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この項目では、半導体工学における質量作用の法則について説明しています。その他の使い方については「質量作用の法則」をご覧ください。 |
熱平衡の場合、自由電子濃度と自由正孔濃度の積は真性キャリア濃度の二乗に等しい。
真性キャリア濃度は、温度の関数である。
半導体における質量作法の法則の式は、
で表される[1]。
半導体において自由電子と正孔は、電気伝導を与えるキャリアである。
キャリアの数がバンド状態の数より遥かに小さい場合、キャリア濃度はボルツマン分布で近似でき、以下の結果を与える。
自由電子濃度nは次のように近似できる。
ここで
- Ecは伝導帯のエネルギー
- EFはフェルミ準位
- kはボルツマン定数
- Tはケルビン単位の温度
- Ncは伝導帯端での有効状態密度で、と与えられる。ここでm*eは電子の有効質量、hはプランク定数である。
自由正孔濃度pも同様な式で与えられる。
ここで
- EFはフェルミ準位
- Evは価電子帯のエネルギー
- kはボルツマン定数
- Tはケルビン単位の温度
- Nvは価電子帯端での有効状態密度で、と与えられる。m*hは正孔の有効質量、hはプランク定数である。
上述のキャリア濃度の式を用いると、質量作用の法則は次のように書ける。
ここでEgはバンドギャップエネルギーEg = Ec − Evである。
- ^ S, Salivahanan; N. Suresh Kumar (2011). Electronic Devices & Circuits. India: Tata McGraw Hill Education Pvt Ltd. pp. 1.14. ISBN 0-07-070267-5