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経験 (辺見マリの曲)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
「経験」
辺見マリシングル
初出アルバム『マリとあなたの部屋』
A面 経験
B面 19歳の変身
リリース
規格 7インチシングル盤
ジャンル 歌謡曲
時間
レーベル 日本コロムビア
作詞・作曲 安井かずみ(作詞)
村井邦彦(作曲)
ゴールドディスク
チャート最高順位
辺見マリ シングル 年表
ダニエル・モナムール
1969年
経験
1970年
私生活
(1970年)
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経験」(けいけん)は、1970年5月11日に発売された辺見マリの2枚目のシングル。

解説

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作詞は安井かずみ、作曲は村井邦彦がそれぞれ手掛けた。フィンガーアクションが話題を呼んで大ヒットした[1]

オリコンヒットチャート最高2位、レコード売り上げ30万枚を記録し、1970年の新人賞レースをほぼ独走した[2]

本作は野村真樹(現・将希)の「一度だけなら」と共に、1970年11月に開始された第1回日本歌謡大賞・放送音楽新人賞と、12月の第3回日本有線大賞・新人賞を始め、同年末の第12回日本レコード大賞・新人賞などを獲得した(最優秀新人賞は「もう恋なのか」のにしきのあきら(現・錦野旦)が受賞)。

歌詞の内容とフィンガーアクションから当時のNHKでは歌唱できず、辺見はこの年『第21回NHK紅白歌合戦』に出場するも本作ではなく、次作の「私生活」で出場している。

谷隼人の第一回主演作品として東映で映画化され、辺見マリが本作を熱唱するシーンもある。

1970年にフジテレビ系列で放送されたバラエティ番組『祭りだ!ワッショイ!』のワンコーナー「おたのしみアニメ劇場(歌謡アニメ劇場)」において、辺見マリの歌う「経験」が使用された[3]

収録曲

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  1. 経験(2分47秒)
  2. 19歳の変身(2分26秒)

カバー

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関連項目

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映画

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経験
監督 鷹森立一
脚本 成沢昌茂
出演者
音楽 八木正生
撮影 中島芳男
編集 祖田富美夫
製作会社 東映東京
配給 東映
公開 日本の旗1970年10月6日
上映時間 83分[4]
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
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本曲を題材とした歌謡映画1970年10月6日東映系で公開された[4][5][6][7][8]谷隼人の第一回主演作品[4][8]濡れ場の連続ながら[8]一般映画として公開されている[4]

キャスト

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スタッフ

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  • 監督 - 鷹森立一
  • 脚本 - 成澤昌茂
  • 企画 - 吉峰甲子夫・安斉昭夫
  • 撮影 - 中島芳男
  • 美術 - 北川弘
  • 音楽 - 八木正生
  • 録音 - 長井修堂
  • 照明 - 元持秀雄
  • 編集 - 祖田富美夫
  • 助監督 - 戸田幸男

製作

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1970年代半ば頃まで各映画会社でよく製作された歌謡映画の一本で[5]、『週刊現代』は1970年の邦画総括として「ハダカ路線ヤクザ路線と、"低俗化"の一途をたどった邦画界」と評した[9]

キャステング

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「東映の次代のホープ」と岡田茂東映常務兼企画製作本部長から期待された[10]谷の初主演作。当時の谷はブロマイド売上げで男優部門で上位争いする人気スターだった[11]辺見マリ銀座クラブ「ノムノム」設定の店内で「経験」をほぼフルコーラス歌う。演技はしない。歌手デビュー直後の大信田礼子も続けて歌を歌う。大信田は「ずべ公番長シリーズ」が始まった時期で、歌手としてのゲスト出演を強調するためか、本作では上半身だけしか映さず、自慢の脚線美は一切映さない。また平松あき子(大原麗子)らと同じ銀座のクラブホステスとして五十嵐じゅんが本作直前に公開された『ずべ公番長 夢は夜ひらく』と同じ格好で出演しており、大信田と合わせて同時期の撮影と見られる。ホステス仲間に色が黒いことをいじられる。東映ビデオの作品紹介には「谷隼人と渡瀬恒彦にしだかれる大原麗子のたわわな胸がまぶしすぎる愛蔵版」などと書かれているが[5]、大原は胸は出さない。胸を露出するのは集三枝子と三原葉子、男装の麗人役・賀川雪絵

桜井年男(谷隼人)が、最初は新宿バーバーテンとして小林稔侍らと働いていたが[8]、野心は強く、阿井川さおり(三原葉子)のヒモになり、阿井川がママを務める銀座の高級クラブにホステスのスカウト黒服として移る。年男は最後に再び新宿のバーに戻るが、カウンターで飲む客として石倉三郎が出演している。台詞はない。

撮影

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軟派な年男(谷)と硬派な長距離トラック運転手・的場勇(渡瀬恒彦)が小悪魔的なあき子(大原)を取りあう設定で[8]、ラスト近くに川土手と川に入って谷と渡瀬が延延と殴り合うシーンがある[8]。勿論当て振りながら何度かはコンタクトしているものと見られ、谷は「自分も渡瀬さんも空手をやっていたので渡瀬さんに可愛がってもらっていた」「渡瀬さんから『谷くん、マジでやろうぜ』と言われ、段どり通りはやらず、結構やっている(ケンカ最強説もある渡瀬に対して)千葉真一ともアクションをやっているから、渡瀬さんぐらいはイケる。若いし全然平気だった」などと話している[8]

年男(谷)とあき子(大原)、矢沢初枝(集三枝子)が出会うシーンで、年男がナンパトークとして、あき子と初枝の雰囲気から、二人の出身地を当てる試みを行うが、年男が初枝に「毛深いからア〇ヌだろ」という危ない台詞がある。

DVD

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「東映 ザ・定番シリーズ第16弾」の一本として東映ビデオから2017年9月13日にDVDが発売されている[5]

同時上映

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極道凶状旅

※「極道シリーズ」第7弾、『極道凶状旅』は1970年10月3日から公開[12]

脚注

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  1. ^ オリコンシングルチャート1970年6月29日付。
  2. ^ スポニチ Sponichi Annex【1970年6月】経験/辺見マリ いきなりため息交りに「やめて…」で新人賞総ナメ
  3. ^ 幻の歌謡アニメついに発掘! その6、WEBアニメスタイル、2007年8月22日。
  4. ^ a b c d 経験”. 日本映画製作者連盟. 2024–11–29閲覧。
  5. ^ a b c d e 経験東映 ザ・定番シリーズ第16弾東映ビデオ
  6. ^ 〈狂犬暴走〉 生誕80年 渡瀬恒彦の役者稼業 作品解説1ラピュタ阿佐ヶ谷
  7. ^ “東映、12月迄の番組発表独占路線を一層強化拡大”. 週刊映画ニュース (全国映画館新聞社): p. 4. (1971年9月26日) 
  8. ^ a b c d e f g 吉田豪「谷隼人インタビュー 『だから言ってるじゃん、ハメる前にハメられたって』」『超 人間コク宝』コアマガジン、2020年、310頁。ISBN 978-4-86653-435-0 
  9. ^ 「〈ワイドコラム・ルック・るっく げいのう〉ハレンチ学園から憂国まで 今年の邦画"商法"総決算」『週刊現代』1970年12月24日号、講談社、40頁。 
  10. ^ 「緊急特報 谷隼人(24)がファッションモデル岡美智子(23)と6月2日ジュネーブの教会で挙式! 高倉健とアドバイスで決意、5月31日正式婚約発表」『週刊明星』1971年6月13日号、集英社、34–35頁。 
  11. ^ “谷隼人にファンクラブが誕生”. スポーツニッポン (スポーツニッポン新聞社): p. 10. (1969年5月4日) 
  12. ^ “昭和45年(70)年封切作品一覧 東映”. 週刊映画ニュース (全国映画館新聞社): p. 15. (1971年1月1日) 

外部リンク

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