碧桂園
現地語社名 | 碧桂園控股有限公司 |
---|---|
種類 | 公開[1] |
市場情報 | |
業種 | 不動産、教育 |
設立 | 1992 |
創業者 | Yang Guoqiang |
本社 |
、 中国 |
事業地域 | 中国, マレーシア,[2] オーストラリア[3] |
主要人物 |
Chairman: 楊惠妍[4] Largest shareholder: Yang Huiyan |
製品 | 戸建て、高層マンション 商業用不動産、 レジャー施設 ホテルの開発 |
サービス | 資産、施設管理 ホテル管理 学校経営 |
売上高 | US$ 63,978.9 million (2023)[1] |
利益 | US$ -899.7 million (2023)[1] |
総資産 | US$ 252,923.9 million (2023)[1] |
純資産 | US$ 29,522.6 million (2023)[1] |
従業員数 | 69,932 (2023)[1] |
子会社 | Country Garden Properties (Malaysia) Sdn. Bhd.,[5] Country Garden Danga Bay Sdn. Bhd.[2] |
ウェブサイト |
www |
碧桂園(へきけいえん 英: Country Garden、カントリーガーデン)は、中華人民共和国の不動産開発企業。デベロッパー。広東省佛山市順徳区に本社を置く。
概要
[編集]1992年、創業者の楊国強は仲間とともに不動産開発を業務とする碧桂園を創業。次第に香港の富裕層が碧桂園の物件を購入するようになり発展、2007年には香港証券取引所へ上場した。2009年、リーマンショック直後の世界的な景気後退の局面で、中国政府が取った経済対策により国内の不動産価格が上昇。碧桂園は不動産ブームに乗じて業務を拡大、莫大な利益を上げるようになった。この年を「第二次創業」として位置づけている[6]。2017年の契約販売額は、暫定ベースで5508億元に達した。一方、会社の経営は、創業者の楊国強が2005年に自社の過半数株式を娘の楊恵妍に譲渡として実質的な後継者として位置づけ、2018年には楊国強と楊恵妍が共同で会長職についた[7]。特徴は、カントリーガーデンの名の通り地方都市の開発に注力していることで、2022年は三線都市、四線都市とよばれる地方都市からの収入が6割を占めていた[8]。海外プロジェクトでは、マレーシア、ジョホールバル南部のイスカンダル開発地区、イスカンダル・プテリの人工島「フォレストシティ」開発を行っている。
2020年代に入ると中国政府は、不動産事業への引き締めを強化したほか[9]、ゼロコロナ政策を取ったことにより生産・消費の停滞[10]。2021年には恒大集団を始めとした中国国内大手の不動産デベロッパーが経営危機にさらされた[11]。 そのような企業が出る中でも、碧桂園は流動性危機による痛手をさほど受けていない質の高い業者と見られていたが、2022年以降に経営環境が急速に悪化[12]。 2023年8月7日、碧桂園もドル建て債の利払い(総額2250万ドル)が履行できなくなり債務不履行の危機に直面する[13]。8月30日に発表された同年1月から6月期決算では、物件の販売不振や不動産開発プロジェクトの評価損が災いし、純損益が約490億元(約9800億円)の赤字と前年同期の黒字から大幅に収益が悪化した[14]。翌8月31日、格付会社のムーディーズは、碧桂園について流動性の逼迫に直面しており、債権回収の見込みは小さいとして信用格付けを「Caa1」から「Ca」へと3段階引き下げた[15]。しかし30日間の猶予期限が切れる直前の9月5日に利払いを行い、債務不履行の危機を脱した[16]。また碧桂園は元建て債を保有する債権者に総合計108億元(約14億8000万ドル)相当のオフショア債8本の償還を3年間延長する提案を行い、同年9月11日の投票ではそのうち6本について延長の合意を得るなど、債務不履行回避に向けた綱渡りの交渉が続いた[17]。
しかし、2023年9月17日が期限だった1540万ドル(約23億円)相当のドル建て債を30日間の猶予期間を超えても履行できなかったため、受託機関のシティコープ・インターナショナルは10月下旬、債務不履行を債券保有者に通知した[18]。 同年12月8日、会長の楊恵妍はグループ経営会議で「創業家は私財を投げうってでも会社を支援する」と表明[19]。また、2024年1月19日、広州市に保有する多数の不動産の売却を試みるなど[20]経営の立て直しに向けて模索が続けられた。しかし同年2月27日、一債権者から香港の裁判所に碧桂園の清算を求める訴訟が起こされた[21]。
2024年3月28日、碧桂園は2023年の決算発表を延期した。碧桂園株は上場規則に沿って同年4月2日から決算が発表されるまで株式の売買が一時停止された[22]。
出典
[編集]- ^ a b c d e f “Country Garden Holdings”. Fortune. 15 August 2023閲覧。
- ^ a b “Country Garden Danga Bay Johor Bahru Iskandar Malaysia”. 2023年10月22日閲覧。
- ^ “Ryde Garden”. 2023年9月20日閲覧。
- ^ “董事名單與其角色和職能”. 11 August 2023閲覧。
- ^ “COUNTRY GARDEN PROPERTIES - Five Stars Property Developer in Kajang & Rawang”. www.countrygarden.com.my. 21 June 2013時点のオリジナルよりアーカイブ。14 January 2022閲覧。
- ^ “風雲急を告げる中国不動産業界、「恒大」と「碧桂園」不動産2トップの明暗を分けたのは何か”. レコードチャイナ (2021年10月25日). 2023年8月16日閲覧。
- ^ “中国不動産開発の碧桂園、会長が年齢理由に辞任”. ロイター (2023年3月1日). 2023年8月16日閲覧。
- ^ 焦点:中国不動産の碧桂園、中小都市で「薄利多売」が裏目に ロイター
- ^ “中国不動産市場に異変~行き詰まる成長モデル”. 日本放送協会 (2021年11月5日). 2023年8月17日閲覧。
- ^ “中国不動産の危機再来?碧桂園の楽観できない先行き 世界市場の不安のタネに”. zakzak (2022年9月7日). 2023年8月17日閲覧。
- ^ “中国「恒大集団」、債務超過11兆6000億円の激震”. 東洋経済オンライン (2023年7月21日). 2023年8月16日閲覧。
- ^ “中国の不動産危機、最大手のデベロッパーにも飛び火か”. bloomberg (2023年1月16日). 2023年8月17日閲覧。
- ^ “中国不動産開発の碧桂園、ドル建て債2本の利払いできず”. ロイター (2023年8月8日). 2023年8月16日閲覧。
- ^ “中国碧桂園、赤字9800億円 不動産最大手―1~6月”. 時事通信 (2023年8月30日). 2023年8月30日閲覧。
- ^ “中国不動産大手の碧桂園、債務危機のポイント”. ロイター (2023年9月4日). 2023年9月12日閲覧。
- ^ “中国碧桂園、期限目前でドル建て債利払い 元建て債は償還延長提案”. ロイター. (2023年9月5日) 2023年10月26日閲覧。
- ^ “中国碧桂園の元建て債6本、償還3年延長案を債権者が承認=関係筋”. ロイター (2023年9月12日). 2023年9月12日閲覧。
- ^ “碧桂園ドル建て債が初のデフォルト、受託機関通告-大型債務再編か”. bloomberg.co.jp. ブルームバーグ. (2023年10月25日) 2023年10月26日閲覧。
- ^ “中国不動産大手、創業家が「私財投入」の崖っぷち”. 東洋経済オンライン (2023年12月25日). 2024年3月10日閲覧。
- ^ “中国不動産「碧桂園」、なりふり構わぬ資産売却”. 東洋経済オンライン (2024年2月8日). 2024年3月10日閲覧。
- ^ “中国碧桂園の清算、求めたのは無名の債権者”. ブルームバーグ (2024年2月29日). 2024年3月10日閲覧。
- ^ “中国碧桂園、23年の決算発表を延期 4月2日から株式売買停止”. ロイター (2024年3月29日). 2024年4月3日閲覧。