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長田佳世

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ながた かよ

長田 佳世
生誕 日本の旗 大阪府大阪市
出身校 ワクイ バレエスクール
ロシアの旗 ボリショイ・バレエ学校
職業 バレリーナ
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長田 佳世 (ながた かよ、1978年? - ) は、日本バレリーナ

大阪市出身。ボリショイ・バレエ学校卒。1997年秋から2017年1月までのべ18年にわたってロシアと日本のバレエ団で活躍した。最終階級は新国立劇場バレエ団プリンシパル[1]

ポール・ド・ブラの美しさ[2]が指摘されており、踊りは「繊細」[3]「柔らか」と評されていた。

来歴

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書店を経営する両親[4]の長女として大阪市に生まれる。小学4年・10歳のとき、森下洋子主演の 『くるみ割り人形』 を観たことをきっかけとして[4]、市内の都島区で教室を開いていた涌井三枝子にバレエを習い始めた。最初は週に一度のレッスンだったが徐々に没頭するようになったという。同窓生には後に宝塚の俳優となる柚希礼音もいた。

大阪福島女子高校2年生のとき[5]モスクワにあるボリショイ・バレエ学校(МГАХ)の5年生に編入。まもなく6年生のクラスに移り、卒業までの3年間、のちに校長となるマリーナ・レオーノワに師事した。ボリショイ・バレエ団で2005年にバレリーナとなるスヴェトラーナ・ルンキナはこのときの同窓生の一人だった[6]1997年の卒業試験において長田は全ての学課で最高点の「5」を獲得した[7]

卒業後はV・ゴルデーエフが率いる国立ロシア・バレエ団に入団し、2年間所属していた。1999年秋、創設から半年後のKバレエカンパニーに移籍。Kバレエには2008年3月末まで約9年間在籍し、『白鳥の湖』 のオディール(黒鳥)、『ドン・キホーテ』 のキトリ、『パキータ』 のタイトルロールなどの主役を踊った。Kバレエでの最終階級はファースト・ソリスト[注釈 1]

2009年9月、新国立劇場バレエ団にソリストの階級[注釈 2]で入団した。在籍2年目の2010年12月、アシュトン版 『シンデレラ』 のタイトルロールを踊る[注釈 3]。2011年9月からファースト・ソリストとなり、11月にはデヴィッド・ビントレーによる新制作 『パゴダの王子』 の初演2日目で主役のさくら姫を踊った。2013年2月には 『ジゼル』 の主役、3月には中村恩恵の新作 『Who is“Us”?』 で女性役を踊り、同シーズン終了後にプリンシパルに昇格した[8]

2016年12月19日の新国立劇場公演 『シンデレラ』 に主演した後、2017年1月22日日本バレエ協会公演 『ラ・バヤデール』 の主役ニキヤを最後に現役を引退した[9]

主な出演歴

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演目 相方 振付 バレエ団
2000 スコッティシュ・ダンス
-
ビントレー Kバレエ
2002 眠れる森の美女 フロリナ王女 S・キャシディ 〔青い鳥〕 熊川改訂
2006 優しさの精
-
2003 ジゼル ミルタ
-
白鳥の湖 オディール 熊川 哲也
2004 ドン・キホーテ キトリ 芳賀 望
2006 コッペリア 祈り
-
2007 くるみ割り人形 マリー姫 輪島 拓也
2003 ファサード ポルカ[10]
-
アシュトン
フー・ケアーズ (プリンシパル) 熊川 哲也 バランシン
2007 パキータ パキータ N・ヴィユウジャーニン プティパ
遅沢 佑介
2008 旅芸人 若い男にあこがれる女 佐々木 大 〔若い男〕 松崎 すみ子 日本バレエ協会
2012 L'espirit Blanc[11] (メヌエット) 厚地 康雄 山本 康介
2018 ホルベアの時代から (女性) 高比良 洋
2017 ラ・バヤデール ニキヤ 橋本 直樹 法村改訂
2009 ドン・キホーテ 第2ヴァリエーション
-
ファジェーチェフ改訂 新国立劇場バレエ団
2016 街の踊り子
2009 くるみ割り人形 葦の精
-
改訂
中国 吉本 泰久
2013 金平糖の精 M・トゥレウバエフ
2015 奥村 康祐
2010 白鳥の湖 小さい4羽の白鳥
-
2012 パ・ド・トロワ 奥村 康祐
江本 拓
ハンガリー 古川 和則
2014 オデット/オディール 奥村 康祐
2011 ラ・バヤデール 第1ヴァリエーション
-
ガムザッティ 山本 隆之 〔ソロル〕
2015 福岡 雄大 〔〃〕
ニキヤ 菅野 英男
2010 シンフォニー・イン・C (第1楽章プリンシパル) 福岡 雄大 バランシン
2013 コンチェルト・バロッコ (第2女性プリンシパル) 山本 隆之
アポロ ポリヒムニア 福岡 雄大
2015 テーマとヴァリエーション (プリンシパル) 奥村 康祐
2010 シンデレラ シンデレラ 福岡 雄大 アシュトン
2012 菅野 英男
2014 奥村 康祐
2011 アラジン ルビー 厚地 康雄 ビントレー
2016 中家 正博
2011 パゴダの王子 さくら姫 芳賀 望
2014 エピーヌ
-
2012 シルヴィア マーズ
-
2013 テイク・ファイブ スリー・トゥ・ゲット・レディー
-
2014 ファスター 跳ぶ 小口 邦明 ・輪島 拓也
カルミナ・ブラーナ ロースト・スワン
-
2012 アンナ・カレーニナ アンナ M・トゥレウバエフ 〔カレーニン〕
厚地 康雄 〔ヴロンスキー〕
エイフマン
2013 ジゼル ジゼル 菅野 英男 セルゲーエフ改訂
Who is “Us” ? (女性) 江本 拓 ほか 中村 恩恵
solo for 2 (パルティータ第1番 アルマンド
-
金森 穣
2014 大フーガ (4人の女性) 菅野 英男 H・ファン・マネン
眠れる森の美女 オーロラ姫 イーグリング改訂
フロリナ王女 奥村 康祐 〔青い鳥〕
2015 ホフマン物語 オリンピア 福岡 雄大 P・ダレル
2016 ラ・シルフィード シルフィード 菅野 英男 ブルノンヴィル

は演目の主役を表す。★は当該作品の初演・初日への出演、☆は初日ではないものの、一連の初演の中で出演したことを表す[注釈 4]。同じ役・相方での同一演目の出演は最初の年のみ記した。

注釈

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  1. ^ 2008年3月当時、ゲストを除くKバレエのダンサーには7つの階級 (プリンシパル、ファースト・ソリスト、ソリスト、ジュニア・ソリスト、ファースト・アーティスト、アーティスト、研修生) があり、ファースト・ソリストは上から2番目の序列だった。
  2. ^ 2009年9月当時、新国立劇場バレエ団の契約ダンサーには6つの階級 (プリンシパル、ファースト・ソリスト、ソリスト、コリフェ、コール・ド・バレエ、準コール・ド・バレエ) があり、ソリストは上から3番目の序列だった。
  3. ^ このときの公演評に桜井の前掲記事[2]と稲田奈緒美 「新国立劇場バレエ団 『シンデレラ』」(ダンス・タイムズ 2010年12月6日)がある。
  4. ^ 世界初演のみを問題とし、他のバレエ団や舞台で上演済みのいわゆる「バレエ団初演」は無印とする。

出典

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  1. ^ シーズン契約ダンサー」、新国立劇場バレエ団 〔※2016年9月時点のアーカイブ〕
  2. ^ a b “・・・美しい腕のラインは絶えず温かさを感じさせる。” (桜井多佳子 「新国立劇場バレエ団「シンデレラ」--関西出身者の好演光る」、日本経済新聞 地方経済面・近畿特集、2010年12月21日)
  3. ^ “・・・カヨの踊りはあくまでも繊細だ” (涌井三枝子 『バレリーナ世界を駆ける』 機関紙出版、1997年、ISBN 4-88900-802-0、p.45)
  4. ^ a b 「ピアスの忘れ物から8年」 (週刊新潮 2010年10月14日号 〔第55巻第39号〕 p.114)
  5. ^ 「浪速娘が挑戦 世界のプリマ」 読売新聞大阪版 1994年7月6日朝刊
  6. ^ 桜井多佳子 「海外バレエ事情 ボリショイ・バレエ学校」(『バレリーナへの道』 No.17、文園社、1997年8月、ISBN 4-89336-107-4、pp.86-88.)
  7. ^ ibid., レオーノワの証言。
  8. ^ 2013/2014シーズン 新国立劇場バレエ団ダンサーの昇格についてのお知らせ」、新国立劇場、2013年6月30日
  9. ^ 新国立劇場バレエ団プリンシパル 長田佳世が現役を引退」、新国立劇場、2016年10月20日
  10. ^ 『Kumakawa 1999~2009 : K-Ballet Company』、石飛由美子 監修、TBSサービス、2010年、ISBN 978-4-904345-00-9、p.92.
  11. ^ 宮本珠希 「平成24年度 Ballet クレアシオン」、ダンス・タイムズ 2012年12月5日

公式サイト

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