第3即応機動連隊
表示
第3即応機動連隊 | |
---|---|
編成完結式における観閲行進の様子 | |
創設 |
1954年(昭和29年)7月1日 (第3普通科連隊) |
廃止 | 2022年(令和4年)3月16日 |
再編成 |
2022年(令和4年)3月17日 (第3即応機動連隊)[1] |
所属政体 | 日本 |
所属組織 | 陸上自衛隊 |
部隊編制単位 | 連隊 |
兵科 | 即応機動連隊 |
兵種/任務 | 諸職種混成 |
所在地 | 北海道 名寄市 |
編成地 | 高田 |
上級単位 | 第2師団 |
担当地域 | 道北 |
第3即応機動連隊(だいさんそくおうきどうれんたい、JGSDF 3rd Rapid Deployment Regiment)は、北海道名寄市の名寄駐屯地に駐屯する、陸上自衛隊第2師団隷下の即応機動連隊である。
概要
[編集]2022年(令和4年)3月、普通科連隊から即応機動連隊へ改編した。前身の第3普通科連隊は1953年(昭和28年)から『朔北の第一線部隊』として国防の任に就いており[2]、即応機動連隊への改編により即応性と機動性を高めた部隊となった。
機動戦闘車部隊が中隊編成であり、普通科中隊が1個中隊多く4個編成されている。
連隊長は1等陸佐が充てられ、名寄駐屯地司令を兼務している。訓練は主に名寄演習場や鬼志別演習場で実施する。
なお、前身の第3普通科連隊はイラク復興支援群の第1陣であった。
沿革
[編集]- 第3連隊
- 1951年(昭和26年)5月1日:警察予備隊第1管区隊隷下に第3連隊(第3大隊欠)が高田駐屯地において新編。
- 1952年(昭和27年)
- 1月19日:部隊改編。
- 12月20日:第3連隊の先遣隊が名寄駐屯地に到着。
- 1953年(昭和28年)
第3普通科連隊
- 1954年(昭和29年)
- 1955年(昭和30年)4月11日:第2偵察中隊が第3普通科連隊に配属。
- 1956年(昭和31年)2月14日:陸上自衛隊初の冬季挺身作戦研究演習を実施(~2月16日)。
- 1962年(昭和37年)1月18日:第2管区隊の第2師団への改編に伴い、連隊再編。
- 1981年(昭和56年)3月25日:新装備として84mm無反動砲16門が装備される。
- 1986年(昭和61年)3月25日:84mm無反動砲完全装備に伴う部隊改編。
- 1987年(昭和62年)6月12日:60式装甲車を装備。
- 1988年(昭和63年)3月25日:師団近代化への改編
- 装甲車化連隊に改編[3]。
- 87式対戦車誘導弾配備(各普通科中隊の対戦車小隊は、87式対戦車誘導弾の2コ分隊と60式自走106mm無反動砲の2コ分隊の編成に改編)[3]。
- 第2対戦車隊の廃止により、対戦車中隊を新編。
- 60式自走81mm迫撃砲、60式自走107mm迫撃砲を81mm迫撃砲 L16、120mm迫撃砲 RTに換装。
- 1998年(平成10年)8月28日:96式装輪装甲車を装備。
- 1999年(平成11年)3月29日:装輪装甲車化連隊に改編[3]。
- 2008年(平成20年)
- 2011年(平成23年)4月22日:部隊改編。
- 対戦車中隊を廃止(79式対舟艇対戦車誘導弾廃止)[3]。
- 第4普通科中隊の特定中隊解除[3]。
- 第1普通科中隊のみ装輪装甲車化[3]。
- 第2普通科中隊、第3普通科中隊、第4普通科中隊は、96式装輪装甲車を高機動車へ更新[4]。
- 2015年(平成27年)3月26日:本部管理中隊に対戦車小隊を編成完結(FCU:2両・LAU:8両装備)[3]。
- 2019年(平成31年)3月26日:第1普通科中隊、第2普通科中隊、第3普通科中隊、第4普通科中隊の対戦車小隊廃止(87式対戦車誘導弾廃止)[3]。
- 2021年(令和 3年)10月:第3即応機動連隊準備隊が臨時編成、同部隊に16式機動戦闘車を装備。入魂式が行われた[5]。
- 2022年(令和 4年)3月16日:第4普通科中隊及び重迫撃砲中隊を廃止[6]。
- 第3即応機動連隊
- 機動戦闘車中隊及び火力支援中隊を新編[6]。
- 整備支援は第2後方支援連隊第2整備大隊即応機動直接支援中隊が担任。
警備隊区
[編集]名寄市、稚内市、士別市、豊富町、浜頓別町、中頓別町、歌登町、枝幸町、美深町、風連町、下川町、利尻町、利尻富士町、礼文町、中川町、猿払村、音威子府村[9]
部隊編成
[編集]- 連隊本部(RHQ) - 82式指揮通信車(CCV)
- 第1科(S-1) - 人事 - 第1科広報室
- 第2科(S-2) - 情報
- 第3科(S-3) - 作戦(運用訓練)
- 第4科(S-4) - 兵站
- 最先任上級曹長(CSM)
- 本部管理中隊(HSCo)「3即機-本」
- 連隊本部班
- 補給小隊(SupPt)
- 通信小隊(SigPt)
- 衛生小隊(MedPt)
- 情報小隊(IntPt) - 軽装甲機動車(LAV)、偵察用オートバイ
- 施設作業小隊(PiPt)- 75式ドーザ
- 対戦車小隊(普通科)(ATPt) - 中距離多目的誘導弾システム(MMPM)
- 高射小隊(高射特科)(AAPt) - 93式近距離地対空誘導弾(近SAM)
- 第1普通科中隊(1Co)「3即機-1」
- 中隊本部 - 運用訓練幹部、各係幹部および陸曹等、狙撃班など
- 第1小隊(1Pt) - 96式装輪装甲車(WAPC)
- 第2小隊(2Pt) - 96式装輪装甲車(WAPC)
- 第3小隊(3Pt) - 96式装輪装甲車(WAPC)
- 迫撃砲小隊(MPt) - 高機動車、81mm迫撃砲 L16
- 第2普通科中隊(2Co)「3即機-2」
- 中隊本部 - 運用訓練幹部、各係幹部および陸曹等、狙撃班など
- 第1小隊(1Pt) - 96式装輪装甲車(WAPC)
- 第2小隊(2Pt) - 96式装輪装甲車(WAPC)
- 第3小隊(3Pt) - 96式装輪装甲車(WAPC)
- 迫撃砲小隊(MPt) - 高機動車、81mm迫撃砲 L16
- 第3普通科中隊(3Co)「3即機-3」
- 中隊本部 - 運用訓練幹部、各係幹部および陸曹等、狙撃班など
- 第1小隊(1Pt) - 96式装輪装甲車(WAPC)
- 第2小隊(2Pt) - 96式装輪装甲車(WAPC)
- 第3小隊(3Pt) - 96式装輪装甲車(WAPC)
- 迫撃砲小隊(MPt) - 高機動車、81mm迫撃砲 L16
- 第4普通科中隊(4Co)「3即機-4」
- 中隊本部 - 運用訓練幹部、各係幹部および陸曹等、狙撃班など
- 第1小隊(1Pt) - 96式装輪装甲車(WAPC)
- 第2小隊(2Pt) - 96式装輪装甲車(WAPC)
- 第3小隊(3Pt) - 96式装輪装甲車(WAPC)
- 迫撃砲小隊(MPt) - 高機動車、81mm迫撃砲 L16
- 火力支援中隊(野戦特科)「3即機-火支」 - 120mm迫撃砲 RT
- 機動戦闘車中隊(機甲科)「3即機-戦」 - 16式機動戦闘車(MCV)、96式装輪装甲車(WAPC)、軽装甲機動車(LAV)
整備支援部隊
[編集]- 第2後方支援連隊第2整備大隊第1普通科直接支援中隊「2後支-2整-1普」(名寄駐屯地):2008年(平成20年)3月26日から2022年3月16日の間
- 第2後方支援連隊第2整備大隊即応機動直接支援中隊「2後支-2整-即機」(名寄駐屯地):2022年(令和4年)3月17日から
主要幹部
[編集]官職名 | 階級 | 氏名 | 補職発令日 | 前職 |
---|---|---|---|---|
第3即応機動連隊長 兼 名寄駐屯地司令 |
1等陸佐 | 藤田明大 | 2023年 | 3月30日統合幕僚監部防衛計画部計画課勤務 |
代 | 氏名 | 在職期間 | 前職 | 後職 |
---|---|---|---|---|
第3普通科連隊長 | ||||
1 | 野瀬定一 (2等警察正) |
1951年 | 5月 1日 - 1952年 1月 3日第6連隊長 兼 美幌駐とん地部隊長 | |
2 | 中山忠雄 (1等警察正) |
1952年 | 1月 4日 - 1953年 8月15日保安隊普通科学校副校長 | |
3 | 水尾広吉 | 1953年 | 8月16日 - 1955年11月15日第1連隊副連隊長 | 富士学校普通科部教育課長 |
4 | 久納清之助 | 1955年11月16日 - 1957年 | 8月11日陸上幕僚監部第3部附 | 陸上自衛隊富士学校企画室長 |
5 | 堤政二 | 1957年 | 8月12日 - 1959年 7月31日西部方面総監部第2部長 | 陸上幕僚監部第5部普通科班長 |
6 | 眞嶋浩 | 1959年 | 8月 1日 - 1961年 7月31日第5管区総監部第3部長 | 陸上幕僚監部付 |
7 | 中村龍平 | 1961年 | 8月 1日 - 1963年 7月31日陸上幕僚監部勤務 | 東部方面総監部幕僚副長 |
8 | 川名聡雄 | 1963年 | 8月 1日 - 1965年 7月15日東北方面総監部第1部長 | 北部方面総監部幕僚副長 |
9 | 柏木武典 | 1965年 | 7月16日 - 1967年 7月16日統合幕僚会議事務局第3幕僚室勤務 | 第8師団司令部幕僚長 |
10 | 高品武彦 | 1967年 | 7月17日 - 1969年 3月16日陸上幕僚監部第3部防衛班長 | 第1師団司令部幕僚長 |
11 | 朝香一 | 1969年 | 3月17日 - 1971年 3月15日陸上自衛隊幹部学校学校教官 | 陸上自衛隊幹部候補生学校学生隊長 |
12 | 鈴木敏 | 1971年 | 3月16日 - 1973年 3月15日陸上幕僚監部幕僚庶務室勤務 | 普通科教導連隊長 兼 滝ヶ原分とん地司令 |
13 | 芳野宗福 | 1973年 | 3月16日 - 1974年 7月15日陸上自衛隊富士学校研究部第1課長 | 第11師団司令部幕僚長 |
14 | 亀井輝 | 1974年 | 7月16日 - 1976年 3月15日陸上幕僚監部第1部 →1973年8月20日 陸上幕僚監部付 |
北部方面総監部第1部長 |
15 | 御供佳一 | 1976年 | 3月16日 - 1978年 3月15日陸上自衛隊幹部学校学校教官 | 防衛研修所所員 |
16 | 越前和雄 | 1978年 | 3月16日 - 1980年 3月16日北部方面総監部総務部長 | 北部方面総監部総務部長 |
17 | 山西義信 | 1980年 | 3月17日 - 1981年 7月31日陸上幕僚監部人事部募集課 募集班長 |
北部方面総監部人事部長 |
18 | 五十君弘太郎 | 1981年 ※1983年 7月 1日 陸将補昇任 |
8月 1日 - 1983年 7月31日陸上自衛隊幹部学校研究員 | 東北方面総監部幕僚副長 |
19 | 白石一郎 | 1983年 | 8月 1日 - 1985年 8月 7日陸上自衛隊幹部学校教官 →1982年8月2日 陸上幕僚監部付 |
陸上自衛隊幹部学校研究員 |
20 | 藤原博 | 1985年 | 8月 8日 - 1987年 3月31日陸上幕僚監部調査部調査第2課 調査第2班長 |
陸上幕僚監部調査部調査第2課長 |
21 | 竹田仁宏 | 1987年 | 4月 1日 - 1988年 7月 6日陸上幕僚監部人事部補任課 人事第1班長 |
陸上幕僚監部人事部厚生課長 |
22 | 東條基夫 | 1988年 | 7月 7日 - 1990年 7月 8日東北方面総監部防衛部訓練課長 | 防衛大学校教授 |
23 | 田原克芳 | 1990年 | 7月 9日 - 1992年 6月15日自衛隊愛知地方連絡部募集課長 | 北部方面総監部防衛部長 |
24 | 永倉義継 | 1992年 | 6月16日 - 1994年 6月30日第7師団司令部第3部長 | 統合幕僚会議事務局第3幕僚室 運用計画調整官 兼 総括班長 |
25 | 佐田重夫 | 1994年 | 7月 1日 - 1997年 3月31日東部方面総監部防衛部訓練課長 | 自衛隊京都地方連絡部長 |
26 | 火箱芳文 | 1997年 | 4月 1日 - 1998年 6月30日陸上幕僚監部防衛部防衛課 業務計画班長 |
陸上幕僚監部人事部補任課長 |
27 | 姉崎泰司 | 1998年 | 7月 1日 - 2000年 6月29日陸上幕僚監部防衛部運用課 予備自衛官運用室長 |
陸上幕僚監部人事部厚生課長 |
28 | 高山治彦 | 2000年 | 6月30日 - 2002年12月 1日情報本部勤務 | 東北方面総監部防衛部長 |
29 | 番匠幸一郎 | 2002年12月 | 2日 - 2004年 8月29日陸上幕僚監部防衛部防衛課 防衛班長 |
陸上幕僚監部監理部総務課 広報室長 |
30 | 時田宗之 | 2004年 | 8月30日 - 2006年12月 5日陸上幕僚監部調査部調査課 調査運用室勤務 |
防衛大学校教授 |
31 | 早渕昇 | 2006年12月 | 6日 - 2009年 3月31日統合幕僚監部運用第1課特殊作戦室長 | 陸上自衛隊幹部学校主任教官 |
32 | 高橋武也 | 2009年 | 4月 1日 - 2011年 4月18日陸上幕僚監部監理部会計課 予算班長 |
陸上自衛隊研究本部主任研究開発官 |
33 | 岡部勝昭 | 2011年 | 4月19日 - 2013年12月17日自衛隊大阪地方協力本部募集課長 | 第12旅団司令部幕僚長 |
34 | 坂本雄一 | 2013年12月18日 - 2015年 | 8月 3日統合幕僚監部防衛計画部防衛課 防衛班長 |
陸上幕僚監部監理部総務課 広報室長 |
35 | 岡本宗典 | 2015年 | 8月 4日 - 2017年12月18日陸上自衛隊富士学校主任教官 | 中央即応集団司令部報道官 |
36 | 武本康博 | 2017年12月19日 - 2020年 | 7月31日陸上自衛隊研究本部研究員 | 自衛隊岩手地方協力本部長 |
37 | 山﨑潤 | 2020年 | 8月 1日 - 2022年 3月16日陸上自衛隊教育訓練研究本部研究員 | 第3即応機動連隊長 兼 名寄駐屯地司令 |
第3即応機動連隊長 | ||||
1 | 山﨑潤 | 2022年 | 3月17日 - 2023年 3月29日第3普通科連隊長 兼 名寄駐屯地司令 |
陸上幕僚監部防衛部防衛課勤務 |
2 | 藤田明大 | 2023年 | 3月30日 -統合幕僚監部防衛計画部計画課勤務 |
主要装備
[編集]- 16式機動戦闘車
- 96式装輪装甲車
- 軽装甲機動車
- 10式雪上車
- 高機動車
- 1/2tトラック / 73式小型トラック
- 1 1/2tトラック / 73式中型トラック
- 3 1/2tトラック / 73式大型トラック
- 89式5.56mm小銃
- 5.56mm機関銃MINIMI
- 84mm無反動砲
- 中距離多目的誘導弾
- 93式近距離地対空誘導弾
- 81mm迫撃砲 L16
- 120mm迫撃砲 RT
過去の装備
[編集]廃止部隊
[編集]第3普通科連隊廃止時の編成
[編集]- 第3普通科連隊本部
- 本部管理中隊「3普‐本」:中距離多目的誘導弾
- 第1普通科中隊「3普‐1」:96式装輪装甲車
- 第2普通科中隊「3普‐2」:高機動車
- 第3普通科中隊「3普‐3」:高機動車
- 第4普通科中隊「3普‐4」:高機動車
- 重迫撃砲中隊「3普‐重」:120mm迫撃砲 RT
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b 防衛省発令(1佐職人事)2022年3月17日付
- ^ 第3即応機動連隊
- ^ a b c d e f g h i j k l m n 第3普通科連隊の沿革
- ^ 「J-WING」 2012年9月号 イカロス出版 88p
- ^ 陸上自衛隊 名寄駐屯地【公式】 [@GSDF_Nayoro] (2021年10月25日). "#名寄駐屯地 に所在する #第3普通科連隊 は「入魂式」を行いました。". X(旧Twitter)より2021年10月27日閲覧。
- ^ a b “改編 第3即応機動連隊”. 防衛ホーム (2022年4月1日). 2022年4月7日閲覧。
- ^ “「第3即応機動連隊」が誕生 名寄(2022年3月17日)”. 朝雲新聞. (2022年5月9日). オリジナルの2022年5月9日時点におけるアーカイブ。 2022年5月9日閲覧。
- ^ 陸上自衛隊 名寄駐屯地【公式】 [@JGSDF_Nayoro] (2023年3月17日). "3月16日 第3即応機動連隊は部隊改編され、新たに第4普通科中隊が新編されました。". X(旧Twitter)より2023年3月17日閲覧。
- ^ “平成30年度北海道地域防災計画 第5章災害応急対策計画”. 北海道. pp. 114-116. 2019年1月20日閲覧。
“防衛省人事発令”. 2015年8月4日閲覧。