コンテンツにスキップ

関東鉄道キハ310形気動車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
国鉄キハ10系気動車 > 関東鉄道キハ310形気動車
関東鉄道キハ310形気動車
関東鉄道 キハ315-316
(2020年5月2日 小絹駅水海道駅間)
基本情報
製造所 大栄車輌(311・312)
新潟鐵工所(313 - 318)
製造数 1977年 - 1979年
運用終了 2023年7月12日
主要諸元
編成 2両1編成
軌間 1,067mm
車両定員 140名(うち座席61名)[1]
自重 30.0t(空車)[1]
全長 20,100mm[1]
全幅 2,880mm[1]
全高 3,865mm[1]
台車 DT19(動力台車/318を除く台車交換前)[2]
DT22A(動力台車/318を除く台車交換後)[2][注釈 1]
DT22B(動力台車/318のみ)[3]
DT19(付随台車/318を除く台車交換前)[3]
TR51A(付随台車/311・312・313・316の台車交換後)[3]
TR51B(付随台車/315・317の台車交換後・318は入線当初より)[3]
機関 DMH17B(318を除く入線当初)[1]
DMH17C(318のみ入線当初)[1]
機関出力 180 HP[1]
変速機 いずれも液体変速機[4]
DF-115(311・312を除く)
TC-2(311・312のみ)[4]
歯車比 2.976[4]
制動装置 DA-1[4]
テンプレートを表示

関東鉄道キハ310形気動車(かんとうてつどうキハ310がたきどうしゃ)は、関東鉄道にかつて在籍していた通勤型気動車である。

国鉄キハ10系気動車を譲り受けた車両で、車歴も引き継いでいる[5]が、実際には全ての車両が車体を新造した上で運用へ投入されており[5]、実質的には「主要な機器を車体付で購入した」という意味合いが強い[5]。8両が製造されたが、1996年平成8年)に2両が廃車された[2]

2017年5月27日には「乗り納め!?キハ313・314号満喫乗車会」というイベントが行われ、取手方から314+313+318+317+007という5両編成での運転が行われた。

2019年には キハ318-317号が休車になっており、2022年現在は車両基地の南側に同じく休車の キハ008-007 キハ006-005号と並んで留置されている。

また、2022年3月のダイヤ改正によりキハ0形・キハ310形の平日ダイヤでの運行が激減し、日によっては走らない場合がある。

車両概説

[編集]

本節では、登場当時の仕様を記述する。

キハ310形は全長20,100 mmの全金属製車体で[1]、全幅は2,880 mmである[1]。種車となったキハ10系との新旧番号対照については、巻末の車両一覧を参照。

正面は貫通扉付正面3枚窓で、キハ600形と同様のデザインである[6]。乗降口は片側に両開き扉を3箇所配置し、室内側にはステップはないが緩やかなスロープとなっている[7]。車内の座席配置はロングシートである[7]。連結面側の貫通路には貫通は設置されておらず[6]、扉には「非常用通路」のステッカーが貼られている[6]

走行用機関は、種車となったキハ10系が搭載していたDMH17B形ディーゼルエンジンをそのまま使用した。台車についても種車が装備していたDT19形(動力台車)・TR49形(付随台車)であるが、キハ318については種車となったキハ17 173が国鉄時代に台車をDT22形(動力台車)・TR51形(付随台車)に交換していたため[6]、そのまま使用している。

運用

[編集]
落成直後のキハ313(1978年3月撮影 寺原駅付近)
関東鉄道キハ310形リバイバル塗装車
引退に伴いヘッドマークが取り付けられたキハ315-316

1977年(昭和52年)1月にキハ311・キハ312が大栄車輌で改造後に運用を開始した[6]。その後、同年6月には新潟鐵工所で4両が改造され[2]、さらに1979年(昭和54年)4月に新潟鐵工所製の2両が入線した[2]


キハ318以外は台車に国鉄キハ10系の印象を残していた[2]が、1983年(昭和58年)にはキハ318を除く7両について、DT19形台車からDT22形台車へ[6]、TR49形台車はTR51形台車への交換が行なわれた[6][注釈 1]。この結果、外観上は国鉄キハ10系の印象が全く見られなくなり[6]、同時にゴムばね特有の乗り心地も解消された。

その後、キハ2100形が増備されたことに伴い、キハ311・キハ312は1996年(平成8年)3月31日付で廃車となった[2]。その後の冷房化および機関更新工事の際、行先方向幕の設置とそれに伴う前照灯の移設、貫通幌の設置、側扉の交換が実施されたことによって、現在ではキハ0形との差異はほとんど見られなくなっている。

リバイバル塗装を施されていたキハ313・314は、2017年(平成29年)5月27日の「乗り納め!?満喫乗車会」をもって運用を離脱しており、2019年(平成31年)2月16日の「キハ313・314号さよなら撮影会」をもって廃車となった[8][9]

残るキハ315・316号も2023年7月12日をもって定期運行を終了。 同年7月15、16日催行の「キハ315・316号さよなら乗車・撮影会」をもって廃車となった[10]

車両一覧

[編集]
  • 国鉄キハ17 23→関東鉄道キハ311[11]
  • 国鉄キハ17 24→関東鉄道キハ312[11]
  • 国鉄キハ16 4→関東鉄道キハ313[11]
  • 国鉄キハ16 94→関東鉄道キハ314[11]
  • 国鉄キハ17 171→関東鉄道キハ315[11]
  • 国鉄キハ17 187→関東鉄道キハ316[11]
  • 国鉄キハ16 6→関東鉄道キハ317[11]
  • 国鉄キハ17 173→関東鉄道キハ318[11]

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ a b ただし、キハ314のみ付随台車についてもDT22A形で代用している[3]

出典

[編集]

参考文献

[編集]

書籍

[編集]
  • 森本富夫、諸河久『私鉄の車両8 関東鉄道』保育社、1985年。ISBN 4586532084 

雑誌記事

[編集]