青い自動車
青い自動車 小型クーペのスージー | |
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Susie the Little Blue Coupe | |
監督 | クライド・ジェロニミ |
脚本 |
ビル・ピート ドン・ダグラディ |
原案 | ビル・ピート |
製作 | ウォルト・ディズニー |
ナレーター | スターリング・ホロウェイ |
出演者 | スタン・フリーバーグ |
音楽 | ポール・J・スミス |
製作会社 | ウォルト・ディズニー・プロダクション |
配給 | RKO |
公開 | 1952年6月6日 |
上映時間 | 7分36秒 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
前作 | 優しきライオン・ランバート |
次作 | 小さな家 |
『青い自動車』(あおいじどうしゃ、原題: Susie the Little Blue Coupe)は、1952年のアメリカ合衆国のアニメーション短編映画[1][2]。一部のホームメディアでは、『小型クーペのスージー』(こがたクーペのスージー)という邦題で収録された[3]。
ビル・ピートの短編小説を原作に、クライド・ジェロニミが監督を務めた。ウォルト・ディズニー・プロダクション(現: ウォルト・ディズニー・カンパニー)製作。擬人化された自動車が主人公の物語で、スペシャル・アニメの第8作。日本では何度かアニメ絵の絵本として発刊されている。
ストーリー
[編集]主人公のスージーは、自動車ディーラーのショールームに飾られている、ブルーの小型クーペ。ある日、店の前をたまたま通りかかった男性の目に留まり、スージーは購入されていく。彼女は激しい交通の流れや威圧的なリムジンなどに戸惑いつつも、元気に走り続けた。
しかし走行距離が延びてくると不具合が多くなり、修理工場に入れられたものの結局は売却されてしまう。他のくたびれた車と一緒に中古車店に並べられたスージーだが、しばらくして次のオーナーが彼女を購入していく。しかし新しいオーナーとなった男性の家には車庫がなく、スージーは路上駐車され、寒い夜でも震えながら外にいなければならなかった。
そんなある日、自動車窃盗犯がスージーを盗んでいってしまう。無線で通報を受けたパトカーとカーチェイスを繰り返すが、ほどなく路面電車と衝突し逃走は終了。この事故で大破したスージーはレッカー車でくず鉄置き場へと連れて行かれてしまった。
自動車の墓場のようなくず鉄置き場で無残な姿を晒すスージーだったが、自分で自動車を作ろうとする青年に購入される。青年はスージーを綺麗に修理し、彼女はまた元気に走れるようになったのだった[4]。
キャスト
[編集]吹き替えは旧声優のもの。新吹き替え版は八代駿のみ。
- スージー、ナレーター: 土井美加
- 店長: 江原正士
- スーツの青年: 関時男
- 修理屋: 金尾哲夫
- オーナー: 吉水慶
- 路面電車: 内田稔
- いじわるな車: 伊藤和晃
- 中古車店店長: 小山武宏
- 無線の声: 下川久美子
- 青年、信号機: 牛山茂
- くず鉄置き場の店長: 西本裕行
スタッフ
[編集]- 監督: クライド・ジェロニミ
- 原画: ボブ・カールソン、オリー・ジョンストン、ハル・キング、クリフ・ノードバーグ、
- エフェクト原画: ジョージ・ローリー
- 脚本: ビル・ピート
- 美術: ヒュー・ヘネシー、ドン・グリフィス
- 背景: ラルフ・ヒューレット
- 音楽: ポール・スミス
- 本作品のコンセプトアートをメアリー・ブレアが担当した。[5][6]
メディア展開
[編集]ホームメディア
[編集]アメリカでは、『ラブ・バッグ』や『イカボードとトード氏』のDVDにボーナス・エピソードとして本作が収録された[7][8]。また、『イッツ・ア・スモールワールド・オブ・ファン Vol.2』のDVDにも収録された[9]。
日本では、2005年2月18日にブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメントよりリリースされた『ミッキーとミニーはなかよし』に『小型クーペのスージー』のタイトルで収録された[3]。
絵本
[編集]日本では1960年に創刊された講談社ディズニー絵本[10]の16巻として1961年に絵本が発行され、児童文学者の柴野民三が翻訳[11]を行った。このシリーズはディズニープロから直輸入した原色版フィルムのエクタクロームを原盤に使ったいわゆるテレビ絵本で、映画とは違った文学的生命を与えたと評された[10]。絵本はその後も装丁や文を変えて刊行が続いている。
サウンドドラマ
[編集]日本コロムビアが1965年に他のディズニー作品とともにサウンドドラマ『コロムビアディズニー漫画・青い自動車』としてLPレコードをリリースした。この作品ではスージー役を天地総子が務め、日本独自の挿入歌として大西修の作・編曲による「かわいいクーペ」と「さびしい夜」の二曲が使用された。
作品の評価
[編集]後の作品への影響
[編集]フロントガラスを目やまぶたに見立て、車を擬人化する手法は、2006年のディズニー・ピクサー長編アニメ『カーズ』やその続編、スピンオフ作品のインスピレーションとなった[12]。
著作権の状態
[編集]作品全体の著作権は更新されなかったが、その中の音楽は更新された[13]。事実上、本作の映像はパブリックドメインだが、作品全体がパブリックドメインになるのは、現在のアメリカ著作権法では2048年ということになる。
その後の出演
[編集]スージーは『ハウス・オブ・マウス』のエピソード「マックスの新しい車」と、2023年の短編アニメ映画『ワンス・アポン・ア・スタジオ -100年の思い出-』にカメオ出演している[14]。
脚注
[編集]- ^ “Susie the Little Blue Coupe is Released” (英語). D23 (1952年6月6日). 2024年1月18日閲覧。
- ^ Lenburg, Jeff (1999). The encyclopedia of animated cartoons (2nd ed ed.). New York: Facts on File. ISBN 978-0-8160-3831-2
- ^ a b (日本語) ミッキーとミニーはなかよし|ブルーレイ・DVD・デジタル配信|ディズニー公式 2024年1月18日閲覧。
- ^ Peet, Bill; Walt Disney Productions (1951), Susie, the Little Blue Coupe, Internet Archive, S.L. : Walt Disney Productions 2024年1月18日閲覧。
- ^ & 長崎県美術館年報 2014.
- ^ WALT DISNEY ARCHIVES.
- ^ “The Love Bug: Special Edition DVD Review”. dvdizzy.com. 2024年1月18日閲覧。
- ^ “The Adventures of Ichabod and Mr. Toad DVD Review”. dvdizzy.com. 2024年1月18日閲覧。
- ^ “Walt Disney's It's a Small World of Fun! Volume 2 DVD Review”. dvdizzy.com. 2024年1月18日閲覧。
- ^ a b 文入 1960.
- ^ & 日本総合図書目録 1961, p. 71.
- ^ Wallis, Michael (2015). The Art of Cars. Suzanne Fitzgerald. San Francisco, CA: Chronicle Books LLC. pp. 14. ISBN 978-1-4521-4722-2. OCLC 927106064
- ^ “U.S. Copyright Office Public Records System”. publicrecords.copyright.gov. 2024年1月18日閲覧。
- ^ Gable, Melanie (2023年10月15日). “The making of the emotional 'Once Upon a Studio' Disney short” (英語). Attractions Magazine. 2024年1月18日閲覧。
参考文献
[編集]- 文入 (08 1960). “出版ニュース 雑誌にゆうず”. 本の本 (大阪屋東京支店) 220: 24-26. NDLJP:83564512/14.
- 日本総合図書目録 児童書編 1962年版 (日本書籍出版協会): 71. (1961). NDLJP:2986811/40.
- Music monthly (月刊ミュジック社) 152: 72. (08 1965). NDLJP:1761337/49.
- “DISNEY LEGENDS - MARY BLAIR”. WALT DISNEY ARCHIVES. 2024年4月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年7月25日閲覧。
- 長崎県美術館年報 平成24年度 (長崎県美術館) 7: 12. (03 2014). NDLJP:10367496/1.