コンテンツにスキップ

起雲閣

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
起雲閣
起雲閣 内田信也別邸 同 根津嘉一郎別邸
起雲閣 内田信也別邸
同 根津嘉一郎別邸

起雲閣(きうんかく)は静岡県熱海市昭和町にある近代建築。熱海市指定有形文化財

概要

[編集]

1919年大正8年)に実業家・政治家の内田信也が実母の静養のための別邸として建設。1925年(大正14年)に実業家・根津嘉一郎が内田から土地・建物を取得し根津別邸となり、洋館を増築。岩崎別荘、住友別荘と並び「熱海の三大別荘」と賞賛された。

1947年昭和22年)に金沢でホテルを経営していた桜井兵五郎が取得し「起雲閣」と名付け旅館として開業。熱海を代表する宿として、山本有三志賀直哉谷崎潤一郎太宰治舟橋聖一武田泰淳などの文豪たちにも愛された[1]。1958年(昭和33年)には三島由紀夫が新婚旅行で宿泊した。また、仲代達矢竹下景子も新婚旅行で宿泊している。

1992年12月には将棋第5期竜王戦第6局の対局場となった(谷川浩司羽生善治、孔雀の間)。

日本観光株式会社が所有し旅館として営業を続けていたが、1999年に日本観光が破産。熱海市が取得の意向を表明し、市議会での可決を経て2000年に12億円で取得し、以降は熱海市所有の観光施設となっている[2]

日本近代建築の特徴を備えており、暖炉やガラスの採光、そしてローマ風呂といった大正時代以降のモダンな建築様式が残っている。

その外観や内装から、多くの映画・ドラマの撮影場所としても使用されている。

施設

[編集]
ローマ風浴室
文豪の間
  • 和館2棟「麒麟・大鳳」「孔雀」
  • 洋館2棟「玉姫・玉渓」「金剛・ローマ風浴室」
  • 表門(正門)「薬医門」
  • 常設展示室3室「文豪の間・初霜」「尾崎紅葉の間・春風」「坪内逍遙の間・松風」
  • 企画展示室
  • 体験工房
  • 貸出部屋(ギャラリー、和室「鶯・千鳥・雲雀」、和室「藤・蔦・萩」、音楽サロン)
  • 喫茶室やすらぎ
  • 土蔵

登場する作品

[編集]

脚注

[編集]

外部リンク

[編集]

座標: 北緯35度5分34.3秒 東経139度4分15.4秒 / 北緯35.092861度 東経139.070944度 / 35.092861; 139.070944