船葬墓
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船葬墓 (せんそうぼ、英語: Ship burial) とは、船の船体を遺体を収める棺として用いたり、あるいは船そのものを副葬品として遺体と共に埋葬した形態の墓や墳墓を指す語である。
舟葬墓、船葬、舟葬、船棺葬 などと表現されるケースもあるが、船葬や舟葬といった場合には、船に遺体を載せて海などに送り出す、水葬の一種を指す場合もある。本稿で言及する船葬墓といわれるものは、船体を用いるものであるが墓そのものは陸上に存在するものである。
船葬墓の習慣は主にゲルマン人、特にヴァイキング時代のノース人(ヴァイキング/ヴァリャーグ)に多く見られる。また、フィリピンの原住民にも船葬墓の慣習があるとされる。
また、デンマークやスウェーデンでは、石や石柱を船の形に並べその内側に故人を埋葬する、ストーンシップ (石舟、舟状列石)といわれる墳墓遺跡も見られる。
ヴァイキング時代の船葬墓
[編集]ノルウェー
[編集]- ゴクスタ墳丘 - ノルウェー、ヴェストフォル県サンダー(現:サンデフィヨルド)[1]。ゴクスタ船が発掘された。
- オーセベリ墳墓 - ノルウェー、ヴェストフォル県トンスベルグ[2]。オーセベリ船が発掘された。
- トゥーネ船葬墓 - ノルウェー、エストフォル県トゥーネ教区[3]。トゥーネ船が発掘された。
スウェーデン
[編集]デンマーク
[編集]エストニア
[編集]イギリス
[編集]- スカー船葬墓 - オークニー諸島、サンデー島のヴァイキング船葬墓[6]。
- Port an Eilean Mhòir船葬墓 - アードナマーカン半島。グレートブリテン島で発見されたヴァイキングの船葬墓としては唯一のもので、2006年に発見され、2011年に発掘された[7]。
- バラドール船葬墓、ノッキードゥーニー船葬墓 - マン島のヴァイキング船葬墓[8]。
- サットン・フー - サフォーク州ウッドブリッジ。アングロ・サクソン人の船葬墓。
- スネイプ船葬墓 - サフォーク州スネイプ。アングロ・サクソン人の船葬墓。
日本における船葬墓
[編集]刳舟を転用した舟・船棺は、弥生時代後期の大阪府東奈良遺跡で二基発見されている。ただし、埋葬するに及んで単に棺に転用した可能性が高い[9]。
日本では死者を天界に運ぶ舟・船と鳥、死者の霊魂を舟・船に乗せ、鳥に案内させて太陽のもと来世に導くという昇天思想がある[9]。
脚注・出典
[編集]- ^ Gokstadhaugen – Artificial Mound in Norway
- ^ Osebergskipet – The Oseberg Ship, Norway
- ^ Viking Ship Museum at Bygdøy
- ^ The Viking Ship Museum in Roskilde
- ^ The Salme shipfind blog
- ^ The Scar Viking Boat Burial
- ^ “Viking boat burial site discovered in Scottish Highlands”. Channel 4 News. 2011年10月19日閲覧。
- ^ Vikings on Mann
- ^ a b 辻尾榮市「舟・船棺起源と舟・船棺葬送に見る刳舟」『人文学論集』第28巻、大阪府立大学人文学会、2010年3月、153頁、CRID 1390009224623933184、doi:10.24729/00004427、hdl:10466/8940、ISSN 0289-6192。