第3タンリン橋
第3タンリン橋 သန်လျင်တံတားအမှတ်-၃ | |
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基本情報 | |
国 | ミャンマー |
所在地 | ヤンゴン・タンリン郡区 |
交差物件 | バゴー川 |
用途 | 道路橋 |
設計者 | 日本工営/オリエンタルコンサルタンツグローバル/首都高速道路/長大/大日本コンサルタント 共同企業体(JV) |
建設 | 三井住友建設/横河ブリッジ 共同企業体(JV) |
開通 | 2024年6月8日 |
座標 | 北緯16度47分20.3秒 東経96度13分57.6秒 / 北緯16.788972度 東経96.232667度座標: 北緯16度47分20.3秒 東経96度13分57.6秒 / 北緯16.788972度 東経96.232667度 |
構造諸元 | |
形式 | 斜張橋 |
全長 | 8638 ft |
幅 | 75 ft |
桁下高 | 43 ft(航路限界) |
関連項目 | |
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第3タンリン橋(ビルマ語: သန်လျင်တံတားအမှတ်-၃)は、ミャンマーの最大都市であるヤンゴンとタンリン郡区をつなぐ、バゴー川上の橋梁である[1]。タンリン橋と並行して架かる[2]。バゴー橋(ビルマ語: ပဲခူးမြစ်ကူးတံတား)ともいう[3][4]。日本政府の政府開発援助をうけて2017年に建設計画がはじまり、2024年6月8日に開通した[2]。ミャンマー国営メディアである『ニューライト・オブ・ミャンマー』の、開通翌日の報道によれば、鋼箱桁・PC箱桁の斜張橋であり、長さは地上部 1,975 ft (602 m)、水上部 6,663 ft (2,031 m)、全長 8,638 ft (2,633 m)。幅は4車線・75 ft (23 m)。航路限界高は 43 ft (13 m)[1]。
経緯
[編集]ヤンゴンからバゴー川を挟んで東に位置するタンリン郡区には、日本政府の援助によりティラワ経済特区が建設された。両岸をつなぐ橋としてはすでにタンリン橋および第2タンリン橋がかかっているものの、前者は老朽化しており 32 t を越える車両の通行が制限されており、後者はヤンゴン市街から6.5 km離れていることから、タンリン橋の10分の1程度しか利用されていなかった[5]。今後も増加すると見込まれるタンリン橋の交通需要を分散させ[5]、また、経済特区に対する投資を呼び込む狙いもかねて[2]、2017年3月1日には日本・ミャンマー両国政府の間で310億5100万円の円借款契約がむすばれた[5]。設計は日本工営・オリエンタルコンサルタンツグローバル・首都高速道路・長大・大日本コンサルタントの共同企業体、建設は三井住友建設・横河ブリッジの共同企業体が受注した[6]。
2021年ミャンマークーデターにより軍部がミャンマーの政権を握ったことを受け、日本の新規政府開発援助は停止したが、第3タンリン橋建設工事をふくむ既存案件については凍結されず、プロジェクトが継続された[2]。同建設事業にあたって横河ブリッジが国軍系企業であるミャンマー・エコノミック・コーポレーション(MEC)に130万ドルを送金したことが、2023年1月24日のヒューマン・ライツ・ウォッチによる報告により分かっている[7][8]。内閣総理大臣の岸田文雄は、2023年2月22日の衆議院予算委員会における同問題に関する質疑に対し、「契約を解消する場合、MECに多額の違約金支払いが生じる。国軍への資金流入をできるだけ防ぐため、既存の契約に基づく必要最小限の支払いはやむを得ない」と答えている[9]。
2024年6月8日に開通し、開通式にはミャンマー軍総司令官にして国家行政評議会議長のミンアウンフラインのほか、国家行政評議会のマン・ニェインマウン、マン・ニェインマウン、クンサンルウィンのほか各大臣、軍司令部士官およびヤンゴン司令部司令官、日本工営の社員なども参加した[1]。開通式当日、ミンアウンフラインをロケット弾により殺害しようとしたとして、政府が「国民統一政府系の地下組織の構成員である」と報じる複数の容疑者が逮捕されている[10][11][12]。
出典
[編集]- ^ a b c “New Bago River Crossing Thanlyin Bridge 3 now open”. Global New Light Of Myanmar. (2024年6月9日) 2024年6月18日閲覧。
- ^ a b c d “期待と批判のジャパン・ブリッジ ODA事業の橋、ミャンマーで開通:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル (2024年6月12日). 2024年6月18日閲覧。
- ^ “ミャンマーでODA活用の「バゴー橋」開通 軍政が式典”. 日本経済新聞 (2024年6月10日). 2024年6月18日閲覧。
- ^ “ပဲခူးမြစ်ကူးတံတား(သန်လျင်တံတားအမှတ်-၃)တည်ဆောက်ခြင်းစီမံကိန်း (MY-P16) | Profile”. www.projectbank.gov.mm. 2024年6月18日閲覧。
- ^ a b c “バゴー橋建設事業 事業事前評価表”. 独立行政法人国際協力機構. 2024年6月18日閲覧。
- ^ “ミャンマー連邦共和国、バゴー橋建設工事(ODA)を受注 | ニュースリリース | 新着情報 | 三井住友建設”. www.smcon.co.jp (2019年3月18日). 2024年6月18日閲覧。
- ^ “横河ブリッジ、ミャンマー国軍系企業に1億7000万円 欧米の制裁対象にODAの橋梁建設巡り支払い:東京新聞 TOKYO Web”. 東京新聞 TOKYO Web. 2024年6月18日閲覧。
- ^ “ミャンマー:日本政府の建設事業が国軍を利する | Human Rights Watch” (2023年1月24日). 2024年6月18日閲覧。
- ^ “ミャンマー国軍系企業への支払い問題 首相「事態把握し適切に対応」:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル (2023年2月22日). 2024年6月18日閲覧。
- ^ “Nervy Myanmar Junta Boss Orders Alert as Alleged Assassination Plot Foiled”. the Irrawaddy. (2024年6月11日) 2024年6月18日閲覧。
- ^ Mathieson, David Scott (2024年6月12日). “A revolutionary bridge too far in Myanmar” (英語). Asia Times. 2024年6月18日閲覧。
- ^ “Terrorists Arrested For Plotting Thanlyin Bridge 3 Attack With 107 Mm Rockets - Global New Light Of Myanmar” (英語) (2024年6月11日). 2024年6月18日閲覧。