蝦夷志
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蝦夷志(えぞし)は、日本最初の本格的な蝦夷地の地誌で、後の蝦夷地研究の先駆をなした。
概要
[編集]新井白石が 享保5年(1720年)に松前藩の情報や内外の諸書を参考にして作成した、体系的な蝦夷地誌(漢文)。現在の北海道、樺太、千島の山川、風俗、産物が記され、この写本の巻末には十余枚の貴重な彩色アイヌ風俗画が付けられている。画家は不明であるが、アイヌの衣服など絵画が細密に描かれており、当時のアイヌの風俗を知るうえで重要な文献になっている。絵師が実際にアイヌ人らの生活を直接観察して描かれ、図版の繊細度、色彩等、現存の写本の中では保存状態がよい。序、蝦夷地図説、本文という構成で、本文はさらに蝦夷(北海道)、北蝦夷(樺太)、東北諸夷(千島列島)の3部からなっている。巻末には人物や武具などの図が綿密かつ色彩豊かに描かれている。なお、白石は前年にも『南島志』を著しており、蝦夷(北海道)、琉球(沖縄)を政論的な意味で日本の周辺地域として注目していた。[1]