藏内勇夫
藏内 勇夫(くらうち いさお、1953年(昭和28年)12月7日 - )は、日本の獣医師、政治家。日本獣医師会会長(第12代)、福岡県議会議員。元自由民主党福岡県連会長。
人物・略歴
[編集]1953年福岡県筑後市出身。1972年3月に福岡県立八女高等学校卒業。1979年3月に日本大学農獣医学部獣医学科卒業。1987年に福岡県議会議員、1993年に福岡県獣医師会会長、1996年に日本獣医師会理事、2001年に第54代福岡県議会議長、2005年に日本獣医師会副会長、2010年3月に九州大学大学院博士課程修了(農学博士学位取得)、2013年に第12代日本獣医師会会長就任。
藏内修治代議士に巡り会い、その政治基盤を継承したことにより、政治家としての活動をスタートしている。獣医資格をもち、公職を多数もっている。
また、自由民主党筑後支部支部長の要職にもある。麻生太郎の地元の盟友でもあり、息子の謙は2016年10月23日に行われた衆議院福岡県第6区の鳩山邦夫衆院議員の急死に伴う補選に麻生の支援を受けて出馬したが、菅官房長官の支援を受けた鳩山二郎に惨敗している[1]。2019年4月7日投開票の福岡県知事選では過去2回支援した現職の小川洋ではなく元厚生労働官僚の武内和久を麻生が擁立を主導、藏内が推薦したが大敗し、党県連会長職を引責辞任する意向を明らかにした[2]。
経歴
[編集]- 1979年(昭和54年)4月 - 臨床獣医師。
- 1980年(昭和55年)7月 - 国会議員秘書。
- 1987年(昭和62年)4月 - 福岡県議会議員初当選、以後8期連続当選。
- 2001年(平成13年)5月 - 福岡県議会議長。
- 現在
- 自由民主党福岡県支部連合会相談役。
- 九州の自立を考える会会長。
- 警察常任委員会委員。
- 広域行政推進対策調査特別委員会委員。
主張
[編集]獣医学部設置反対
[編集]2015年6月22日の獣医学会第2回理事会において、今治市の特区申請を視野に日本獣医学会の藏内は麻生太郎と下村博文に、日本獣医師政治連盟委員長の北村直人は地方創生担当大臣の石破茂と折衝し、「一つ大きな壁を作っていただいている状況である」とし、北村の努力の結果として石破等から「いくつかの規制がかけられた」として、「石破4条件」への寄与について報告している[3][4]。同年9月9日の獣医学会第4回理事会において、藏内と石破、北村が会談し、北村は石破から「今回の成長戦略における大学、学部の新設の条件については、大変苦慮したが、練りに練って誰がどのような形でも現実的に参入は困難という文言にした」と聞いたと述べている[5]。産経新聞は、「石破4条件」により獣医学部新設が極めて困難となったとしている[6]。石破は産経新聞の取材に、獣医師会からの4条件盛り込み要請はなかったと回答している[3]。
2016年11月22日の獣医師会のメールマガジンでは、藏内が「必ずや将来に禍根を残すであろう無責任な決定に対し、総力を挙げて反対して行きましょう」と発信し[6]、11月28日には、内閣府主導で行っている国家戦略特別区域諮問会議における「岩盤規制改革」については「獣医学部の新設が次々と認可されるような事態は、何としてでも阻止しなければなりません」と主張、地方の同会会長へ、獣医学部新設に関わる反論の提出を求める旨を通達している[7]。2017年1月30日発行のメールマガジンにおいて「粘り強い要請活動が実り、関係大臣のご理解を得て、何とか『1校限り』と修正された」と所属会員に報告している[8]。
週刊新潮は2017年7月19日に、地方創生担当相の山本幸三が2016年11月17日に藏内と面会した際、「四国は、感染症にかかる水際対策ができていなかったので、新設することになった」と発言したことが獣医師会側の議事録に記載されていると報じた[9]。山本は発言内容を否定している[10]。官房長官の菅義偉は、山本と日本獣医師会との面会時に、藏内が「獣医学部の新設には四国と京都の名前があがった」と発言していると述べ、「加計ありき」ではなかったとしている[11]。
役職
[編集]- 日本獣医師会会長
- 福岡県馬術連盟会長
- 中央畜産会常務理事
- 自由民主党筑後支部支部長
- 福岡県獣医師会名誉会長
- 筑後市体育協会会長
- 福岡県畜産協会会長
- 筑後市防犯協会顧問
- 日本空手協会福岡県本部顧問
- 筑後市交通安全協会顧問
- 筑後市消友会顧問
- 筑後市船の会顧問
脚注
[編集]- ^ https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170614-00522349-shincho-pol
- ^ “知事選大敗で自民福岡県連会長が辞任へ” (日本語). 毎日新聞. (2019年4月8日) 2019年4月8日閲覧。
- ^ a b “新設認めぬ「石破4条件」は獣医師会の政界工作の「成果」だった! 民主党政権でも献金攻勢…”. 産経ニュース (産経新聞社). (2017年7月18日) 2017年7月25日閲覧。
- ^ “会議報告 平成27年度第2回理事会の開催” (PDF). 日本獣医師会. 2017年7月29日閲覧。
- ^ “会議報告 平成27年度第4回理事会の開催” (PDF). 日本獣医師会 (2015年9月10日). 2017年7月29日閲覧。
- ^ a b “文科省はサボタージュで抵抗しただけ…挙証責任果たせず「白旗」「ご意向」文書の真意とは?”. 産経ニュース (産経新聞社). (2017年7月20日) 2017年7月25日閲覧。
- ^ “「国家戦略特区における追加の規制改革事項について」の決定に伴う 告示改正に関する意見募集の周知及び同募集への対応について” (PDF). 日本獣医師会 (2016年11月28日). 2017年6月15日閲覧。
- ^ “京都産業大の「落選」は日本獣医師会のロビー活動のせい?「ご理解を得て『1校に限り』に修正」と会報に 現職大臣らに働きかけ”. 産経ニュース (産経新聞社). (2017年5月29日) 2017年6月1日閲覧。
- ^ “山本幸三担当相「2カ月前決定」の獣医師会記録を否定 朝日、毎日の「加計ありき」報道は飛躍”. 産経ニュース (産経新聞社). (2017年7月20日) 2017年7月22日閲覧。
- ^ “山本幸三地方創生担当相会見詳報 加計問題の獣医師会側議事録「書いてあること、言っていない」”. 産経ニュース (産経新聞社). (2017年7月21日) 2017年7月22日閲覧。
- ^ “山本幸三地方創生担当相、「京都」に言及 菅義偉官房長官指摘”. 産経ニュース (産経新聞社). (2017年7月21日) 2017年7月22日閲覧。