至信
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来歴
[編集]師系・経歴不明。画風は鈴木春信風または川又派風、作画期は明和の頃とされ肉筆美人画を残す。「至信」の読み方については従来「ししん」とされているが、これを「のりのぶ」、「みちのぶ」などと読む可能性も示されている。なお『風俗画と肉筆浮世絵』巻末の作品リストと『氏家浮世絵コレクション』(2014年刊)は、名を「田中至信」とする。
作品
[編集]- 「舟中吹笛図」 絹本着色 東京国立博物館所蔵
- 「遊女と若衆図」 紙本着色 東京国立博物館所蔵
- 「美人遊猫図」 紙本着色 たばこと塩の博物館所蔵 ※「至信筆」の落款、「至信」の白文方印あり
- 「汐くみ美人図」 紙本着色 鎌倉国宝館所蔵 ※「至信筆」の落款、「至信」の白文方印あり
- 「遊女と禿図」 絹本着色 日本浮世絵博物館所蔵 ※「至信筆」の落款、「至信」の白文方印あり
- 「縁先に座る娘と金魚鉢を持つ少女」 紙本着色 光記念館所蔵 ※「至信筆」の落款、「至信」の白文方印あり。那須ロイヤル美術館(小針コレクション)旧蔵
- 「見立玄宗図」 絹本着色 熊本県立美術館所蔵 ※「至信筆」の落款、「至信」の白文方印あり
- 「見立玄宗皇帝楊貴妃」 絹本着色 ボストン美術館所蔵 ※「至信筆」の落款あり。熊本県立美術館所蔵の「見立玄宗図」と同じ図様を描く。
参考文献
[編集]- 日本浮世絵博物館編 『肉筆浮世絵撰集 解説』 学習研究社、1985年 ※42頁
- 『小針コレクション 肉筆浮世絵』(第三巻) 那須ロイヤル美術館、1989年
- 熊本県立美術館編 『今西コレクション名品展Ⅲ』 熊本県立美術館、1991年 ※137 - 138頁
- アン・ニシムラ・モース、辻惟雄編 『ボストン美術館日本美術調査図録 第2次調査』(全2冊) 講談社、2003年
- 岩崎均史 『風俗画と肉筆浮世絵』 たばこと塩の博物館、2007年
- 『氏家浮世絵コレクション』 公益財団法人氏家浮世絵コレクション、2014年