福山シンフォニーオーケストラ
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福山シンフォニーオーケストラ(ふくやまシンフォニーオーケストラ;Fukuyama Symphony Orchestra)は、広島県福山市を中心に活動する非営利のオーケストラ。特定非営利活動法人(認定NPO法人)として認定されている。
概要
[編集]設立
[編集]1996年3月、「福山夢オーケストラ」として25名の演奏家で発足。指揮者として小松一彦を招き活動を始める。市民文化団体「いもづるの会」(代表・棚池康信近畿大教授、約300人)が演奏会を支援した[1]。1997年1月12日初公演[2]。初公演には団員35人と応援のアマチュア演奏家15人が参加[3]。「いもづるの会」からも30人が合唱で出演し[3]、歌劇「フィガロの結婚」序曲で幕開け。シュトラウス一家のポルカやマーチ五曲を続け、モーツァルトの交響曲「ジュピター」などを演奏した[4]。
ふくやまシンフォニーオーケストラに改称
[編集]1999年12月12日、音楽によるまちづくりを目的とするコミュニティー・オーケストラとして40人の団員で「ふくやまシンフォニーオーケストラ」に名称変更[5]。音楽監督に小松一彦氏が就任した[6]。2000年1月16日に旗揚げ公演を開催[5]。
NPO法人化・改称
[編集]2009年8月、発足から10年目に特定非営利活動法人「福山シンフォニーオーケストラ」が認可された。法人化にともない現在の名称に改称した[7]。2011年7月、国税庁長官より、オーケストラとしては全国で初めて認定特定非営利活動法人として認定される[8][9]。団員は57名となった[10]。同年、小松一彦が名誉指揮者となった。
特記事項
[編集]- 当時の福山市立女子短期大学講師でフルート奏者である近藤桂司が前身の「福山夢オーケストラ」を結成した[1][2][5]。結団には福山市に2000人収容の音楽ホール「リーデンローズ」が1994年に開館したことも誘引になっている[1]。
- アマチュアとはいえ「良質」にこだわり[5]、地方都市でありながら平均千人以上の聴衆を集めている[1][5][11]。そのため団員の採用にはオーディション形式を採用し[5]、サークル的要素が残る「市民オーケストラ」とは異なる交響楽団をめざしている[5]。
- 資金面などで支援する産業界主体の「後援会」と「ふくやま芸術文化振興財団」との三者で運営協議会を構成し[5]、市民ぐるみの取り組みをしており[5]、ユニークであるとされている[1]。団体の維持に不可欠の財政的な問題は、後援会メンバーから後援会費や、地元企業の協賛金などで賄っている[5]。
- 小松一彦は、団員の音楽に対する意識が高く、技術的にもかなりハイレベルになっていると評価し[5]、活発な交響楽団のある広島市と倉敷市の間の福山で、福山シンフォニーオーケストラのような取り組みがあるのは非常に好ましいとした[5]。
- 非営利組織(NPO)としての法人格取得は、一般企業や個人の税制優遇措置への道を開き活動の幅を広げるのが目的で、備後地方では初とされる[10]。年間300万円程度の活動資金が必要とされているが、認定NPO法人化により、寄付をする際に所得控除や損金算入が可能となり、寄付を集めやすくなるのがメリットとされている[10]。同楽団が認証された2011年7月1日現在で全国に223法人あり、県内では広島市内の団体に続いて2件目[10]。
- 団員は備後地方の演奏家を中心に構成されており、演奏することにより地域の音楽文化の発展とより良いまちづくりを目指している。2011年12月には、「2011年度福山明るい街づくり推進大会」にて善行市民賞「団体賞」を受賞した。
- しぶや美術館開館20周年記念を記念して、2013年4月14日同館にて記念コンサートを開催した。
活動
[編集]- 定期演奏会
- 年1回、ふくやま芸術文化ホールの大ホールで行っている。
- 演奏前に指揮者による「プレトーク」で曲目解説をするのが恒例。
- これまでに招いたソリストは備後地方ゆかりの演奏家が多い[12][13]。
- 地域の学校・病院や、行事での演奏会
- ふくやま芸術文化ホール主催のオーケストラ・フェスティバル(2008年-2010年まで3度開催)や[14]、福山ばら祭等にも参加。
- 福山市内小学校で演奏会を行うほか、地元企業や団体の協力により親子で楽しめる演奏会や震災復興支援コンサートなども行っている[15]。
関連項目
[編集]脚注
[編集]- ^ a b c d e 「ふくやまシンフォニー」誕生 わがまちの音色 聴かせるオーケストラに… 地元の奏者ら3年かけ準備(広島県)『中国新聞』 1999年12月14日 中国朝刊 総合東/総合 写有 (全795字)
- ^ a b ひと・人・ひと 初公演を終えた福山夢オーケストラの代表 近藤桂司さん(35)『中国新聞』1997年01月18日 中国朝刊 福山/尾三 写有 (全198字)
- ^ a b 「夢オケ」熱こもる初公演 市民オーケストラ設立 アピール 福山 モーツァルトなど9曲 客席包む(広島県)『中国新聞』 1997年01月14日 中国朝刊 福山/尾三 写有 (全442字)
- ^ 備後コーナー 市民オーケストラ 来月12日に旗揚げ 福山 『中国新聞』 1996年12月29日 中国朝刊 井笠 (全295字)
- ^ a b c d e f g h i j k l 音楽で町づくり ふくやまシンフォニーオーケストラ設立 /広島 『朝日新聞』1999年12月14日 大阪地方版/広島 26頁 広島 写図有 (全941字)
- ^ この人 初コンサートを控えた「ふくやまシンフォニーオーケストラ」音楽監督 小松一彦さん クラシックは大衆にあり 2000年01月03日 『朝日新聞』 中国朝刊 人物 対話 写有 (全725字)
- ^ 発足10年を経てNPO法人化、経済リポート2009年5月1日1301号 p19ページ
- ^ 国税庁Webサイト旧認定NPO法人名簿(は~わ行)
- ^ 市民や企業などから支援が容易に 国税庁認定NPO法人を周知 福山シンフォニーオーケストラ 3月に復興支援コンサート、経済リポート 2011年12月10日1395号 p10
- ^ a b c d 福山シンフォニーオーケストラ 認定NPO法人に 備後地方で初=広島 『読売新聞』 2011年07月15日 大阪朝刊 28頁 (全491字)
- ^ ”夢”の響き1000人を魅了 福山で演奏会(広島県)『中国新聞』 1998年02月23日 中国朝刊 福山/尾三 写有 (全330字)
- ^ プロとアマの演奏家が共演、47news 詳細『中国新聞』2007年7月9日、2012年12月27日閲覧
- ^ シベリウスの名曲に"心酔"、『大陽新聞』2012年7月11日
- ^ 福山でオーケストラフェス 10団体 聴衆魅了 クラシックや映画テーマ 演奏技術を披露 2009年09月24日 備後1-15版 20頁 『山陽新聞』朝刊 写有 (全455字)
- ^ 復興願い重厚な音色 福山シンフォニーオーケストラが演奏会、山陽新聞さんようタウンナビエリアニュース 2012年3月27日、2012年12月25日閲覧