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越後伝吉

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

越後 伝吉(えちご でんきち)は、講談歌舞伎などに登場する人物。大岡政談に付会される。

津村淙庵の「譚海」にしるされた物語が神田伯龍が述作した講談、実録においておこなわれた。

あらすじは、越後国の伝吉は父の遺言によって、不身持ちで家出したおば、お早の面倒を見、その娘お梅と結婚したが、家産が傾いたので江戸に出て吉原の三浦屋に奉公し、苦労したあげく100両のたくわえをもって故郷に帰る途中、護摩の灰(ごまのはい。旅人をよそおった盗賊)につけられたので、野尻の近江屋の女中おせんの好意でかねをあずかってもらい、証拠の櫛をふところに家に帰ると、お早母子は庄次父子と密通し、伝吉の帰郷を邪魔がって猿島河原の飛脚ごろしの罪をなすりつけ、野尻の宿にあずけた100両をだましとったので、おせんが苦労して大岡忠相に訴えてことの理非が明白となり、伝吉は青天白日の身となり、あらためておせんと結婚した。