が抜けた[5]こともある。2013年には肺気腫を患い入院、以降はタバコも断っていた[5]。
2010年代より、自身のドキュメンタリーなど映画への出演が増え、2017年にはテレビドラマ『山田孝之のカンヌ映画祭』にて、山田孝之や芦田愛菜らと共演。俳優として地歩を固めていたが、2018年に肺がんが見つかる[6]。同年3月31日、聖路加国際病院にて肺がんのため死去[7]。70歳没。
庭劇場
[編集]東京都国立市にある自宅の庭を開放した劇場。「くにたち庭劇場」とも称する。庭での首吊りは栲象自身の日課でもあり、非公開でも毎日行っていた。
公演にあたってはタイトルが付けられるほか、「能書き」と称する文章がしたためられることもある。
パフォーマンスは約1時間程度。その後、栲象の自宅にて飲食が振る舞われ、歓談の場となる。
人物
[編集]- パフォーマーとして活動のかたわら、大工や各種舞台の大道具として生計を立てていた[5][8]。
- 元々ボクシングの心得もあり、首吊りパフォーマンスも鍛えた肉体あってこそだったという[8]。
- 歌唱力もあり、十八番は美空ひばりの楽曲だったとのこと[9]。
作品
[編集]公演
[編集]- 『a'』(1971年、天井桟敷館)
- 東京バビロン オープニングセレモニー『消』(2002年9月8 - 10日、シアター・バビロンの流れのほとりにて)
- 『黒焦げサンキュー』(2008年2月5 - 11日、ディ・プラッツ)
- 『蝶の夢』(2009年、大地の芸術祭、野外能楽堂) - 安藤朋子と競演
- 『間人』(2016年11月20日、前橋市芸術文化れんが蔵) - 村田峰紀、山川冬樹と共演
写真集
[編集]- 首くくり栲象(宮本隆司撮影、BankART1929・ツバメ出版流通、2018年)ISBN 9784902736458
書籍
[編集]- 美空ひばり "歌う女王"のすべて(文藝春秋編、文春文庫ビジュアル版、1990年)ISBN 978-4168108150
- 古澤栲名義で「祈り/生きいそぐ薔薇――「悲しい酒」の変容をめぐって」を寄稿
- 時計の振子、風倉匠(佐野画廊、1996年5月20日)ISBN 978-4-87995-379-7
- 古澤栲名義で「バラの蕾」を寄稿
出演
[編集]ドラマ
[編集]- 山田孝之のカンヌ映画祭(テレビ東京、2017年)
- 劇中劇『穢の森』出演
映画
[編集]- Hangman Takuzo(余越保子監督、2010年)
- 首くくり栲象・方法序説(小笠原隆夫監督、2011年)
- 朱霊たち(岩名雅記監督、2013年)
- 始まりも終わりもない(伊藤俊也監督、2014年)
- 首くくり栲象の庭(堀江実監督、2016年)
- マリアの乳房(瀬々敬久監督、2018年)
- 息衝く(木村文洋監督、2018年)
- ハード・コア(山下敦弘監督、2018年)
ミュージックビデオ
[編集]漫画
[編集]- 追悼 首くくり栲象 吊りつづけて超ロングラン50年(ムコキマッソ、コアマガジン「まんが怪しい裏仕事」収録、2018年12月25日)ISBN 978-4866532738
- 生前(2006年)の取材および没後の関係者への取材を元にした作品。
追悼展示
[編集]- 窪寺雄二個展「追悼 首くくり栲象」(2018年11月13日 - 18日、ルーニィ247 fine arts)
- 特別展示「首くくり栲象」(2019年8月27日 - 31日、小山登美夫ギャラリー)
脚注
[編集]- ^ 戸籍上は1948年1月1日生まれ。
- ^ a b “パフォーマー・首くくり栲象さん死去”. 東京スポーツ (東京スポーツ新聞社). (2018年4月10日) 2022年4月14日閲覧。
- ^ 都築響一. “[追悼・首くくり栲象]早く壁にぶち当たりたいんです。”. ROADSIDERS' weekly. 2022年4月18日閲覧。
- ^ “出演=首くくり栲象”. 映画「首くくり栲象の庭」公式サイト. 堀江実. 2022年4月18日閲覧。
- ^ a b c d “首吊り続けて20年 首くくり栲象を駆り立てるもの「毎日5回はやる」”. withnews. 朝日新聞社 (2017年2月8日). 2022年4月14日閲覧。
- ^ 神庭亮介 (2018年4月6日). “首吊り続けて20年 首くくり栲象さん死去 稀代のパフォーマーは常に「生」を見つめていた”. BuzzFeed JapanNews. BuzzFeed Japan. 2022年4月18日閲覧。
- ^ 酒井透 (2018年9月17日). ““首吊りパフォーマンス”首くくり栲象さんの「首吊り哲学」が深すぎる! 自殺志願者も改心させる迫力とは?”. TOCANA. サイゾー. 2022年4月18日閲覧。
- ^ a b ムコキマッソ『まんが怪しい裏仕事』コアマガジン、2018年、39頁。ISBN 978-4866532738。
- ^ 大井恒行 (2018年12月11日). “大井恒行「乙女椿栲(たく)は枇杷・十薬だったのか」(宮本隆司写真集『首くくり栲象』に寄せて)・・”. 大井恒行の日日彼是. 2022年4月20日閲覧。