進化主義
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進化主義(しんかしゅぎ、evolutionism)は、世界中の未開社会の情報を網羅すれば、人類の文化がどのように進化したかを描くことができるとする考え方のことである。
- 社会の進化にはスピードの差がある
- 未開社会から近代西欧社会への一元的進化
- 現在の異文化の姿は過去の社会の姿である
という3つの仮定を理論の前提としている。
後に機能主義の人類学に「アームチェア・アンソロポロジスト」と揶揄される。
古典的進化主義
[編集]一線的文化進化論ともいう。ハーバート・スペンサーの社会進化論は、進化という言葉を広く普及させた。法学者のJ・J・バッハオーフェンは『母権論』(1861)で、人類の最初の社会は乱婚とし、そこから母権社会が生まれ、やがて父権社会に移行すると考えた[1]。『古代法』(メーン 1861)は古代ローマを事例に、血縁社会から地縁社会への発達を考えた。
タイラー
[編集]エドワード・バーネット・タイラーはアニミズムを宗教の原初段階とし、精霊崇拝、多神教、一神教へと発達すると考えた。また文化には発展し、機能を失っても残存する部分があるとして、文化進化の前段階を再構築するための手がかりと考えていた[2]。
モーガン
[編集]ルイス・ヘンリー・モーガンは、親族名称の体系に着目して組織原理について研究し(『人類の血族と婚姻の諸体系』)、さらに政治集団・財産の所有・生産文化を総合的に関連させた社会史を構想した[3]。
新進化主義
[編集]多線的文化進化論ともいう
関連項目
[編集]参考文献
[編集]- 村武慶,大貫良夫 (1991). “文化の変動”. In 村武精一、佐々木宏幹. 文化人類学. 有斐閣
- Andrey Korotayev, Artemy Malkov, Daria Khaltourina, 丘雄二/訳「社会のマイクロダイナミクス:世界システムの成長とコンパクト・マクロモデル」情報社会学会誌 Vol.2 No.1
脚注
[編集]- ^ JJ バッハオーフェン 著、岡道男, 河上倫逸 訳『母権論―古代世界の女性支配に関する研究 その宗教的および法的本質』みすず書房、1991年。
- ^ E.B.Taylor (2007) [1871]. Primitive culture: researches into the development of mythology,philosophy, religion, art, and custom.. Kessinger Pub Co. pp. 1. ISBN 142863830X
翻訳:E.B.タイラー 著、比屋根安定 訳『原始文化』誠信書房、1962年。 - ^ L.H.モーガン 著、青山道夫 訳『古代社会』岩波書店〈岩波文庫〉。