起雲閣
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起雲閣(きうんかく)は静岡県熱海市昭和町にある近代建築。熱海市指定有形文化財。
概要
[編集]1919年(大正8年)に実業家・政治家の内田信也が実母の静養のための別邸として建設。1925年(大正14年)に実業家・根津嘉一郎が内田から土地・建物を取得し根津別邸となり、洋館を増築。岩崎別荘、住友別荘と並び「熱海の三大別荘」と賞賛された。
1947年(昭和22年)に金沢でホテルを経営していた桜井兵五郎が取得し「起雲閣」と名付け旅館として開業。熱海を代表する宿として、山本有三、志賀直哉、谷崎潤一郎、太宰治、舟橋聖一、武田泰淳などの文豪たちにも愛された[1]。1958年(昭和33年)には三島由紀夫が新婚旅行で宿泊した。また、仲代達矢や竹下景子も新婚旅行で宿泊している。
1992年12月には将棋の第5期竜王戦第6局の対局場となった(谷川浩司対羽生善治、孔雀の間)。
日本観光株式会社が所有し旅館として営業を続けていたが、1999年に日本観光が破産。熱海市が取得の意向を表明し、市議会での可決を経て2000年に12億円で取得し、以降は熱海市所有の観光施設となっている[2]。
日本近代建築の特徴を備えており、暖炉やガラスの採光、そしてローマ風呂といった大正時代以降のモダンな建築様式が残っている。
その外観や内装から、多くの映画・ドラマの撮影場所としても使用されている。
施設
[編集]- 和館2棟「麒麟・大鳳」「孔雀」
- 洋館2棟「玉姫・玉渓」「金剛・ローマ風浴室」
- 表門(正門)「薬医門」
- 常設展示室3室「文豪の間・初霜」「尾崎紅葉の間・春風」「坪内逍遙の間・松風」
- 企画展示室
- 体験工房
- 貸出部屋(ギャラリー、和室「鶯・千鳥・雲雀」、和室「藤・蔦・萩」、音楽サロン)
- 喫茶室やすらぎ
- 土蔵
登場する作品
[編集]- 映画『雪夫人絵図』(1950年、新東宝)
- ドラマ『不毛地帯』(2010年、フジテレビ)
- ドラマ『警部補 矢部謙三2』(2013年、テレビ朝日)[3]
- ドラマ『山田くんと7人の魔女』(2013年、フジテレビ)[4]
- 連続テレビ小説『花子とアン』(2014年、NHK)
- ドラマ『HERO』(2014年、フジテレビ)[5]
- ドラマ『上流階級〜富久丸百貨店外商部〜』(2015年、フジテレビ)[6]
- ドラマ『岸辺露伴は動かない』(2021年、NHK)
- 村上みつぐの歌「熱海恋しぐれ」PV
脚注
[編集]外部リンク
[編集]- 起雲閣【きうんかく】公式
- 起雲閣へようこそ - 熱海市
座標: 北緯35度5分34.3秒 東経139度4分15.4秒 / 北緯35.092861度 東経139.070944度