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萌茂尻島

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
萌茂尻島
外交紛争のある諸島
現地名: Остров Сторожевой
主張国名: 萌茂尻島
地理
萌茂尻島の位置(千島列島内)
萌茂尻島
萌茂尻島の位置(サハリン州内)
萌茂尻島
萌茂尻島の位置(北海道広域内)
萌茂尻島
所在地太平洋
座標北緯43度23分1秒 東経145度53分33秒 / 北緯43.38361度 東経145.89250度 / 43.38361; 145.89250座標: 北緯43度23分1秒 東経145度53分33秒 / 北緯43.38361度 東経145.89250度 / 43.38361; 145.89250
実効支配
 ロシア
サハリン州の旗 サハリン州
都市管区 南クリル管区
領有権主張
 日本
都道府県 北海道
市町村 根室市
人口統計
人口0


納沙布岬・望郷の塔より望む
左から オドケ島・萌茂尻島・秋勇留島(2006年3月撮影)

萌茂尻島(もえもしりとう)は、歯舞群島の島の一つ。ロシア名はストロジェヴォイ島 (Остров Сторожевой)[1]アイヌ語の「モイ・モ・シリ」(波の静かな島)に由来する[2]。文献では「モヨモシリ」(松前地図[3])、「モロモシリ」(野付全図[2])、「モイモシリ」(蝦夷松前図[2][4]、蝦夷全地[5])、「モンモシリ」(納紗布日誌[2][6])、「モイ小島」(殖民状況報文根室国[2][7])の表記も見られる。

納沙布岬の東方約6キロメートルに位置する[8]。萌茂尻島の西北西約1.5キロメートルにはオドケ島が、西北西約3キロメートルには貝殻島が位置している。北方にある水晶島の南端の舟見岬ロシア語版[9]からは約3.5キロメートルの距離がある。

日本の行政区画としては北海道根室市に属する[10][11][12]。ロシアの行政区画としてはサハリン州南クリル管区に属する。

日本の視点からは、歯舞群島は日本の本土たる北海道の一部を構成する属島であり[13]、千島列島の中には含まれないとしている[14][15]。萌茂尻島は第二次世界大戦末、ソビエト連邦が千島列島全域とともに占領・編入を行った[16]

1933年3月、雪崩により民家で死者2名が記録されている[17]

納沙布岬から見える浜に、朽ちた座礁船が放置されている。「キンプクマル」として地元の一部の人間に知られており、根室海上保安部の記録の中に、1969年に萌茂尻島から北西に約1キロ離れたオドケ島で座礁した「第一金福丸」という日本の運搬船がある。しかし当時のソ連主張領海内で日本の船が座礁したのかという謎もあり、実際にこの船かどうかは不明。その形状から「潜水艦」と憶測されることもあるが、日本の管轄権が及ばず、記録も乏しい以上、真相は明らかではない[18]。産経新聞の記事では「朽ちたロシア船」という記述もあるが、裏取りはしていないものと思われる[19]

出典

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  1. ^ Адашова Т.А.. “Южные Курилы - геополитическое пространство России”. // Электронная версия газеты «География». 2015年9月27日閲覧。(ロシア語)
  2. ^ a b c d e 角川日本地名大辞典. 1. 角川書店. (1987). p. 1332. ISBN 9784040010120 (日本語)
  3. ^ ラクスマン; 加藤肩吾 (1791), 松前地図, http://www2.lib.hokudai.ac.jp/cgi-bin/hoppodb/record.cgi?id=0D000900000000000 (日本語)
  4. ^ 長久保赤水 (1795), 蝦夷松前圖, http://www2.lib.hokudai.ac.jp/cgi-bin/hoppodb/record.cgi?id=0D000670000000000 (日本語)
  5. ^ 薮内於菟太郎 (1858), 蝦夷全地, http://www2.lib.hokudai.ac.jp/cgi-bin/hoppodb/record.cgi?id=0D001810000000000 (日本語)
  6. ^ 松浦竹四郎 (1863). 納紗布日誌. 江戸: 多気志楼. p. 33. http://gazo.library.city.sapporo.jp/shiryouDetail/shiryouDetail.php?listId=91&recId=238&pageId=18 (日本語)
  7. ^ “根室國全圖”. 北海道殖民状況報文. 根室国・日高国. 北海道殖民部. (1898). pp. 目次前挿絵. https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/801027/1 (日本語)
  8. ^ 北方領土問題-やさしい北方領土のはなし”. 2016年2月14日閲覧。
  9. ^ 柳楢悦 (1871), 根室国珸瑶瑁海門全図, 東京: 大日本海軍水路寮, http://www2.lib.hokudai.ac.jp/cgi-bin/hoppodb/record.cgi?id=0D020020000000000 
  10. ^ 根室の概要 -地図-”. 北海道根室振興局. 2016年2月14日閲覧。(日本語)
  11. ^ Administrative map of Japan”. 2016年2月14日閲覧。(英語)
  12. ^ Управление по вопросам Северных территорий общего департамента губернаторства Хоккайдо”. 2016年2月14日閲覧。(ロシア語)
  13. ^ サンフランシスコ平和会議における吉田全権の発言, (1951-09-08) (日本語)
  14. ^ Northern Territories Issue”. Ministry of Foreign Affairs of Japan (2011年3月1日). 2015年9月25日閲覧。 “The Northern Territories consist of four islands located off the northeast coast of the Nemuro Peninsula of Hokkaido. They are: Habomai, Shikotan, Kunashiri and Etorofu. The Northern Territories are not included in the Kurile Islands(英語)
  15. ^ “北方領土返還要求に関する政府の公式見解”, 昭和31年2月11日第24回国会衆議院外務委員会, https://www8.cao.go.jp/hoppo/shiryou/pdf/gaikou12.pdf (日本語)
  16. ^ Лоция Охотского моря. Главное управление навигации и океанографии МО СССР. (1984). p. 335. http://parusanarod.ru/bib/books/fareast/1406-2.htm (ロシア語)
  17. ^ 和泉薫, 小林俊一, 秋田谷英次, 西村浩一「北海道の雪崩災害資料(1902~1996年)」『低温科学. 物理篇. 資料集』第55巻、北海道大学低温科学研究所、1996年、27-45頁、ISSN 0385-3683NAID 110000260826 
  18. ^ 納沙布岬から北方領土を眺めた カメラに写った船影は? カメラマン宮嶋茂樹さんがリポート<デジタル発>:北海道新聞デジタル”. 北海道新聞デジタル. 2024年4月11日閲覧。
  19. ^ 健児, 鈴木 (2023年6月18日). “【国境の島】譲れぬ父祖伝来のコンブ漁 北方領土・歯舞群島”. 産経ニュース. 2024年4月15日閲覧。