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舞踊組曲「蜘蛛の糸」

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舞踊組曲「蜘蛛の糸」 (ぶようくみきょく くものいと) は、芥川也寸志が1968年に作曲した舞踊組曲[1]。バレエ音楽「蜘蛛の糸」とも表記される[2]。父親である芥川龍之介の短編小説『蜘蛛の糸』を原作としている[1]

作曲の経緯

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NHKの委嘱により作曲したもので、1968年に開催された「明治百年記念芸術祭」の参加作品である[1]。自筆スコア末尾には、東京、1968年9月25日、と記載されている[3]

楽曲構成 

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曲は次の6つの部分からなる[1]。自筆スコア末尾には、芥川龍之介の『蜘蛛の糸』から作曲者が抜粋した朗読用のテキストが付されている[4]。演奏時間26分[2]

  • I 前奏曲
  • II 極楽の朝
  • III 蜘蛛と犍陀多
  • IV 血の地獄
  • V 蜘蛛の糸
  • VI 極楽の昼

編成

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フルート3 (ピッコロ持ち替え)、オーボエ2、クラリネット2、バスクラリネット、ファゴット2、ホルン4、トランペット3、トロンボーン3、ティンパニ大太鼓シンバル銅鑼グロッケンシュピールアンティークシンバルハープチェレスタ弦五部[5]

初演 

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放送初演

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1968年11月8日、NHK-FMにて、森正指揮、ニューシンフォネットにより放送初演された[2]

舞台初演

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1969年3月17日、サンケイホールで開催された第9回NHK音楽祭「バレエの夕べ」にて、牧阿佐美バレエ団、作曲者指揮、東京フィルハーモニー交響楽団により舞台初演された[1]。バレエ団は作曲者が指名したものである[5]牧阿佐美は同年8月に同バレエ団定期公演にて再演し[1]、その後もこの作品を国内だけでなく、1990年にはモスクワでも上演している[5]

出典 

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  1. ^ a b c d e f 『芥川也寸志管弦楽作品連続演奏会・その3:オーケストラ・ニッポニカ第17回演奏会(演奏会プログラム)』オーケストラ・ニッポニカ、2010年3月14日、37頁。 
  2. ^ a b c “現代日本の管弦楽作品表〈1912-1980〉”. フィルハーモニー 53 (9): 106-107. (1981-09). https://dl.ndl.go.jp/pid/2258841/1/56. 
  3. ^ 芥川也寸志『舞踊組曲 蜘蛛の糸(自筆スコア)』NHK、1968年、65頁。 
  4. ^ 芥川也寸志『舞踊組曲 蜘蛛の糸(自筆スコア)』NHK、1968年、[66]頁。 
  5. ^ a b c 『日本バレエ・舞踊史における1950年:オーケストラ・ニッポニカ第36回演奏会(演奏会プログラム)』オーケストラ・ニッポニカ、2020年2月23日、6頁。